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町の名も濠端通り蓮の花 ハードエッジ 蓮の茎花を支へて長きかな ハードエッジ 雷鳴の中の静けさ花蓮 ハードエッジ 金銀で模して醜し蓮の花 ハードエッジ 以上です
涼しさは水尾か水輪かさざ波か ハードエッジ 一も一字十も一字の涼しさよ ハードエッジ つかまつてある日涼しく立ち上がる ハードエッジ 庭を掃くことも修行や僧涼し ハードエッジ 涼しさと寝るは極楽一丁目 ハードエッジ 歳月の吹き抜けゆくや墓地涼し ハードエッジ 以上です
学校を抜けて目高の学校へ ハードエッジ ふる雨に水温変る目高かな ハードエッジ 危きは目高の群の最後尾 ハードエッジ 以上です
油蟬に油の艶はなかりけり ハードエッジ 木に当る愚かな蟬と思へども ハードエッジ ぶつかつて潰れし蟬はなかりけり ハードエッジ 水田に落ちて溺るる蟬もあらむ ハードエッジ ※タイトルの青文字は canva が「蟬」に対応していないため「蝉」で妥協
朽縄を蛇と化したる神意かな ハードエッジ 代々の青大将がこの家守る ハードエッジ するすると蛇の道を行く蛇長し ハードエッジ 音がして青大将のどたと落つ ハードエッジ 尻取りの蛇は美人を誘へり ハードエッジ 以上です
激流を撫でたる鮎の竿といふ ハードエッジ 緑濃き山の激流鮎の川 ハードエッジ 鮎の瀬に山椒魚もをるといふ ハードエッジ 鮎を焼くけむり銀座のネオン街 ハードエッジ
植田風低く遍く柔らかく ハードエッジ 植ゑし田にほほゑむやうに風がふく ハードエッジ 風神も子連れで憩ふ植田かな ハードエッジ 客車から機関車が見ゆ植田越し ハードエッジ 植田から青田に変る日数かな ハードエッジ
万緑の中縦横に緯度経度 ハードエッジ ※改案: 万緑を縦横に切る緯度経度 万緑の中ハンカチの落し物 ハードエッジ 万緑の中のヘアピンカーブかな ハードエッジ 万緑の肌を削る鉄の爪 ハードエッジ 万緑の地下に土食ふ蚯蚓かな ハードエッジ 万緑の地下に万根しづかなり ハードエッジ
温泉の宿の離れに棲める金魚かな ハードエッジ この部屋に動く金魚と掛時計 ハードエッジ 雨ふりを知らぬ金魚が水の中 ハードエッジ 二三日金魚のゐない金魚鉢 ハードエッジ
長子と言はぬ穴子の長さかな ハードエッジ 群れてゐる穴子の穴やあなをかし ハードエッジ 釣人や穴子釣れねど色々と ハードエッジ ぬらぬらと蛸も穴子も商へり ハードエッジ レジ横に刎ねし穴子の頭売る ハードエッジ
ばさばさと芭蕉の如きバナナの木 ハードエッジ 青バナナ黄色に熟し黒に果つ ハードエッジ さつちやんの遠くへゆきしバナナかな ハードエッジ 三日月の生れ変りしバナナかな ハードエッジ 地を蹴つてバナナのやうに逆上り ハードエッジ 船の旅バナナの皮は海へ投ぐ ハードエッジ
薫風や空飛ぶものに地のものに ハードエッジ ハイウェイを屋根なき車風薫る ハードエッジ 薫風に誘はれて来し山の宿 ハードエッジ 薫風に柱を立てて家造り ハードエッジ ひとり居の窓を開ければ風薫る ハードエッジ
昼寝してわが再起動(リブート)を試みる ハードエッジ 吾輩と苦沙弥先生昼寝の図 ハードエッジ 昼寝覚この世が雨に煙りをる ハードエッジ 以上です
香水の匂ふが如き斜陽かな ハードエッジ 若き日の香水よ旧本社ビル ハードエッジ 封切の明日映画も香水も ハードエッジ 香水の跡を警察犬が追ふ ハードエッジ 紫式部てふ香水のあらまほし ハードエッジ