2008アンコール遺跡_004

ベトナム航空と私(1)

なぜか、ベトナム航空と相性が悪い。

今までに、ベトナム航空を利用したのは三度。最初は、夫とアンコールワットに行くために、ベトナムを経由するという形で使った。次は友達とのホーチミンへの二人旅。そして三度目は、2013年正月に、夫とベトナムのニャチャンへの旅行に使った。

最初の出会いから、ひどい目に遭った。アンコールワットへの旅。
最寄のシェムリアップの空港までは日本からの直行便はない。タイ航空利用でバンコク経由か、やつら(ベトナム航空)のホーチミンorハノイ経由しかなかった。(2008年1月当時)確か、フライト時間などの都合でベトナム経由を選んだのだと思う。
行きはホーチミン経由で、特に問題はなかった。ホーチミンの空港職員はアロハみたいなカラフルなシャツを着ており、南国風。応対もおおらかで、スムーズにトランジットできた。

アンコール遺跡群の観光はわりとハードだ。1月でも高温多湿で、日差しも強い。そんな中、一日にいくつも遺跡をはしごする。遺跡の中は、基本歩かなければならないが、石がごろついたり、木の根が這っていたり、足元が悪い。

毎日くたくたになって、ホテルで寝る。その繰り返し。もちろん、遺跡は素晴らしいし、いろんな出会いが楽しいけれど。

最終日は、午前中にシェムリアップからバスで1時間ほど離れた山の中にある遺跡を見に行くオプショナルツアーを申し込んだ。山道を歩くので、スニーカー必須、と言われていた。もう一つの選択肢は、トンレサップ湖の水上生活を見に行く、というゆるいもの。今思うと、最終日くらいのんびり湖を眺めておけば良かったのだ。だが、手配をしてくれた旅行会社勤務の妹が、自分も行って良かった、とハードコースをお奨めしてくれて、そちらに決めたのだった。

実際、遺跡のある山までのバスでの移動は、未舗装路でガタガタ揺れるため寝れない。そして、遺跡までの徒歩移動も、ほぼトレッキングという山道で、けっこうハードだった。5日間の旅の疲れもたまっている。ただ、山の中で、突如現れた川底に彫られた仏像やリンガ(男性の象徴)は、確かに圧巻だった。こんな神秘的な遺跡が見られるなら、苦労した甲斐があったというものだ。

午後は、夕方のチェックアウトまで、ホテルでのんびりすることができた。
しかし、この時、普段は家でダラダラするのをこよなく愛する超インドア派のくせに、旅行時にはつい張り切って行動してしまう悪い癖、「旅の貧乏性」が出てしまった。ホテルのスパに、ボディマッサージの予約を入れていたのだ。ほんと、やめときゃいいのに、である。
その予約の時間まで、ホテルのプールにいて、そこでランチも済ませた。午前のトレッキングのおかげで食欲旺盛、アメリカンなハンバーガーとフライドポテトをたいらげた。これも、後でたっぷり後悔するメニューなのだが。

スパでたっぷり2時間マッサージを受け、部屋に戻ると、夫は寝ていた。その過ごし方は、後から思い直しても、大正解だった。でも、私は怒った。なぜ、パッキングが進んでいない?チェックアウトまで1時間をきっているのに。私もスパにいたのだから、夫は全然悪くないが、「のんきすぎ!早くパッキングして!!」と急き立てた。
ぶつぶつ言いながら、なんとか無事にチェックアウトし、迎えの車に乗った。後は帰るだけ。気楽な気持ちで、楽しかった旅を振り返りながら空港へ向かった。帰りは、シェムリアップからハノイを経由して帰国。

この帰国便が、悲劇そのものだったのだ。

つづく。

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