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Vol.13 成功のための三大理論 ①「輪投げ理論」(2009/2/17)

今回からは、3回連続で、「成功に直結する思考・態度・行動」のパターンについてお話していきます。
1回目は、私が「輪投げ理論」と呼んでいるものです。

私は、小さい時から、何か一つのことが好きになると、それにとことん、夢中になって取り組む、という癖がありました。
お祭りの「輪投げ」もそのうちの一つです。500円で10本の輪をもらい、立ててある景品めがけて決まった場所から投げる、あの遊びです。
私の「輪投げ好き」は、大人になってもおさまらず、お祭りに行くと、子供たちよりも必死で輪投げに挑戦しました。
私がなぜそこまで「輪投げ」に夢中になったかというと、それは、どうしても一番後ろ(つまり投げる場所から一番遠く)にある、一番立派な景品に輪をかけることができなかったからです。
家で、手作りで輪を作り、本物と同じ設定で景品に良く似たビンを置いて練習したりもしました。しかし、何度練習しても、どうしてもうまくいかないのです。

よし、今年こそは、と意気込んで子どもと一緒にいったある年のお祭りで、
輪投げの夜店の店主が、なんと数年前の教え子でした。
私は、「やった!ついにチャンスが来た!」と思い、声をかけました。

「なあなあ、ちょっと教えてくれへんか」
「先生、何ですか。何でも聞いてください」
「あのな、一番後ろのお酒の景品のビンにどうしても輪をかけたいねん。子供も見てるし、ちょっとコツ教えてや」
「あー、先生。悪いけどそれはできません。というか無理ですよ」
「どういう意味や?」
「その位置から投げても、絶対にかからないようにできてるんです。だから、いくら投げても取れません。」
「え、ほんまか。今まで練習してきたんをどうしてくれるねん。何とかしてくれよ。」
「いやー、いくら先生の頼みでも、こればっかりは聞けません。すいません。」

よく考えてみれば、当然のことです。夜店の皆さんも商売をされているのです。工夫をされているのは当たり前のことでした。
しかし、からくりを教えてもらうと、私はなおさら、どうしても最高の景品に輪をかけたくなったのです。
そして、その教え子がちょっとよそ見をした隙に、定位置のラインよりも数歩中へ入り、思いきり前に出て輪を投げていました。
すると、輪は、見事に景品にかかりました。

「あー、先生、いまラインから前に出たでしょう!今のはルール違反ですよ!」
「え、見てたんか?ごめん、ごめん。今のは、なしやなあ。」

この話は、私が「思い」について話すとき、たとえ話として良く使うものです。私は、「どうすれば景品に輪がかかるのか」という、技術・ノウハウばかりを考えていたのです。しかし実際には、どうしても輪をかけたい、景品を取りたいという強い思いがあれば、気がつけば「一歩前に出て」いたのです。大切なのはその
ことだったのです。スキル・ノウハウがあり、上手だから前に出るのでなく、強い思いがあるから、自然に前へ、前へと、思わず出てくるのです。

これは、私だけの経験ではなく、様々な場面で活用できることです。
講演や研修で、受講者の方々が自由な座席に座れる場合、やる気のある方は
一番前に座っておられます。ひじをついて、下を向いている人は、やはり
後の方におられます。やる気があれば、「前へ前への、その一歩」が出るのです。悩んでいるよりも、前に出て行動するべきです。思いこみから脱却し、新しい切り口を見つけることができます。
 
原田メソッドの重要な定義「思いが先、ノウハウは後」、これが、「輪投げ理論」です。

次号では、「おかず理論」について、お話したいと思います。
                                                                                      (感謝・原田隆史)2009年2月17日発行

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