6月④バクマン。

気付いたら、6月に借りた4本すべての映画が、漫画が原作の作品だった。
その漫画制作の現場を舞台にしたのが、今回のバクマン。

今クールでハマって観ていたドラマ「重版出来」で、漫画週刊誌の編集者や漫画家の仕事については、予習できていた。
新人漫画家が出版社に作品を持ち込み、ネームを練り上げ、連載を勝ち取る、そのプロセスが分かりやすく描かれていた。それは、決して、漫画家だけでも、編集者だけでも、成し遂げられるものではない。そこに営業部や書店や印刷会社やデザイナーなど、多くのプロ達の仕事と想いがあってこそ、というところも丁寧に描いており、それがお仕事ドラマとして、素晴らしい出来だった。

そんな重版出来に比べると、内容的にはやや見劣りする、バクマン。
とはいえ、佐藤健の美顔を2時間拝めるという点で価値が高い。彼の役は、同じクラスの美女(小松菜奈)の前ではモジモジするしかない、童貞感たっぷりの高校生。

いや、もう、週刊誌でヤリチンとか散々言われてる佐藤健が、モジモジとか、童貞感とか、無理あるわ!!

そんなツッコミはさておき。
2時間という限られた時間の中で、個性豊かなキャラクターたちをそれぞれ事細かに描くのは難しいのだろう。原作を読んでいないせいかもしれないが、それぞれのキャラは興味深いし、役者も揃っているのに、その個性が伝わりきっていない気がする。

主役の2人ですら、「漫画を一緒に描こう」となる前の関係性や、学校での立ち位置、勉強もせず漫画に打ち込んで親は何も言わないのか?亡くなったおじさんの仕事場を放置しているのはなぜか?など、イマイチ分からない部分が多い。

ただ、細かい説明部分は省かれた分、漫画を描くシーンやアイディアが閃く瞬間、染谷翔太とのバトルシーンは、音楽も演出もカッコいい!!こんな感じ、大好きだ!
と思っていたら、エンドロールで監督が大根仁だと知った。

あの「モテキ」映画版の監督だ。
そりゃ好きなわけだよ!大いに納得ー!!
音楽はサカナクション。それも最高です!
わっしょいわっしょい!!(モテキより)

この映画は、童貞高校生の勢いだけの疾走感を映像として楽しめばいい。
それが結論。

漫画に関わる人間ドラマをじっくり楽しみたいなら、ドラマ「重版出来」を観よう。
比べちゃいけないね。

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