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御局戦記
今日もがんばって働いた。えらい。
お局さまは今日も意地が悪かった。気まぐれで3人くらいをターゲットにして、数週間で入れ替わる模様。乙女心より移ろいやすいお局心。お天気お姉さんになってお局心の天気予報をしたら、社内でお小遣いを稼げるのではないか。
窓際地方は、急なお局にご注意ください。自分の機嫌を取るために、冷蔵庫にビールの備えをお忘れなきようお気をつけください。中央島地方は、お局の心配はありません。いざという時のために、ビールを買っておくと安心です。
原因が自分にあると思ってはいけない。心が摩耗するだけだ。彼女は、そういう生き物なんだ。ヒトじゃないのかもしれない。大人になってまで、苛立ちや怒りを無遠慮に撒き散らすなんて品がなさすぎる。幼くて可哀想、そうあるのは仕方のないことなんだ、と無理くり自分を納得させる。戦ったり必要以上に落ち込んだりしたらだめだ。いやでも、今日は無下限呪術張ってるんじゃないかってくらい気にならなかった。なにぶん、今日の私は無敵であった。邪気払いの効能か。
視界に入るたびに、昨日のビールのおいしさとカニカマを噛みちぎる快感が脳裏を掠った。奥歯と犬歯が疼いた。マスクの中で不敵の笑みを浮かべてやった。そのうちパブロフの犬になってしまうかもしれない。
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