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宮沢喜一さんとの質疑 自由と立憲主義

「自由は突然なくなるのではない。だんだんなくなっていくんです。気がついたときには酸欠でどうにもできなくなっている。はじめのときを気をつけるしかないのです。自由が侵されそうになるあらゆる兆しに、厳しく監視の目を向けなければならないのです。(『21世紀への委任状』p.18)」宮沢喜一

 私は、自民党時代に佐賀の大坪健一郎さんのご縁で宮沢喜一さん、加藤紘一さんに見出されました。

 しかし中選挙区最後の選挙で500票差で次点に泣き、もう一つの政権政党を作り日本を「依存と分配」の政治から脱却させ、真の独立と自由を勝ち取りたいと自民党を離党しました。

 新進党で初当選。民主党そして現在の立憲民主党と8期の当選となりました。


以下の文章は、私が毎年の憲法記念日に送っているメッセージからの抜粋です。

 宮沢喜一さんとは、その後もご指導を賜り、様々な場面で胸に刻む標をいただきました。

蔵相、予算委員会委員としての質疑もその一つです。



憲法記念日にあたり原口一博からのメッセージ

 今日は憲法記念日です。

 

憲法記念日にあたり次の文章を再掲いたします。

 自著「平和」(ゴマブックス 2006年刊)で枝野代議士と対談した時の章の扉に使った文章です。

以下引用

「憲法とは国民が権力をしばるものだ、というのが、近代憲法が大前提にした立憲主義です。憲法という国のかたちの中で、一人ひとりが自由に自分の生き方を選べるし、選ぶべきなのだという考え方。」これは、樋口陽一教授の言葉だ。私は、大学時代直接、先生の講義を受けた。「もし、歴史問題や人権問題に取り組みながら改憲論を進めるというのならば、私個人はそれでも改憲に賛成しないだろうが、それは尊重すべき改憲論だと思う。」との言葉を思い出す。

 権力の正当性の源泉は国民にある。国民から代議する権利を付託されたのが私たち、代議士だ。立憲主義・国民主権の意義を学ばせていただいた。 衆議院予算委員会で宮沢蔵相と議論した日を想起する。あれから6年、国民投票法案も国会に上程されている。憲法とは何か?民主党の中でも、国会議員としても一番多くの時間を共有してきた同志である、枝野衆議院議員と議論をした。

平成12年 2月21日 衆議院予算委員会第147国会(常会) 宮沢大蔵大臣の憲法答弁 

○原口予算委員 まず、大蔵大臣にお尋ねを申し上げます。いよいよ現行憲法及び憲法調査会で始まった憲法論議に対して、私たち政治家の姿勢が問われています。そこで大蔵大臣、長い間政権の中枢におられ、そしてこの国を引っ張ってこられたその立場で、現行の憲法に対して、そしてこの始まった憲法調査会についてどのような御所見をお持ちか、まずお尋ねを申し上げます。

○宮澤喜一国務大臣 所管のことではございませんけれども、それを御承知の上でお尋ねであると思いますので、憲法調査会ができまして現行の憲法についての諸種の調査審議をなさるということは、私は基本的に賛成でございます。

 次に申し上げたいことは、戦前から生きてまいりました、また軍隊にも参りました人間として申しますことは、日本は自衛隊を外国に派遣するようなことがあってはならないということは、今日まで続けて考えてまいりました。自衛のために何をしてもいいということは、もちろん当然のことでございます。しかしながら、そうではあっても、自衛隊を外国に派遣するということは、言い直させていただきます、日本が外国で武力行使をするということは、私はどういう理由であれ、決して国のためにいいことではない、国外で、外国で武力行使をするということは、決して日本のためにならないということは、いまだにその考えは変えておりません。

 ただ、最後に申し述べますことは、そういうふうに今まで考えてまいっておりますけれども、新しいジェネレーションが誕生されて、日本の将来についてまた別の考えを持ち、別の決断をされることは、それはあり得ることでございますけれども、それは恐らく自分がもうこの世の中にいないときのことであろう、それについては私は何も申すことができませんので、ただ、私が聞かれれば、日本は外国で武力行使をすることがあってはならないということは、私はやはり大切なことだと思っています。

自著「平和」より

引用終わり

 

日本国憲法では、次の3つの項目を基本原則として定めています。
国民主権

主権とは、国の意思を決定する権利のことを言います。
この主権が国民にあるということは、国の意思を国民が決定するということです。

基本的人権の尊重

基本的人権とは、人が生まれながらにして持っている権利のことです。生存する権利や自由を求める権利などです。
この権利は最大限に尊重される必要があり、侵すことのできない永久の権利として日本国憲法に規定されています。

平和主義

「戦争の放棄」、「戦力の不保持」、「交戦権の否認」を憲法に定めています。

 憲法は不磨の大典ではありません。しかし私はこの3つの原則を変える憲法改変は断固反対です。

 言論の自由、表現の自由、報道の自由を守る姿勢にかけそれらの自由を抑圧する勢力は立憲主義の敵であり、民主主義を損なうものです。

歴史に正対することなく人権を蔑ろにするものに憲法を変えさせてはなりません。

 

 
 今こそ立憲主義の意義を再確認する時です。

「尊厳と自由の連帯」を呼びかけます。
尊厳と自由を守るための基盤が立憲主義です。それは主権者の不断の学びと努力なしには守れないものです。

 自由の意味、尊厳の意味が今ほど問われている時はありません。

今こそ日本国憲法の意義、そして第99条の意味(憲法の尊重擁護義務)を考えこの3つの基本原則を守る連帯を創ろうではありませんか。
 

             2016年5月3日憲法記念日にあたり

       民進党常任幹事会議長 衆議院議員 原口一博

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