初夢のはなし
浜辺にサメの死体が打ち上げられる
サメは深海から浮上してきたものらしく
もはやカタチはほとんど成していない
それでもサメだとわかるのは
骨がむき出しになっているから
途切れ途切れのサメの皮を剥ぎ、皮をつなぎ合わせたものをまとう
匂いも強烈で
それをまとうわたしのカタチも酷い不恰好
それでもそれを身につけた時
声が聞こえ始める
微かな声なので語尾しかわからない
「、、、だ。、、、である。したがって、、、なのだ」
一音一音拾って行くがまるで意味をなさないように感じる
「あたごいし」
最後にそれだけ言ってサメは崩れる
あとはこちらでやるしかない
あたごいし
小さな鏡と母の髪の毛が必要
と思うところで目が覚めた
なんとも不思議な夢だった。