感謝

この数日、まさに天国から地獄、といった状況になった。

子なしのまま結婚11年目に入ったところで、まさかの妊娠発覚。2回目の受診を終えて、無事に育っているのを確認し、親や会社にも伝えた。皆、特に家族たちは手放しで喜んでくれたので、私たちは本当に幸せだった。
だが、数日前から少量の出血があり、受診すると、切迫流産だから自宅で安静に!との指示を受けた。そして、仕事を休み、安静にしていたが、腹痛と出血がひどくなり、その日の夕方には大量出血。半分諦めつつ、再度受診して、流産したことが確認された。

不妊治療をしてまでも子どもが欲しい、とまでは思っていなかった。夫婦二人でも楽しく暮らせていたから。
だけど、こうして子どもを授かってみると、簡単に明るい未来を想像できるほどに、舞い上がった。名前は?とか、めいっこと遊ばせよう、とか、いずれは一緒に海外旅行もしたい、とか。夫も、私を置いて子どもと二人でドライブしよう、とか、庭に小さなログハウスみたいなのを作ろう、とか、楽しいことをたくさん想像していたらしい。
これまで楽しく二人で生きてきた、その今の暮らしに、新たに小さな参加者が加わったら、どんな風になるだろう。もちろん大変なこともたくさん増える、妊娠しただけでお酒もコーヒーも飲めなくなった。好きな仕事だって長期間休まなきゃ。それでも、期待や楽しみの方が圧倒的に大きかった。

その楽しみを失った今、悲しいし辛い。
でも、私と夫に妊娠できるポテンシャルがあることを知れた。家族が支えになってくれていることをあらためて知れた。母親になる大変さ、覚悟を少しでも味わえた。私の喜びを自分のことのように喜んでくれる友達がいることを再確認した。流産して苦しむ女性たちの気持ちが分かった。
この体験で得たものは、メリットの方が大きかった。

この先、また子どもを授かることができるのかどうかは分からない。でも、この大きな喜びと大きな悲しみをくれた、一瞬でも我が子となってくれた子には、本当に感謝している。ありがとう。あなたが安らかに眠ってくれていることを心から祈っているよ。

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