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大工警察

★Kindleで発売中の「大工警察」、冒頭を公開します。以前は可能だった「試し読み」の割合変更ができなくなって、ちっとも試せてないので…。どうか続きが読みたくなりますように。

第1話
期待に胸を膨らませ、久木署の捜査一課に配属された東中野圭太は、赴任した初日に電動ノコギリの音を響かせながら署を訪れた男に出くわし、度肝を抜かれる。とっさの判断で飛びかかる圭太に、男は「怪しい者じゃない」と叫びながら、信じられない数の巻尺を投げつけて逃げ回るのだった。そんな子どものような反撃と、ホームセンターの在庫を軽く凌駕するほどの大量の巻尺が、署長の胸に熱い何かを呼び起こしていた
。世界に大工があふれ出す「大工警察」第1話!

第2話
格闘した相手が先輩の刑事だと知り、さらに度肝を抜かれる圭太。その男は元大工で、ニッカポッカに身を包み、署内ではデーク東郷と呼ばれて親しまれ、時には電動ノコギリの騒音でうるさがられ、電動ノコギリの切りくずで迷惑がられ、電動ノコギリの長話で煙たがられていた。そんな本当に親しまれているのか怪しい評判の数々と、清掃員に怒鳴られて巻尺を片付ける男の悲しい背中が、署長の胸に熱い何かを呼び起こしていた。C調大工にご用心「大工警察」第2話!

第3話
突然の事件発生で、捜査一課に緊張が走った。新人を連れて捜査にあたるよう、課長の国分寺がデークに指示を出す。初対面で接し方もわからず、どうして良いのか戸惑いを隠せない圭太。とりあえず現場に向かうも、他の署員が次々とパトカーに乗り込む中、デークの車はミキサー車だった。そんな遅れを取るとしか思えないパワフルな車体と、くるくる回り続ける高品質のセメントが、署長の胸に熱い何かを呼び起こしていた。盗んだ大工で走り出す「大工警察」第3話!

第4話
現場へと急ぐミキサー車。しかし、カーナビが示す目的地は、見知らぬ郊外の現場だった。デークは車から降りると、手際よく型枠にセメントを流し込む。おそるおそる圭太が「何やってるんですか?」と聞くと、デークは「警察官の前に、一人の大工だから」と答えるのだった。そんな常識では考えられない優先順位と、現場と聞くと事件現場でなく工事現場に行ってしまう困った性癖が、署長の胸に熱い何かを呼び起こしていた
。世界中の誰より大工「大工警察」第4話!

第5話
さんざんセメント運びを手伝わされたあと、今度こそ現場に駆けつけようと提案する圭太だったが、仲間の大工たちが工期の遅れを理由に引き止める。しかし、事件が発生した地番を聞いて、新築の分譲住宅だと気がつくや否や、デークはミキサー車に飛び乗って一般道を爆走する。そんな建築物への飽くなき執着心と、カーブのたびに助手席で頭を打ちつける圭太のけたたましい叫び声が、署長の胸に熱い何かを呼び起こしていた
。大工に恋する5秒前「大工警察」第5話!

第6話
ようやく到着した二人。立入禁止のロープをくぐって中に入ろうとするが… 

(続く)

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