11月④ヘイトフル・エイト

タランティーノである。
もちろん、パルプフィクションとレザボアドッグスにハート撃ち抜かれた世代である。
それなのに、キルビルは観ていない私である。

だが、久しぶりに観たタランティーノ作品の、ジャンゴはちょっと違うんじゃないか、と思った。当時どういう気持ちになったか詳しくは覚えていないけど、なんかなー、、というようなイマイチな感触が残ったことだけは。

そして、また懲りずに?タランティーノ新作を借りてみた。

では、感想を一言。

全員、死ぬんかぁーーーっい!!!!

もう、全力でツッコミたいのである。
暴力盛り沢山で、どんどん死んでいくのは、まぁいいとして(なぜならタランティーノだから)、登場人物全員死んだらいかんだろ。

密室ミステリーで、どんどん死んでく話はよくあるけど、探偵役も犯人役も死なないよ!
「お前が犯人だ!」がクライマックスよ。

なのに、タランティーノは、2時間40分もの作品の中で、どんどん殺していき、最終的に誰もいなくなる。マジでいなくなる。(最後の2人はまだ生きてるまま終わるけど、多分すぐ死ぬ)
もちろん、彼らしく、別チャプターで時間軸を戻して、真相を明かすことはしているから、意味は分かるけどさーー。

とはいえ、こんな長時間飽きずに観ていられるのは、さすがタランティーノさん。
アメリカワイオミング州の冬山が舞台で、映像は死ぬほど(全員死ぬけど)、美しい。
ヘイトフルな8人の俳優たちは、素晴らしい演技で、死を懸けた(全員死ぬけど)駆け引きを繰り広げる。
悪者で短気でバカばかりだから(だから全員死ぬんだけど)、いつ銃をぶっ放すか分からず、ハラハラドキドキする。

そう書いていて、なんだかんだ、楽しんでいたことに気づいた。
もはや、タランティーノ監督作品というのは、ひとつの映画のジャンルだと思えばいい。

タランティーノである。
タランティーノなのだ。

感想はそれに尽きる、ということ?

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