八木沼悟志さんを褒めようと頑張ってみた
八木沼悟志さんとはアニソン界で大人気のユニット『fripSide』のプロデューサーである。
アニソンで上位に挙げられることの多いonly my railgunや、今期ではアニメ『ひきこまり吸血鬼の悶々』のOPの作曲などを行っている。
人は悪の側に立ち続けることができないとされている。
悪いことを行っているという自覚がある場合はそれを打ち消すために他で善行を積んだり、そもそもこれは悪いことではないのだと自分を思わせて行動する。
また、人の評価についても様々なもので、この一面は良いがこの一面は良くないというのも往々にしてある。
ある人が良いと思った面も別の人からしたら良くない面であるという事もある。人間って奥深い。今回はそんな感じの記事です。
前回の記事で「褒めてみた」ってタイトルが面白かったと言ってもらえて嬉しかったので、今回は頑張ってプロデューサーを褒めてみようと努めます。
では褒めるために一度、今までの自分を捨てて全肯定マンになります。
ちょっと待っていてくださいね。
スゥッ……
八木沼悟志さん最高!天才!かっっこいい!!
ヨシ!(=^∀^)σ
この令和の時代にデジタル系の楽曲を作ってアニソンにも抜擢されているのですごい!
ちゃんとアニソンをやろうとしていて、ライブでもアニソン中心に何度もやってくれるし。
他のアーティストとかけっこう無惨ですからね。10年代に邦楽が終わったものを20年代にアニソンが参照してるので、もう何も心躍るものがない……
……しまった!褒めようとするあまり別の人を貶めるというやりがちなやつになっちゃった!!
彼の作る楽曲は昔に比べると……という冠との戦いになるのだが、これは彼自身がカバーをしていることで我々に過去を思い起こさせているというか何で一つのアルバムに幾つもカバー入れてるの馬鹿じゃないの?
……しまった!褒めようとしてるのに馬鹿とか言っちゃった!!
人間性、そうだ人間性を褒めよう!!
彼はけっこう我が強いというか俺様ムーブを所々で目にするが、クリエイターなので多少アクが強い方が健全だと思う。
それでいて彼はけっこうこちら(通常ファン)を思ってくれるような発言をすることがあり、ライブでもちゃんと見えてる?聞こえてる?とか、演出についても皆が楽しんでくれるようにとか考えてくれている。(まぁこれができてない演出家は控えめに言っても終わってると思うが。)
羽田での苦言も、ファン同士での揉め事を仲裁しようとしてでた発言だし、或る日の「サイリウムを道端に捨てたヤツ、二度と来るなよ。マジでいらねえ」ツイートも言葉こそは強いが、真っ当なことを言っている。箱に対しての真摯さを感じる。というか札幌の治安どうなってるの。
「アベレージ」についてもスポンサーの意向とかチケットの売り上げとか色々なことを頭に入れた上での発言だろう。
それにしても「PCゲームコンピレーション2の曲、今回ツアーで全部やります」はどう頑張っても擁護できない。「全部やりたいです!」ならまだ頑張りが足りなかったで済むが、一体何が起こったんでしょうね……。スポンサーの意向?便利な言葉だな。
いけないいけない、また熱くなっちゃった。
レールガンがあれだけ売れた以上、クリエイターとしては一級品と言える。カラオケで印税がっぽがっぽらしいし。
オタク達の集まりでレールガンが出てきた際の認知度の高さよ。
ハルヒとかシャナよりも下手したら理解される。
曲が強く、コンテンツも強いので展開も多く、レールガンは色々なところで見かける。
美少女ゲームソングを作っていた頃の面影で依頼をしたとは思うが、まさかここまで売れるとは関係者もさぞ驚きだっただろう。
今から15年ほど前のあの時代……15年前!?歴史じゃん。
あの時代はI've Soundが圧倒的な人気を持っており、そこに依頼のできない人達がfripSide等に依頼をしていたようなイメージがある。
かといって曲の良し悪しでゲームの出来が左右されるわけでもないので、fripSideは変わらず名曲を出し続けている一方、ゲームが飛躍的に伸びるということも経験した。元祖Redが印象深いだろう。
この視点からするとmagicarideって別にゲーム自体は伸びてないんですよね。曲だけ人気になってすごいものだ。
そしてメジャーデビュー。だがプロデュースは5pb.によってされて作詞作曲は志倉千代丸さんであり、八木沼悟志さんは編曲にしかクレジットを載せることができなかった。
これは彼の心に相当のダメージを与えたと思われる。
そこからさらに羽ばたこうとする段階でのnaoさんの脱退。
fripSideは自分のユニットということでRitaさん……ではなく南條さんを迎え入れ第二期スタート。
二期って後半になって急に自称が増えましたよね。三期を見据えていたのだろうか。
ボーカルを変えつつもfripSideを続けていこうという意志は賛否両論があるが、昔を忘れたい人がそんなことはしないので、彼なりに一期を大事にしたいという想いの現れだろう。
ちょっと方法が強引でカバーが多すぎるだろになるが、それも昔の曲を今の自分の技術でより多くの人に聞いてもらいたいという想いの現れだろう。本当に昔の曲が嫌いならカバーなんてしないだろうし。
彼の考える「大切にする」とこちらの想定する「大切にする」がズレているので軋轢は生じているものの、何だかんだでカバーの再生数も終わっているわけではないので、ある程度は受け入れられているのだろう。
二期がカバーアルバム出す前は一期の曲名出しても「何それ?」って言われてましたからね……。
それが南條さんの歌った曲としての認知から始まる恋もあると思うんですよ(?)
話が逸れてしまった気もするが、八木沼悟志さんはファンを大切にしようとしていて昔の事も想っているのですごいという辺りでまとめていきたいと思います。
50歳も近い(気が早い)のに金髪で一線に出るのもすごい!と書こうとしたが、そういえば直近のツアーではドタキャンしてましたね。流石に年齢から来る腰の痛みには勝てなかったか……。
それでもファンクラブの日記やエックス(旧ツイッター)で発言をし続け、動画を公開したり、何ならアルバム発売前には生放送をしたりと精力的に活動をしている。
レールガンが売れたから良いやと勝ち逃げすることもなく、楽曲を作り続けているのがすごい。
昔があまりに偉大すぎるので、曲を出すたびにかわいそうなことにはなるが、その反応にも負けずに三期結成一年半でiR2も出した。
三期の結成っていつなんでしょうね?SSAなのかリスアニなのか、それともdoiの発売日かアニメの公開日か……。
前回の生放送で川崎海さんのクレジットで沸き立つコメント欄に「俺も作ってるから」と言ってたのもかわいそうだった。
確かに川崎海さんは良い曲が多いが、それを川崎海最高!とかばかり書かれると自分がある程度作っている目線からするとあまり良い気分でも無いだろう。自分の気持ちに正直なのだ。良いことじゃないか。
人気だから何を言ってもいいとか有名税とかいう言葉もあるが、彼らだって一人の人間である。とりわけクリエイターなんて自分の想いを世に広めたいという動機からそうなっているわけであって。
まぁ彼が正直なので、こちらも正直な感想を言うと彼を傷つけてるような気はするが、それはもう少し頑張って作ってくれとしか。一時期明らかに音数が少ない時あったじゃ無いですか。「曲作りは引き算だ」とは言うものの明らかに盛り上がりに欠けてましたからね。
あれまた褒めルートから外れてるじゃん。人を褒めるのって難しい。
八木沼悟志さんの偉大なところはシンセサイザーを用いた音楽の製作にある。
小室哲哉さんが一世を風靡した90年代〜00年代が終わり、邦楽はバンドものが増え、デジタルJPOP好きは居場所を無くしていたところにすっぽりとfripSideが収まった。
これはonly my railgunの大ヒットに繋がるところでもあるだろう。
ライブでの楽しい思いを増やしたいからか一時期バンドものに傾倒していったが、これをやると10年代になるので八木沼悟志さんには今後もシンセサイザーと共に暮らしていてほしい。
そしてデジタルJPOPの復権というキーワードはアマチュアにも影響を与えた。二期fripSideのような曲を作る人が増えたのである。
ワクワクするような音楽に触れさせてくれるサークルができるきっかけとなったというのは大きい。
願わくは昔のようなワクワク感をfripSideから感じたいところではあるが、人は年を取るものであり好みも変わるものなので、今後私の好みと交わることは無いのかもしれない。
それでも確かにあったあの時代を胸に抱きながら今日も音楽を聴いていくのである。
八木沼悟志さんはすごいという話でした。(言うほど褒められてない気がする。)
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