印象

就職活動が解禁になったらしい。
めざましテレビでは、就活のために、イメージチェンジした女子の特集をやっていた。

化粧はナチュラルメイクにする。髪の色を暗くする。カラコンを黒のディファインにする。派手なネイルをやめる。などなど。

取材を受けた子たちのイメチェンのbefore-afterを写真で紹介していたが、本当にガラッと清楚系に変身していた。髪の色だけでも、相当に印象が違う。

企業の採用担当者たちも、それが就活のためだけのイメチェンだと分かっている。でも、事前に企業がどういう人材を求めているかきちんと勉強し、面接ではそれに見合うような姿を見せる、その努力と意欲を見ている、と言っていた。
IT系ベンチャー企業の担当者だけは、どんな見た目でもいい、でもなぜその格好で面接に来たか、どんな考えやポリシーがあるのか、を語ることができればいい、それが聞きたい、と言った。

採用基準は、企業それぞれだとしても、やはり見た目の印象は重要なのだろう。

私も、就活の際は、明るい茶色にしていた髪を真っ黒にした。元々メイクは地味だから、その程度の努力しかしていないが、私にとっては苦痛だった。なぜなら、まったく黒髪が似合わなかったのだ。
今の会社に内定をもらった後も、黒染めした髪は一年は他の色に染まらないと言われていたので、すぐに元に戻すことはできなかった。

だから、入社後、一ヶ月もたたないうちに、喜び勇んで髪色を明るくした。
当時の女性の先輩には、「お前、猫かぶるのやめるの早すぎ!(笑)」と言われた。でも、その行動のおかげで、その先輩には気に入ってもらえて、以後仲良くしていた。
後で聞いたのだが、初めて会った時は黒髪で大人しそうだったから、仲良くなれるか不安だったらしい。

やはり見た目でそう判断されていたんだな、と思った。

逆に、夫と初めて知り合った時、さらに髪色は明るくしていたために、夫は「ちょっとバカそうな子だな。」と思ったらしい。実際話してみたら、意外としっかりしていたので、そのギャップが良かったとも。

確かに当時の写真を見ると、我ながらバカっぽい。
まぁ、今思えば、そうやって、声をかけるハードルを下げていたのは正解だったのかもしれない。夫もそれでまんまと捕まったのだから。もちろん、意図的にやっていたわけではないが。

見た目の印象は、自分の中身とも相談して、誰にどう見せたいか、という戦略に使うのが有効なようだ。

就活も婚活も、己が立てた戦略通りに、見た目を変えて、覚悟を決めるところから始まるのかもしれない。

あぁ、でも、私は二度と黒髪にはしたくないよ。

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