5月②マイ・インターン

妻が会社経営のバリキャリ、夫は子育てと家事のために家庭に入る。
理想だ。理想的すぎる。
今回は、そんなウットリしちゃう設定のマイ・インターン。

私は、家事より仕事が得意だ。かたや、夫は家のことなら、ほぼすべて私より上手にできる。自分の収入が家庭を支えられるなら、夫に専業主夫になってくれ、とプロポーズしたいくらいだ。

しかし、いかんせん、収入が低い。夫より全然低い。だから、現実には、共稼ぎでそこそこの生活を送っている。この先、子供を授かったとて、収入格差を考えると、自分が育休をとるか、退職するか、の二択になるだろう。

さて、この映画の主人公は2人。アン・ハサウェイ演じるバリキャリ妻ジュールズと、彼女の会社にシニアインターンとして働くことになる、ロバート・デニーロ演じるベン。
物語は、年の差のある2人の友情がメインだ。

ベンが、真面目で几帳面、謙虚でとてつもなく紳士的。それでいて、お茶目で、若者文化を積極的に取り入れる柔軟さもある。最高に魅力的なリタイヤおじさん。たちまち、ベンチャー企業の若手社員たちに気に入られ、最初は懐疑的だった社長のジュールズにも、その仕事ぶりや人格を認められる。

こんな素敵なおじ様が側にいて、自分のこと尊敬した上で(ジュールズ、長年仕事をしてきて、君のような素晴らしい人に会ったのは初めてだ!とか言う!!!)支えてくれたら、最高だよ!

その上、家庭は優しくて頼りになる夫がしっかり守ってくれているのだ。ヒゲモジャだけど。子供だって、素直にかわいく育ててくれてる。ヒゲモジャで、基本スウェットだけど。
なんだよ!マジで最高じゃないか!!

しかし、そこは映画。ちゃんと展開あります。
あんなに完璧な夫(ヒゲモジャとスウェットには目をつぶって)が、ママ友と浮気しちゃうのであります。しかも、ベンが現場目撃しちゃうのであります。

ハー、なんだよー、仕事に集中したいよー、面倒くさいことしないでよー、ヒゲモジャ夫よー。ジュールズ目線で観ちゃってるから、本当に鬱陶しい。

結果的に、夫が罪を懺悔し、許し、夫婦関係を立て直すことで合意。ジュールズは、CEOを外部から雇い、自分は経営者としての業務を軽減するか迷っていたが、それもベンや改心した夫のアドバイスで中止した。
よし、これからも、めちゃくちゃ働くぞー!
めでたしめでたし。

仕事か、家庭か。
ジュールズは経営が成功したから、仕事を優先し、夫が家庭を守るという選択をした。
これが、男女逆だったら、映画にはなり得なかったはずだ。男が仕事、女が家庭、がまだまだ主流の世の中だから。

NYが舞台のこの映画でも、ジュールズはママ友たちに、歓迎されず、嫌味を言われている。外部のCEO候補たちにも、女性社長だからとナメられている。
日本よりは、女性経営者・管理職が多いはずのアメリカでも、それがきっと今の現実なのだ。

早く、この映画の設定が「理想的だ!」と感激しなくていい社会になってほしい。女性が会社のトップでも、いちいちもてはやされない社会に。男性が専業主夫でも、いちいち話題にならない社会に。

その時には、私も、夫に「一生不自由させないから、家事と子育てをしてくれないか?」とプロポーズできるだろうか。
そして、万が一ママ友と浮気するような事があれば、絶対バレないようにしてね、とお願いしておきたい。(ヒゲモジャ夫は脇が甘すぎ)



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