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出会いはタヌキ

おはようございます!
久々の、2024年初めての朝劇の朝です!
この「おはようございます!」が言えると朝劇が戻ってきた実感がして嬉しくなります。

そんな朝に、今回演出の行澤さんと出会った頃に、行澤さんについて病的船団という作品の時に書いたメーリングをnoteに載せてみます。
読んだらもしかしたら朝劇がより楽しめるかも?
開演までのお暇潰しに良かったら(^^)


『タヌキ好きの変人』

昨日は会場となるアイホールで衣装での通し稽古。

これにて稽古は全日程終了、次からは実際に組まれたセットの中で本番に向けての場当たりとなります。

普段出ているストレート芝居とは違い、ミュージカルは確認箇所の数がとにかく多くて、ここ一週間くらいはひたすらみんなで確認・確認・確認。

普段と違う稽古の進み方に戸惑いながらも、新しいことに挑戦できているという実感も湧いてきて、8年ぶりのミュージカルに向け、今とてもワクワクした心境です。

出演者の中に行澤孝さんという役者さんがいます。フルイエという役を演じられるベテランの俳優さんです。

今回初めてご一緒しますが、役柄も相まり、稽古序盤から異彩を放っていて、興味深い役者さんだなぁ、なんて思っていました。

興味深いとか、大先輩に対して非常に失礼ですが、ハラマサは興味においては年齢は一切加味しないド痛野郎なので仕方ありません。

そんな行澤さんと最初に話したのは、行澤さんが稽古場に来る途中に「タヌキおった!」と興奮していた時でした。
撮った動画を見せられまして、確かに薄暗い中目を光らせたタヌキが映っていましたが、僕的には「そうですか」くらいの事でした(笑)

しかし行澤さんは、ちゃんとおじさんの風貌なのに少年の目で「凄いやん!」と言いつつ、またタヌキがいないかと何度も稽古場の窓から外を眺めていました。

その興奮具合がなんか変な人で(笑)面白いなーと思った僕とひたすらタヌキが気になってる行澤さん。
稽古場ではみんなが自主練をしている中、僕らだけひたすらもはや内容も覚えていないくだらないミニコントみたいなことを繰り返していて、その日初めて話したのに、気づけばすっかり仲良くなっていました。

そして少し日が進み、ある日の稽古帰り、行澤さんは僕に「実は俺、ハラマサくんの芝居結構好きやで」と言ってくれました。
その時点で僕は行澤さんを、ただのタヌキ好きの変人ではなく、役者としても只者じゃないなーと思っていたので、とても嬉しかったのを覚えています。
そこから電車に乗るまでの間、ノンストップで演劇の話に花が咲き、それからは稽古場でも時折行澤さんと演劇の話をするようになりました。

行澤さんは多分タヌキの次に演劇が好きで、演劇の話になると熱が入って夢中で話してくれます。
その内容がいつも面白く僕もひたすら質問したり自分の意見をぶつけて、その度に更に熱を増して返してくれます。
あまりに熱を帯びて、僕の演劇の質問に熱心に答える余り、稽古の自分の出番を出トチっていたこともありました。
あれは申し訳無かったけど、面白かった(笑)

なんだかたわいもない話題で随分長くなってしまいましたが、行澤さんの話をしようと思ったのは実は次の話を書きたかったからで。

ある日、いつも通り行澤さんと演劇の話をしている時に、行澤さんが言った
「感情なんてまやかし、思考があるだけ」
という話が非常に興味深く、僕のこれからの演劇人生においてもとても大切になりそうな一言でした。

台本は当たり前に『ここでこんな感じの感情になる』というのが決まっています。
嬉しかったり、悲しかったり、怒ったり。
でも時に、そのシーンになってもなかなか求められる感情になれず苦労する時があったりします。
『あの感情にならねば!』と思うんですが、そもそも感情て、ならねば!でなるものでは無いので、プロセスがすでに違う時点でもう自分の中に嘘が大きく、でもその感情にならないとそれはそれで嘘だし、どうにもこうにも...みたいな。

それをどう成立させていくかは、お芝居をやっていく中で永遠の課題のように思っていましたが、そんな折に行澤さんの「感情なんてまやかし、思考があるだけ」という一言です。
言われれば至極当然、人は思考し、その思考に引っ張られ嬉しくなったり悲しくなったり怒ったりします。
そう考えると、感情にならねば!という思考が働いてる時点で、目指す方に行けないのも納得です。
そんな事をグルグルと考えていた僕は、しばらく一人で考えたのち、また行澤さんのところに行き「さっきの話めっちゃ面白いっすね」と言いました。
案の定行澤さんはまた熱を帯びて語っていましたが、省略。
僕はその上での質問。

ハラマサ
「でも、思考を超えての感情もありませんか?」
行澤さん
「そうやねん。そこにいけたらオモロイよな」

記憶が曖昧なんで、行澤さんの返事は大体こんな感じでしたって感じですが(笑)
でもコレが、本当に面白いと思って、更に演劇を好きになった気がした考え方でした。

まやかしである感情。
求めても逃げていく感情。
でも時に意思を超えて生まれる感情。
を意識的に導く。
作り物の中に本当を生む。

めちゃくちゃ難しいですが、やっぱり面白いです、演劇。
そして僕はやっぱり、面白い演劇人が大好きです。
病的船団、行澤さん演じるフルイエにもご注目ください(^^)

なんだかよくわからない話になってしまいましたかね?
僕的には絶対メーリングに書きたいと思っていた話でしたので書けて満足です!
今回も読んでいただき、ありがとうございました!
また次回のハラマサ病的船団メーリングでお会いしましょう!

ハラマサ

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