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アーツ・ファシリテーター養成講座 第2期募集!を書くつもりが、違う話になった。

あのね、この間ね、川崎アートセンターでアプライド・ドラマを2本やったんやけど、1本目が「皇帝の新しい着物」で2本目が「ゆきむすめ」やったん。

1本目の「皇帝の〜」は要するに「裸の王様」のことなんやけど、このお話、大学でも応用ドラマ教育論の授業でもやっててむっちゃ好評やねん。何でかわからんけど。わたしもなぜかやればやるほど新しい切り口が生まれておもしろいし。

小学校高学年の子どもたちや中学生、大学生と大人たちの10数名だったんやけど、やっぱりおもしろかったわ〜。

内容はね、政治より何より洋服のことが大好きな王様が、ある日、詐欺師に騙されんねん。詐欺師はこういうねん。「世にも珍しい布を持ってきました。この布は自分に相応しい仕事をしてない人とバカな人には見えない布です」。当然王様はその布が見える人たちだけを家来にしたら、この国はもっと栄えるに違いない!と思い込んでしまうねん。詐欺師は、みなさんには当然見えるでしょう、ってことでお金をじゃんじゃん注ぎ込ませて何もない機織り機を稼働させる。王様は正直者で通ってる役人や大臣を様子見に送り込むんだけど、当然誰にも見えない。けど、無能だと思われたくないし相応しくない仕事をしてると思われるのも嫌でみんな見えるふりをする。正直になった方がええんちゃうかな〜ってことで葛藤するとこをワークショップの中に組み込むんやけど、参加者の子どもたちはそこで正直であろうとすることに何の躊躇もなかったわ。「だってあとで大変になるやん!」てシンプルや〜。でも大人たちは違う。人にバカと思われたくないし、自分だけ見えないってなかなか言えなくて、「ここは何とか自分だけに責任を被らないようにやりすごそう」と考えたりする。もうね、こんなん人としてあたりまえやな〜って思うわ。だって他人と一緒に暮らしてるんやもん。その身近な他人に嫌われたくないよ〜。でも子どもは違ったな〜。そんなところおもしろかった。最後のパレードも圧巻やったよ!王様役、おつきの人役、パレード見にきた町の人役、本当のことをいう子ども役、人数関係なくやりたい役に手挙げてやってもらったん。

そしたら、子ども役4人になって、王様1人にお付きの人1人ずつ、あとはパレードを見にきた街の人いっぱい。その街の人がおもしろかったわ〜。最初は裸で歩いてる王様をみて、いかにも服が見えてるようにふるまっていたけど、なんかおかしい、ってひそひそ言うてて、ついには子どもたちが大きな声で言い始めると、「やっぱりそうやったか!」ってさっきのバツの悪さをかき消すように裸の王様を非難してさ、最後は「は・だ・か!」って裸コールまで出たよ!!

最後の感想で一人の小学生が「自分がもっと小さい頃に聞いた話は『天才にしか見えない布』だった。『自分に相応しくない職についている人とバカな人には見えない布』って受け取る印象が変わるな〜って思った」とのこと。
ほんまやなあ〜。受け取る印象全然ちゃうよね。

そんで言いたいことはね、そこじゃなくて、そのアプライドの中で途中何度か参加者に質問するところがあるんやけど、その質問のこどもたちの答え方が、興味深かった。わかってるのに、それを言葉で端的に言えずに悶々としている姿が一番印象に残ってるんやんか。

この、ほんまに言いたいことがあって、それをより正確に伝えること、社会に生きていく上で基本中の基本なんやけど、その時、自分の今使っている言葉がそのことを言えていない、と自覚すること、めっちゃだいじやなあ〜と思ってん。
その時は進行を止めてまではせんかったけど。言いたいことが言語化できていないと自覚すること、もっと相応しい言葉を探すこと、そこにも時間さきたかった。大人は違う言葉でごまかせる。けど、子どもは語彙が少ない分、言えないことが露呈するねん。その露呈したことを意識しておくこと、やりたかったな〜。相応しい言葉探すんは自分でやったらええし。言えてないって意識してもらうのってどうしたらええんやろなあ。

今思ったけど、このことって裸の王様のテーマにも重なるかもしれへん。自分の現状を把握すること、きついけど大事やわ。そっからしか始まれへんもん。

錯覚、妄想、逃げでいろんな言葉にできるけど、それは一時しのぎに過ぎへんからなあ〜

かくいうわたしもそのことを実感しているところ

あ〜、わたしはワークショップやることにストイックすぎる。もっと自分の生きる楽しみにもフォーカスせんと!ワークショップ楽しいからついついそこに行ってしまうけども。もうちょっと大人になろう。自分の弱さをちゃんと認めよう。意地はるとこはって、でも自分には素直でいよう。

何のことかわからへんって?ええねん、わからんでも。あたしさえわかってたらええねん。

今回のこれはね、言いたいことをできるだけ話し言葉で書いて、自分の言いたいことに近づくっていう実験で書いてみた。
これは「象のささやき・蟻の恫喝」っていうワークショップの最終回でみんなにやってもらったことなんやけど。わたしもやりたくなって、やってみた。
なんかおもしろいわ〜。話し言葉で書くって!
あー!またワークショップ絡みのことにむすびつけてもたわ!!

ほんで、今日書いたこのことは今度のファシ講に関連してくるねん。
ワークショップの目的にするところの話でやりたいなあ〜今日のこの話は。

なんでアートワークショップやるんか、それは芸術家を作りたいためじゃない。
自分の喜びのための人生を自分で作るための一歩を作りたいねん。
そんな場を創れる人、もっといっぱい居て欲しい。
よかったら9月いっぱいまでの割引あるよ〜。ちょっとのりが関西ぽいね。