12月②二重生活

また、菅田将暉。
寝ても覚めても菅田将暉。
いや、それは言い過ぎだけど、彼の露出量がすごい。ドラマやCMだけにとどまらず、映画の出演本数よ!DVDに入っている予告編の中に、必ず1本くらいは彼の出演作入ってないか、という頻度。

今回の「二重生活」も、その予告編で存在を知った作品。
菅田将暉は、門脇麦演じる主人公の彼氏役。冒頭から、このカップルのセックスが展開される。それは、付き合いの長いカップルの、日常的に行われる雰囲気のものだ。情熱や欲望といった熱量の高い単語とはほど遠いが、愛情は感じられる営み。朝起抜けのセックスの後、朝食を食べてゴミ出しをしつつ出かけるのが、なんともリアル。生活の中に自然と溶け込んでいるセックス。

日常生活に自然とセックスを溶け込ませている人たちのことを、ある意味では「リア充」と呼ぶのではないか。でも、彼女は心にポッカリ穴が空いており、どうしても埋められないでいる。過去に父親や愛した人を亡くしてきたから。それで、大学院の担当教授に勧められるままに、隣人に対して「理由のない尾行」を始める。隣人は長谷川博己。

冒頭の菅田将暉とのセックスもエロくて良かったけど、長谷川博己のエロスよ!この映画以来、彼の洗剤のCM見るたびにちょっとエロく見えるわ。
「奥さん、いいでしょう。」と洗剤持って迫ってきそうな気がする。いや、それじゃ、チャレンジジョイか。

仕事での成功と裕福な暮らし、美人で聡明な妻とかわいい娘。なんでも持っているように見えた「ザ・リア充」な長谷川博己も、実は不倫中で妻にバレつつあった。不倫相手ともあまり上手くいっていない。それを、赤の他人の門脇麦が尾行によって知ってしまう。しかも、論文を書くためだけの尾行だ。長谷川にとってはたまったものではない。

誰もが、他人には見せない部分を持っている。
表に出ているモノが、その人のすべてでは決してないのだ。
二重生活。まさしく。

私たちは、日頃からなんでも表面だけで判断していないか?
SNSでリア充自慢しているあの娘も、大人しそうなあの隣の夫婦も、目に見えない痛みや傷や、どろどろとした欲望を持っているのかもしれない。

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