ハードエッジの落選俳句館

ワープから抜けて見知らぬ星月夜　ハードエッジ悉く時間差光の星月夜　ハードエッジ天文学的数を費し星月夜　ハードエッジ我こそは天球の核星月夜　ハードエッジ狙ひ撃ちするなら何を星月夜　ハードエッジ旅人は次の星へと星月夜　ハードエッジ

まだ文字を知らぬペン先流れ星　ハードエッジ時針より長き分針流れ星　ハードエッジ流れ星釈迦の救ひの糸もあれ　ハードエッジ流星の豊かなる夜のコンサート　ハードエッジ星座にはなれぬ嘆きの流れ星　ハードエッジ流星の怖ろしき夜や誰か来て　ハードエッジ

ゆふやみに浴衣の君のあらはるる　ハードエッジ川風に浴衣の花の吹かれをる　ハードエッジ若きらの揃ひの浴衣背まちまち　ハードエッジ

雲雀野の小学校の窓硝子　ハードエッジ揚雲雀おいしい水を飲ませたし　ハードエッジ百年前の雲雀籠とや入札す　ハードエッジ夕雲雀一番星を咥へ来よ　ハードエッジ

北国といふも外つ国鶴帰る　ハードエッジ大いなる吹雪の国へ鶴帰る　ハードエッジ鶴引くや朝の沢庵ばりばりと　ハードエッジ鶴引くや煙草の灰は長く伸び　ハードエッジ鶴引くは都落ちとも思ふかな　ハードエッジ以上です

青空は暖かさうに雲を乗せ　ハードエッジあたたかやほころびそめし花の色　ハードエッジ暖かやつむじ右巻き左巻き　ハードエッジ故人いつか古人となりぬ暖かし　ハードエッジ

下萌に土こそばゆき昨日今日　ハードエッジ下萌の踏まれやすきも覚悟かな　ハードエッジ闊歩する人に負けじと下萌ゆる　ハードエッジ

鶯の宿の朝餉の胡麻よごし　ハードエッジ

目覚めよと春一番の吹き荒るる　ハードエッジ坂道を春一番の子が駆ける　ハードエッジ自転車に春一番の重たけれ　ハードエッジ春一番空気取入口へかな　ハードエッジ墓石に春一番のこそばゆき　ハードエッジ

驚くや梅見の寺の鐘の音　ハードエッジ徳川の人も来てゐる梅見かな　ハードエッジ

雪道や菠薐草を携へて　ハードエッジ根のところ菠薐草と小松菜と　ハードエッジ鉛筆で菠薐草の赤を描く　ハードエッジ

大寒をもて小寒を上書きす　ハードエッジ大寒の人には告げよ日の微笑　ハードエッジ大寒の更地を囲む杭の数　ハードエッジ大寒や椅子も机も踏ん張つて　ハードエッジ大寒の折目正しき鶴一羽　ハードエッジ

自らも出汁となりつつおでんの具　ハードエッジおでん酒おでんの人に寄り添ひぬ　ハードエッジおでん屋の湯気を豊かに飲むべかり　ハードエッジこれしきのおでんの酒に酔ひつぶれ　ハードエッジ

氷りつつ流るる星となりにけり　ハードエッジ火の色の特急通過駅氷る　ハードエッジ

#俳句