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日記 2024.7/18

梅雨明けが近い。セミが鳴いて、夕方にはひぐらしが鳴いている。午前、愛犬の散歩に行くと紫陽花を剪定中の近所のお婆さんに会った。
「男なんじゃけもっと焼かな。白いがな」と言われた。「白いですかねぇ」と言いながら腕を見てみたが健康的な色だった。弟なんかもっと白い。
今聞くしかないと思ってずっと気になっていた散歩で会っていたお爺さんのことを聞いた。何ヵ月も全く姿を見ないし車も動いていないことが気がかりだった。
「ここのお爺さんってどうしたんですか?」あとになって気付いたけどこの聞き方はもうすでに予想がついている聞き方だった。もう何ヵ月も聞こうと思っていたけどなんとなく答えが聞きたくなくて聞いていなかった。

「亡くなられたんよ」と聞いた瞬間、あぁやっぱりと思って、どっと身体が重くなった。
4月頃のことで病気で亡くなったらしい。90歳だったと聞いて驚いた。もっと若いかと思っていた。散歩で会うといつも笑顔で「元気か?」と声をかけてきて愛犬には「最近は吠えんなぁ」と言って少しさびしそうにしていた。すごく元気そうだったから病気だったことも亡くなったことも信じられない。
散歩を続けた。すでに暑くなってきていたので一番短い散歩道を選んだ。どの散歩道を選んでもそのお爺さんの家は通る。今日も車は停めてあってタイヤにはクモの巣が張ってある。会うときはいつも車で帰ってきた時か洗濯物を干している時が多かった。石塀から顔を出して優しい雰囲気で「お~い元気か?」とまた声をかけてくる気がするけど、もうこの世にお爺さんはいないらしい。悲しい。セミの鳴き声がやけに大きく聞こえる。空を見上げたらいつもよりきれいに見えて、ツバメが電線に三羽止まっていた。一羽が飛んでいった。本当に今お爺さんは空の上にいるんだろうか。もう散歩でお爺さんに会うことはないと思うと悲しい。人の死というのは本当につらい。もう会えないというのがつらくて悲しい。悲しいのは生者だけで、死者の方は全然そんなことないよって笑っていてほしい。
どうか天国で安らかに。