5月③Re:LIFE〜リライフ〜

ヒュー・グラントのための映画だった。
ヒット作1本の脚本家が家庭も仕事も失い、田舎の大学の客員教授になり、人生をやり直す、というお話。おっと、ひと言で説明が終わってしまった。

そのくらい、筋は単純。
ただ、冒頭で言ったように、これはヒュー・グラントのための映画なのだ。彼が主役を演じるからこそ、二時間弱楽しめるモノになる。

ヒューは必ず大失敗する。でも、女性に説教や励ましを受けて、挽回しようとがんばる。必ずしも結果が大成功とは言わないが、そのひたむきな姿に作中の女性も、観客もほだされる。
今作だけじゃない。ノッティングヒルの恋人でも、ラブ・アクチュアリーでも、そうではなかったか。

本当に、そんな役がヒューにはピッタリなのだ。
なぜだ?あの顔か?
垂れ目で、いつも困り顔。あの顔で、「一体俺はどうしたらいいんだ?」とか言われたら、仕方ないな!もう!!と、つい母性本能をくすぐられてしまう。

最初にやらかす失敗が大きければ大きいほど、困ったヒューがカワイイ。ダメだな、こいつ何やってんだよ!と思ってるのに、気づいたら応援してしまっている。

そんなことを言うと、ダメンズウォーカーの典型的な発言のように聞こえるが、私は現実にはダメンズと付き合った経験はない。尽くされたいが、尽くしたくはない。甘えられるなら骨の髄まで甘えたい、どちらかというとダメ女の方である。

それでも、ヒュー・グラントの困り顔と見事なお尻には弱い。
さすがにヒュー様も少々老けたな、と思ったが、引っ越してきたその日に、客員教授として赴任する大学の女子学生をナンパして寝てしまう設定、充分リアルな感じはする。
男性として、まだまだ魅力的なのは間違いない。

にしても、ヒュー様、めちゃくちゃ女性陣に叱られる。いきなり寝た女子大生、ジェーン・オースティンマニアの同僚女性教授、のちのち惹かれていくことになる復学したシングルマザー、皆に説教されるのだ。
そして、困ったり弱ったり必死で謝ったりする。あー、カワイイ。

そうか、私はダメな男が好きな訳じゃないんだ。こっちが怒っている時に、素直に自分の非を認め、謝ってくれ、さらに忠告を聞き入れる男が好きなのだ。ヒュー様が失敗しても愛されるのは、そういう部分なのだ。

そう、ダメンズウォーカーではなく、自我が強い女こそ、ヒュー・グラントの映画が好きなのかしれない。

フンフン。勝手に納得したところで、余談をひとつ。
ヒュー様が赴任する大学の学部長役を演じたのが、「セッション」の鬼教師役の人だった!
今作では家族の話をするとすぐ泣いちゃうという、優しい超家庭人の設定だったけど、どうにも鬼教師の印象が強すぎて。あー、怖い。
そのくらい、「セッション」は衝撃でしたとさ。お終い!

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