全然堂歳時記 秋 【終戦日】

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全然堂歳時記 秋 【終戦日】

玉砂利の上に八月十五日　ハードエッジ 万骨のそして我らの終戦日　ハードエッジ 壇上に菊花山なす終戦日　ハードエッジ 白黒の間の黄色終戦日　ハードエッジ 人種みな平等の夢敗戦日　ハードエッジ 植民地解放成らず敗戦日　ハードエッジ 空襲の女子供や終戦日　ハードエッジ あやまちは勝たざりしこと終戦日　ハードエッジ ずるずると負けて悲しき終戦日　ハードエッジ 汽罐車の真つ赤に錆びて終戦日　ハードエッジ 空青く山みどりなる終戦日　ハードエッジ カルピスの水玉模

全然堂歳時記 秋 【夜長】

暑くもなく寒くもなくて夜長なり　ハードエッジ 眠るもよし眠らぬもよし夜は長し　ハードエッジ 長き夜は虫に任せて早寝せむ　ハードエッジ 長かりし夏を忘るる夜長なり　ハードエッジ 長き夜の中に昨日も今日もある　ハードエッジ 飛行機は長き夜を行く孤独な灯　ハードエッジ 長き夜を線香の火の沈みゆく　ハードエッジ 歯車の遅速の刻む夜長かな　ハードエッジ 長き夜の胡麻を圧して胡麻油　ハードエッジ スポンサー途中で替る夜長かな　ハードエッジ 長き夜にしばし赤子の良き眠り　ハードエッ

全然堂歳時記 秋 【流れ星】

いにしへの奈良の都の流れ星　ハードエッジ 音もなく時は流れて流れ星　ハードエッジ 流れ星ただ一筋に光るなり　ハードエッジ 一の糸そして二の糸流れ星　ハードエッジ 流星や生れたるものは水にぬれ　ハードエッジ 言葉から零るるは何ながれ星　ハードエッジ 流星や軽く闇夜を刺すやうに　ハードエッジ 湯あがりの赤子ひやすな流れ星　ハードエッジ 夜なべする人の居眠り流れ星　ハードエッジ 流星や修行の僧の大嚔　ハードエッジ この山が例の古地図の流星の　ハードエッジ

全然堂歳時記 秋 【柿】

日本に神の名多し柿の名も　ハードエッジ 駅よりも農家が立派柿たわわ　ハードエッジ 寺の柿も役場の柿も鈴生りに　ハードエッジ 婚の荷でありし柿の木祖母の庭　ハードエッジ 仏壇に柿を供へて菊を生け　ハードエッジ 柿の蔕はなびらよりも欠けやすき　ハードエッジ 入りし刃にシクと切られし柿の種　ハードエッジ 桃は啜り林檎は噛り柿はさて　ハードエッジ 食べ飽きて柿に寛ぐ稲雀　ハードエッジ 柿食つて鴉の羽根のまつ黒な　ハードエッジ 日は空を焼いて真つ赤や柿の秋　ハー

全然堂歳時記 秋 【月】

十五夜だから15日頃だろうと気楽に考えてたら、 今年2020年の十五夜は10月1日なのでした　←先取り精神！ （9月17日が新月） ちなみに、去年2019年の十五夜は9月13日でした　←言訳 葉書俳句画像一覧はこちら 赤々と月の出を待つ夕焼かな　ハードエッジ 髪乾くまで月の出を待たせある　ハードエッジ 虫籠を闇に沈めて月を待つ　ハードエッジ 人待つや月の光を浴びながら　ハードエッジ ふる雪もちる花もなき月夜なり　ハードエッジ けふの月あしたの月や日々の月　ハード

全然堂歳時記 秋 【西瓜】

葉書俳句： テキスト： 臍の緒の長く伸びたる西瓜かな　ハードエッジ 地下水を汲み上げてゐる西瓜なり　ハードエッジ 地下水をタンクに貯めし大西瓜　ハードエッジ 　改訂版： 　地下水を縞のタンクに西瓜かな　ハードエッジ 2022.8.29　 どすんどすんと置かれし如く西瓜畑　ハードエッジ 抱へたる西瓜の縞の放射状　ハードエッジ 兵器庫の如く西瓜を縦横に　ハードエッジ 切られるか叩き割られるかの西瓜　ハードエッジ 丸ごとの西瓜巻き取る象の鼻　ハードエッジ 謎の輪は西瓜の尻に敷

全然堂歳時記 秋 【秋の暮】

葉書俳句： テキスト： 神々も寂しかりしや秋の暮　ハードエッジ 沖縄も暮れて日本の秋の暮　ハードエッジ 屋上のコンクリートの秋の暮　ハードエッジ 校庭に人影長し秋の暮　ハードエッジ 原つぱも喇叭も消えて秋の暮　ハードエッジ 缶けりのかんからかんと秋の暮　ハードエッジ 町の子に町の寂しさ秋の暮　ハードエッジ 残りたる子らで遊べり秋の暮　ハードエッジ かあかあと鴉が鳴いて秋の暮　ハードエッジ 秋の暮さびしがり屋を虜にす　ハードエッジ 灯せば明るくなりぬ秋の暮　ハードエッ

全然堂歳時記 秋 【松手入】

全然堂歳時記 秋 【林檎】

旅ゆけば秋田青森りんご晴れ　ハードエッジ 青森に林檎を買ひし夜汽車かな　ハードエッジ 王・金・紅の林檎売場や富士もある　ハードエッジ とりどりに林檎なで肩いかり肩　ハードエッジ 紅玉は昔の林檎とは言へど　ハードエッジ 紅玉と答ふ林檎の好きな人　ハードエッジ 可愛やとリンゴの唄の流行りし頃　ハードエッジ 林檎箱にも今昔の思ひあり　ハードエッジ ＰＣに林檎噛るも縁かな　ハードエッジ 林檎丸噛りを梨の羨みぬ　ハードエッジ 白妙の林檎の歯型見せに来る　ハードエッジ こんな夜は居間

全然堂歳時記 秋 【葡萄】

夏は西瓜秋は葡萄の種を吐き　ハードエッジ 針金の逞しき張り葡萄棚　ハードエッジ 葡萄まだ小文字のｏの大きさに　ハードエッジ 砂時計の砂の静けさ葡萄垂る　ハードエッジ 恋人と葡萄の園に昼寝して　ハードエッジ 紫の雨に煙るや葡萄園　ハードエッジ 盆地の灯ぱらぱら消ゆる葡萄かな　ハードエッジ 夜空より紫紺滴る葡萄かな　ハードエッジ 紫も緑も黒も葡萄なり　ハードエッジ 二三粒葡萄沈みし洗桶　ハードエッジ 黒雲の如き葡萄が皿の上　ハードエッジ 灯を少し暗くして

全然堂歳時記 秋 【虫】

葉書俳句： テキスト： 鳴く虫の代替りして今年また　ハードエッジ 台風の大きく逸れて昼の虫　ハードエッジ タクシーの出払つてゐる昼の虫　ハードエッジ 夜行バスの洗車の雫昼の虫　ハードエッジ 鳴き通す図書館裏の本の虫　ハードエッジ 虫愛づる姫君とその物語　ハードエッジ 切株を励ます如く虫時雨　ハードエッジ 鳴く虫のリリリの中のルルルかな　ハードエッジ 鳴く虫のこれは月見の虫らしき　ハードエッジ 鳴く虫も月に力を得たりけり　ハードエッジ 童謡が「あれ」と歌ふよ虫の声　ハ