金沢

北陸新幹線が開業した。
長野県在住の私からしたら、長野新幹線が伸びた、という方がしっくりくるのだけど。

ただ、長野県は南北に長く、新幹線が通っているのは北部のみ。南部に住む私には、実は利用する機会は少なそうだ。

その北陸新幹線関連で、最近、テレビで金沢の特集をよく見た。

金沢には二度行ったことがある。
最初は、大学4年の春休み。卒業を控えて、暇だったので、一人旅をしてみようと思い立った。
そこで、神戸から青春18切符を使って行ける、鈍行でもそんなに時間のかからない場所という基準で、金沢に決めた。また、金沢は、父が大学時代を過ごした街でもあり、ずっと行ってみたかったのだ。

まずは、ポケット時刻表と金沢のガイドブックを買った。
神戸からJRの新快速で、滋賀まで行き、琵琶湖をぐるっと回って、金沢を目指す。ざっとそんな感じ。
思ったより簡単そうだ。

宿は、こじんまりとした旅館にした。香林坊には歩いて行けるけど、武家屋敷街に近く、夜は静かそうだった。女子一人旅にはちょうどよい。

旅行は、やはり計画中が一番ワクワクするものかもしれない。
この時も、一人旅ということで、いつもより念入りに調べた。ルートや乗り換え時間、宿への道のり、観光地の情報など、綿密に。それが楽しかった。
そして、何より、いくら細かく計画しても、私一人なんだから、自分の気分次第で変更してもいいんだ、という思いつきが私を興奮させた。

一人旅は、自由!

ホテルで自分勝手にお風呂やトイレを使えること、好きな時間に起きて、好きなものを食べられること。
確かに、それらは一人旅の大きなメリットだったが、反面、夕食や写真など、それなりに不都合もあった。

昼は、カフェやファースフード店などで簡単に済ませても、夜はせっかくだから名物を出すようなちゃんとした料理店にも行ってみたい。でも、そういうお店には、一人だとさすがに入りにくかった。
写真は、人に撮ってもらうのが億劫で、風景ばかりになりがち。今なら自撮り棒があるのになぁ。

それと、二日目に行った福井県の永平寺と東尋坊は、女一人だとなんとなく周りから心配されそうな雰囲気。そんなつもりじゃない、と意味もなく笑顔でいるよう心がけなくてはならなかった。

そんなちょっとした不都合も感じたが、全般的に楽しい旅だった。この金沢への一泊旅行をきっかけに、一人旅が好きになれた。その後も、行き先が海外へと広がったくらいだ。

東京からも近くなった金沢。
ぜひ一人旅をお奨めしたい街だ。

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