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私の部屋は呪われている


突然だが、私の部屋は呪われている。

お化けが出る、とかではない。

正確に言えば、私の部屋の中に設置されている防音室が呪われている。


思えばこの3ヶ月まったく曲が作れなかった。

この部屋に毎日入って、毎日何時間も机に向き合うものの、歌詞は浮かばずメロディは思いつかなかった。

こういうことはかなりの頻度でくるから困る。
昔ミュージシャンが、「何年も何年も書き続けているからネタがきれた」と言っていたが、私が言うにはいくらなんでも早すぎる。

まさにこれからというとき。
書きたいことは沢山あるはずなのに何もでてこない。

ライブが思うようにできない期間だからこそ、沢山の曲を作りたい。そうは思っていても実際にライブが減り、人と会うこともなくなった今、自分を見失ってしまいそうになる。

インターネットでは私の名前を見かけたことがある人はいるだろう。
ただ、ひたすらアルバイト漬けの毎日、街で自分のことを知る人などいないのだ。

そこではじめて自惚れに気づく。

自分のことが好きでいてくれている人たちが多かった今までだったからこそ、ここにきて大事なことに見つめ直せたのかもしれない。


自分にしかできない音楽とは。在り方とは。
なにを一番の目標にするのか。
誰かと話したい。自問自答の毎日から抜け出したい。

そんなことを考え、防音室を出た。

椅子に腰掛け、勉強机に向かい、ギターをぽろぽろと弾いてみるとすんなりと曲ができたのだ。


多分、私の防音室は呪われている。


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