常連

いわゆる、ダブルインカムノーキッズの我々夫婦。自由になる時間とお金は多少あるということで、てか単にめんどくさがりで、外食が多い。

10年間そうしているうちに、よく行くお店というのは、当然何店かできてくる。もちろん、閉店とか自分たちの引越しとかの事情で、多少変化はあったが。
今現在のお気に入りを並べると。
中華だけどオムライスと唐揚げが美味しく、中華だけどラーメンがイマイチな、中華料理F。
山の中のログハウスで、絶品の釜焼きピッツァとパスタが食べられるイタリアンO。
ごくごく近所で、そばもうどんもカツ丼もそつなく美味しい蕎麦屋S。
男やもめのマスターが、「あるよ。」とばかりに、どんなものでも手際よく美味しく出してくれる、割烹居酒屋S。
一番のごちそうはハンバーグ定食とママのおもてなし、の洋食屋さんC。
と、この五店になる。

どこも、まず第一に美味しい。そして、接客は過剰でも粗雑でもなくちょうどよい。お店の設備もおおむね清潔で居心地が良い。
だから気に入って頻繁に行くようになったのだが、私たちは「常連顔」するのは気恥ずかしいと思う方だ。だから、「いつもの」とすかして頼むこともないし、無理なお願いをすることもない。

でも、すべてのお店に共通するのが、お会計の時に、
「いつもありがとうございます。」
と言ってもらえること。
その時初めて、「あ、覚えててくれたんだ。」と思い、嬉しくなる。そして、また来ようと思う。

もしかしたら、皆に言っているのかもしれない。でも、もし初めてのお客さんだったら逆に失礼な発言だろうから、さすがに見覚えがないような人には言うまい。
私たちは常連だ、と密かに胸を張る瞬間だ。

でも、たとえそう思えたとしても、当然「常連顔」は絶対しない。
それが、お気に入りのお店と、気持ち良く長く付き合っていく、コツのような気がしている。

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