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読者は何で漫画を読んでいる? (「感情」から書く脚本術②)

あなたの書く物語はなぜつまらないのか?

先ず、自分の作った作品がなぜ「売れなかった/ウケなかった」のか理由を考えたい。人によっては色々理由があると思う。漫画家であれば、例えば「絵が古臭い」「自分の描きたいものが読者に合っていない」「運が悪かった」…etcetc。もちろん、先ほど例えに挙げた理由が一因のケースもあるだろう。ただ、最も根本的な部分。読者はそもそも何を求めて漫画を手に取るのかを考えたい。

読者は「ウオオッ!」と思いたい

結論から書くと、あなたの書く物語がつまらない理由は「読者の感情を動かせていない」からだ。読者は物語に感情的な体験が出来る事を望んでいる。
例えば映画の宣伝。「構成が巧み!」「筋立てが秀逸!」「セリフが新鮮!」など、まるで評論家が口にするような言葉を見たことはあるだろうか。いや、ないはずだ。ほとんどの宣伝は「予想不能!」「心に響く!」「目が離せない!」など感じたことをストレートに謳った文句が並んでいる。
つまり映画を見に行く人は、映画の分析をしに行くのではなく、映画によって感情的な体験がしたくて映画館に足を運んでいる。そして、これと全く同じことが物語にも言える。
自分の作った物語をもう一度見つめ直してみよう。あなたの作った物語は、読者に感情的体験を約束できているだろうか?

感情的体験をさせるって……何?

ずばり「自分の生み出したキャラクター、ストーリー、セリフなど、ペンで表現できるあらゆるものを使い読者の心に狙った感情を浮かび上がらせ、心を動かし、満足させる」こと。シンプルに書くと「巧みに物語を語る」こと。なので物語を作る人にとって国語力は超大事。
自分の作ったモノを見た人がどういう感情を抱くか?
何かしら意図があって物語を作ったとして、果たしてその意図は伝わってるか?常に自問自答、もしくは人に相談をしながら物語を作って欲しい。

分かった。じゃあ、どうすれば感情的体験をさせることができる?

本記事はまだ序章も序章なので、現段階ではさわりだけ記載する。
※というより、感情的体験をさせる…つまり、読者にウオオッ!と
 思ってもらえるような物語の作り方は、すぐに「これです」と
 提示できるほど簡単なものではない。
読者が物語を読んでいる時、巻き起こる感情は大きく3つに分けられる。「見たい」「分かる」「理屈抜き」だ。
「見たい」とは、新しい情報や知らない世界を知りたい、登場人物の関係性が気になる、といった好奇心に関わる感情である。ほかの人はどんなことに興味を引かれるのか、思わず覗き見したくなるような事とはどんなことか。物語を作るにあたって「見たい」という好奇心については、常に考えておくべきだろう。
「分かる」とは、あるシチュエーションで起こった出来事でキャラクターが体験した感情について、読者がキャラクターの感情を追体験してしまう感情である。分かりやすく記載するならば、相手の気持ちになる感情だ。ただ、ここで注意すべきは、登場人物の感情≠読者ということである。そもそも読者がその登場人物に対して感情移入をしていないと、読者はキャラクターの気持ちが分からず白けてしまう。
「理屈抜き」はその名の通り、頭で考えず本能で感じるという感情だ。驚く、緊張する、恐怖する、興奮する、笑う、などがこれにあたる。この、本能で感じる感情が一定以上あると、読者は「楽しかった」と感じる。

とりあえず序章なのでここまで

見出しの通り、本記事はこれでお終いである。前記事の更新日から分かる通り、続きは………まあ、相当先であることは想像に難くない。
また、こちらも前記事に記載のある通り、本記事は漫画編集者として、漫画制作で役に立つ(かもしれない)個所を自分なりに嚙み砕いて記載したものである。なので、記載内容はあくまで一個人の意見である、ということにしていただきたい。。

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