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ハードエッジの「開発素句報」

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twitter専業俳人ハードエッジの新作俳句=葉書俳句7句。 2018年秋~2019春までは、葉書なし 句数不定 発行回数増し でした。 (その後の全然堂歳時記への試行) 現在は…
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#俳句

開発素句報 2021-01 謹賀新年/決定稿

謹賀新年 純白を初富士とこそ言ひつべし ハードエッジ   差替:   初日の出しづかに富士のうかびたる ハードエッジ 青空は青にそまりて初御空 ハードエッジ   推敲:   青空は青の本命初御空 ハードエッジ 初詣神も佛も隔てなく ハードエッジ 願はくは夢みるちから宝船 ハードエッジ 初夢といふ年玉のごときもの ハードエッジ   推敲:   初夢といふ年玉を賜りぬ ハードエッジ   綺羅星の月雪花の初芝居 ハードエッジ この年はマスクも取らず御慶かな ハ

開発素句報 2020-06 後部座席

白妙の入道雲や船の旅 ハードエッジ 湯の宿の清水で冷やす冷奴 ハードエッジ 素麺に願ひの糸の如き赤 ハードエッジ 半球は天文台と天道虫 ハードエッジ ぱかと開く缶ペンケース夏の蝶 ハードエッジ 子らの眠る後部座席の西日かな ハードエッジ しみじみと月のなき夜の月見草 ハードエッジ 参考句、推敲過程などは全然堂ブログへ

開発素句報 2020-05 緋の水着

千年の仏を守る堂涼し ハードエッジ 墨書太々夏痩と言ふ便り ハードエッジ 古酒の色愛でつ今年の梅酒漬く ハードエッジ 緋の水着水の中より燃え上る ハードエッジ 髪洗ふ姫君月へ帰るべく ハードエッジ 金魚ゆらゆら母船を待つてゐるやうな ハードエッジ 影のやうに舟の出てゆく月見草 ハードエッジ ※葉書俳句の画像一覧はこちら ※参考句などはブログをご覧ください→全然堂ブログ

開発素句報 2020-04 早寝早起き

人々に見られて虹の美しや ハードエッジ 全山に滝の快楽の轟けり ハードエッジ 積み上げし積木涼しく崩れたり ハードエッジ 豆腐屋の早寝早起き冷奴 ハードエッジ 四本の弾力に立つ鹿の子かな ハードエッジ 薄紅を今宵限りの月見草 ハードエッジ サングラス・ピアス・イヤホン・夏マスク ハードエッジ ※さらに、参考句、推敲過程などはこちら

開発素句報 2020-03 帰りは軽し

ここに駅つくれと吹雪く関ヶ原 ハードエッジ 水たまり氷だまりとなりにけり ハードエッジ 昼月や蜜柑に淡き花の跡 ハードエッジ トラックの帰りは軽し日脚伸ぶ ハードエッジ 清らかな星のまたたき雪だるま ハードエッジ 一晩で熱の引きたる紙懐炉 ハードエッジ ノックして芯を出すペン春近し ハードエッジ 以上です

開発素句報 2020-02 遊び尽して

ヘッダは痛恨の印刷ミス→裏をメモ用紙に 初日の出消えゆく闇も潔し ハードエッジ 美しき雲を浮べて初御空 ハードエッジ 初刷にがばりと富士やインクの香 ハードエッジ アルバムにもう懐しや初写真 ハードエッジ 眼福のロビーなりけり初芝居 ハードエッジ 初の付く季語の饗宴初句会 ハードエッジ 正月を遊び尽して目出度けれ ハードエッジ 以上です

開発素句報 2020-01 謹賀新年

静かなるもののはじめの初日の出 ハードエッジ   改案:   大いなるものはゆるりと初日の出 ハードエッジ やはらかな赤子のあくび年明くる ハードエッジ 歳時記の古きを開く淑気かな ハードエッジ お雑煮の雑と言ふ字も目出度けれ ハードエッジ 人々の歩みゆくなり初詣 ハードエッジ 参道に泣初の子や微笑まし ハードエッジ 餅食うて餅の心地の寝正月 ハードエッジ   ※画像は誤入力で「地」が脱落してます m(_ _)m ※オマケ、年賀状2019 ※オマケ、年賀状

開発素句報 2019-13 蜜柑の皮

古寺の冬菜畑の緑色 ハードエッジ 夜の水に豆の膨らむ冬至かな ハードエッジ 少年の一人住む星クリスマス ハードエッジ 優しさは蜜柑の皮を剥くやうに ハードエッジ 楽しくて体にも良き炬燵かな ハードエッジ 息災やおでんの中のゆで卵 ハードエッジ 鶴の色亀の齢の雪の山 ハードエッジ

開発素句報 2019 葉書俳句画像一括 12枚

以上です

開発素句報 2019-12 葱よりも

言葉さへ躓くやうに日短 ハードエッジ 冬の日の眩しかりける朝湯かな ハードエッジ 水鳥の日向にをるや日陰にも ハードエッジ 葱よりも長きレシート年の暮 ハードエッジ 食へといふ根・人・柑や冬至の夜 ハードエッジ 眠たさのもう寝るだけの柚子湯なり ハードエッジ 毛並よきものを誂へクリスマス ハードエッジ

開発素句報 2019-11 ビル灯る

木枯に売るや箒を逆立てて ハードエッジ 赤や黄の面影のある落葉かな ハードエッジ 水鳥は冷たき水に素足なり ハードエッジ 短日を詫びるが如くビル灯る ハードエッジ 手袋はもしや眠れる猫の下 ハードエッジ 電気から力を得たる毛布かな ハードエッジ 青首は花形大根山積に ハードエッジ

開発素句報 2019-10 赤い夕日

豊年やカラメルソース焦げそむる ハードエッジ 柿の木がこの柿食へと枝垂れけり ハードエッジ 銀座から浅草へゆく秋の暮 ハードエッジ 秋深く赤い夕日を滲ませて ハードエッジ 湯煙の夜空に消ゆる紅葉かな ハードエッジ 秋の夜の細部に宿り給ふもの ハードエッジ 少しづつ天気良き日の冬支度 ハードエッジ ※週刊俳句 角川俳句賞落選展2019に参加しました

開発素句報 2019-09 神代の昔

日曜の朝は運動会の朝 申し訳なささうな黄を青蜜柑 菊の香のつんと神代の昔かな 日本に神の名あまた柿の名も 埒もなく秋の畳に昼寝かな 一年で果つる虫草秋の風 秋深し稲の色してマヨネーズ 開発素句報バックナンバー:

開発素句報 2019-08 いつまでも

蝉の声大繁盛となりにけり ハードエッジ かはほりと蝙蝠傘とバットマン ハードエッジ 茄子の馬いななく如く曲りたる ハードエッジ いつまでも手を振つてゐる夏休 ハードエッジ 丈高き草の先なる秋の色 ハードエッジ 新涼や水切籠に皿を挿す ハードエッジ 桃すする幼なのほつぺ落ちさうな ハードエッジ より詳しくは、全然堂ハードエッジへ