長ったるく書き綴るハラマサのプレイウルトラ
⚡️𝐏𝐋𝐀𝐘𝐔𝐋𝐓𝐑𝐀⚡️
𝐆𝐫𝐚𝐧𝐝 𝐓𝐨𝐮𝐫𝐧𝐚𝐦𝐞𝐧𝐭 𝟐𝟎𝟐𝟑
という大会に出場してきました。
フリースタイルアクトバトル=即興芝居の戦い。そのトーナメント。
即興芝居で戦うなんて初めてで、そもそも即興芝居の経験がほとんど無い。
というのも、僕は死ぬほど即興芝居が苦手だ。
昔、親交のある六川裕史という役者から「アナタってイメージがある時の芝居は強いけど、無い時は激弱ね」と評されたことを未だにたまに思い出し、ホント言い得てるよなぁ、なんて思う。
イメージがある時ってのは、つまり台本があり、状況を理解して台詞を覚えた上でしっかり準備して、ということ。その中で自分なりに演じるのは少しばかり自信がある。
イメージが無い時ってのは、つまり即興芝居。もっと明確に言えば、準備が無い中で即発想を膨らませて演じるという作業が昔から心底苦手で、結果何もイメージできぬまま演じることになり、何もできずに汗だけかいて終わる。
時々稽古やイベントでやる時は、たいがいコレで、何もできなかった悔しさや情けなさだけが残り、そのたびに苦手意識が強まっていった。
そのまま見て見ぬふりして何年も何年もやり過ごしてきたが、二、三ヶ月前に、とうとうそうはいかなくなった。
まさかのお声がけいただいたのだ、プレイウルトラ。
お声がけいただいた瞬間に心の底から「即興芝居??無理無理無理」と思いました。
しかしオーガナイザーの行澤さんが大好きで、こんなありがたいお声がけは無いな、と。
激富から壱劇屋・カヨコの大発明さんとのコラボ朝劇・病的船団と大阪演劇界の縁が一気に広がっていった2023年の締めくくりに相応しいこのイベントに出ないなんて選択はしちゃダメだろうと、参加させていただくことにしました。
本番近くなると僕は毎日プレイウルトラの過去大会の動画を観ていたのですが、それは宣伝の為でもあるんですが、何より、恐すぎたからです。
即興芝居のやり方がわからなすぎて、少しでもコツを知りたくて、掴みたくて、ひたすら達者な皆さんの試合動画を観ていました。
そうして自分なりに学んで、準備して迎えた前日リハーサル。
みんな一回ずつ手合わせしましょう、という事で、実際に舞台上で練習試合をしました。
色々観ながらイメージしてきたことと、自分なりの培ってきたこれまでを信じてやってみた結果は、散々でした。
ここ数年で、少し付いてきた演劇の自信が吹っ飛び、強く固まった苦手意識がムクムクと蘇り、「うわ、終わった」と一人途方に暮れておりました。
リハが終わり、地元に着いたのは22時頃。もう脳はクラクラで今すぐにでも現実逃避に眠りたいと家路を急いだのですが、道中「このまま寝たら明日絶対ダメだ」という気がして、重い足取りで引き返し、サウナに行きました。
サウナ内でひたすら、何がダメだったか。自分は何がそんなに苦手なのか。上手い人は何が上手いのか。何を意識すべきなのか。何を大切にすべきなのか。果ては先行だったら?後攻だったら?ととにかく思いつく限りのことをひたすらに、答えの出ない問いを脳内で続けました。
大した答えは出ませんでしたが、目的は答えを出すことじゃなく、この恐さから逃げずに向き合い切ることでした。
それを経ないと、ちゃんと寝て、余計なものに脳を包まれていない状態で劇場入りできないと思い、とにかくひたすら向き合いました。
えらいもんでサウナは何度入ろうがキマリませんでした。
しかしその甲斐あって、自分なりに少しだけの自信を取り戻し、あとは野となれ山となれ、自分らしさと学んだものを信じて思い切りやるだけ。という心境までは立て直し、会場入りしました。
そこからもまだまだ不安の渦中、そんな中劇場入りすると、模擬ウルトラ(練習試合)をしよう!という参加者の方々がいて、ビビりながらも、先にかける恥はかけるだけかいておけと、参加を願い出て、会場ロビーの空きスペースで練習試合を沢山しました。
そこでも一向に上手くいかない。そして目の前では練習試合では勿体無い名試合が連発されていく。
でも「できないことに落ち込んでる暇など無い。なにか、なにか少しでも掴みたい」と繰り返す中で、最後の最後の練習試合で、少しだけ自分なりに演じることができました。
自分なりに手応えがあったのと、それを見てくれた方の反応が明らかに今までと違いました。
とはいえ大成功かって言ったら全然違ったんですけど、でも自分にとってはとても大きな実感でした。
そこから当日リハも終わり、本番がいよいよ近づく中、楽屋を離れ、一人隅っこで過去大会動画をギリギリまで見返して、試合の心構えをイメージして、震える胸を少しでも落ち着かせ、そしていよいよ本番が始まりました。
みんなの試合が次々と終わっていく中、不安は高まるばかりだし、ひたすら恐い。でも、そんな自分と状況をどこか楽しむこともできたのは、やっぱり前日、ちゃんと逃げずに向き合ったからでした。
呼び込まれ、本番の試合があっという間に始まった。
あらすじを読んで後攻を選択し、先攻の一人芝居を見る。何も浮かばない、不安が高まる。しかしもう待ったなし、行くしかない。
腹を括って、踏み出した。
冷静に冷静に慌てず状況を感じて、そして一瞬閃いた時に、自分なりに学んだことを信じて、自分らしく返した。
お客さんが笑ってくれた。
そこからはもう無我夢中。
舞台上で弾けられた時、心が不安から解き放たれて、体が躍動した。信じる自分を見せつけようと、声を張り上げた。興奮する頭を客観視しつつ、冷静に冷静に次の一手を、展開を考え、相手の言葉を聞いた。
あっという間の3分。
結果、敗戦。
応援しに駆けつけてくれた方には申し訳ない結果になってしまったけど、でも正直に言わせてもらえば、負けてしまったとはいえ、自分らしく戦えた事実に心の底からホッとしていた。志が低いといえばそれまでだが、前日の自分の状態からすれば、無謀な目標よりも、とにかく自分らしく、楽しんで思い切りやる。という目標が目指せられる精一杯だった。
敗者復活戦でも、開口一番仕掛けて弾けたのちは何もできず(笑)敗戦。結果一勝もできず、大会を去る。
大会後、僕に残ったのは、「即興芝居って、めっちゃ奥深くて面白い」という新たな感情。
そして少しだけ減っていたのは、即興芝居への苦手意識だった。
苦手苦手と思っていた即興芝居が、楽しかった。凄く凄く難しかったし、振り返れば「こうすれば良かった」という所ばかりだけど、でも楽しめた。もっと上手くなりたいと思った。
この感覚が、僕の今回得た最高の財産。
頭の回転早くてワードセンスあって存在感あるバケモノみたいな役者達に混じって、沢山のお客さんに囲まれた最高の舞台で、夢のような経験をさせてもらえました。
いつかまた、戦ってみたいと少しだけ思いました。そしてそれよりも、そんな日がいつか来た時に今回より自信持って臨めるように、2024年を頑張ろうと思いました。
震えてなんぼ、恐くてなんぼ、夢見てなんぼ。
まだまだ人生、楽せずサボらず、ちゃんと生きていこうとあらためて思わせてくれる、最高に刺激的で楽しい場所でした。
プレイウルトラ、略してプレウル(非公式)
ありがとう!!!!!!!!!
by プレイウルトラヘッズ ハラマサ
うーだうーだうだあーだこーだーうーだうーだうだあーだこーだ〜〜〜(大好きなプレウルテーマソング)
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