国語 故郷 ワークまとめ

登場人物
故郷から引っ越す
⑴私
・故郷を離れ、遠い異形の地で暮らしている。
・二十年ぶりに故郷に帰る。
⑵母
「私」の住む異形に引っ越す。
⑶ホンル
「私」の甥。

故郷の人々
⑴ルントウ
・かつての雇人の息子。
・今ではでくのぼうみたいな人間。
⑵シュイション
・ルントウの五番目の息子。
・三十年前のルントウに似ている。
⑶ヤンおばさん
筋向いの女性。

A 作品全体の構成を捉える。
第一の場面 「私」の帰郷
・真冬の候、古い家を明け渡し、引っ越すために故郷に帰ってくる。
・わびしい村々を見て寂寥の感が込み上げた。
第二の場面 母との再会とホンルとの出会い
・母からルントウが来るかもしれないと聞く。
第三の場面 少年時代の「私」とルントウとの思い出
・三十年近く前、祭器の番をするために来ていた、ルントウとの思い出。
・ルントウは、珍しい話をたくさんしてくれた。
・別れが辛くて、声をあげて泣いた。
第四の場面 ヤンおばさんの訪問
・かつて「豆腐屋小町」と呼ばれたヤンおばさんが、私の家の道具をもらいに来る。
第五の場面 ルントウとの再会
・再会したルントウは、「私」と記憶の中のルントウとは似もつかなかった。
・「私」のことを「旦那様!」と呼んだ。
第六の場面 故郷からの旅立ち
・母から、ルントウが灰の山の中に碗や皿を埋めておいたらしい、と聞く。
・母たちが寝入ったあと希望について考える。

B 故郷に帰った「私」と、母の心情を捉える
1 「私」が二十年振りに帰った故郷の季節や天候
・季節はもう真冬で、厳しい寒さの中だった。
・空模様は怪しくなり、冷たい風が音を立てて船の中に吹き込んできた。
2 故郷の村々の様子
鉛色の空の下、わびしい村々が、いささかの活気もなく、あちこちに横たわっていた。
3 「私」の帰郷が楽しくない理由
住み慣れた家を他人に明け渡すための帰郷だから。
4 「屋根は一面に・・・風になびいて」という様子から感じられること
一族が没落し荒れていること。
5 「母は起源よかったが、・・・隠しきれなかった。」とあるが、母がこのような様子であったのはなぜ?
・機嫌がよかった理由
息子が帰ってきてくれたから。
・やるせない表情であった理由
「私」が今暮らしを立てている異形の地の地へ引っ越さねばならないから。

C 「私」の思い出の中にあったルントウの人物像を捉える
1 私の脳裏に繰り広げられた画面はどんな画面?
空・・・紺碧の空に、金色の月が懸かっている。
地面・・・海辺の砂地に、見渡すかぎり緑のすいか。
人物・・・銀の首輪をつるした少年時代のルントウが、鉄の刺叉で「チャー」を突くが、逃げられてしまう。
2 
⑴ルントウの心の神秘の宝庫には、四つの不思議な話が詰まっている。
①雪の降った砂地で小鳥を捕らえる話
②夏、海へ貝殻を拾いに行く話
③すいか畑に来るチャーの話
④砂地で跳ね魚が跳ねる話
⑵この部分からわかる、ルントウに対する「私」の思いは「自分の知らない世界でのびのびと生きる姿への憧れ」である。
3 「私」とルントウの心が結びついていたことは、二人とも、別れがつらくて泣いていたことからわかる。
4 ルントウとの思い出がよみがえり、「私」はやっと美~がした。

D ヤンおばさんの人物像を捉える
1①昔のヤンおばさん:豆腐屋小町
②今のヤンおばさん:コンパス
2 現在のヤンおばさんは、貧乏を理由に開き直り、自分を正当化するようなしたたかさが感じられる。

E ルントウの変化と「私」の心情の変化を捉える
1
⑴記憶の中のルントウ
・艶のいい丸顔
・血色のいい丸々とした手
・小さな毛織りの帽子
・光る銀の首輪
現在のルントウ
・黄ばんだ色
・深いしわ
・周りが赤くはれた目
・太く、節くれだち、ひび割れた、松の幹のような手
・古ぼけた毛織りの帽子
・薄手の綿入れ一枚
⑵現在のルントウの外見から、つらい労働と貧困が伺える。
2「私」がルントウとの再会に期待したことは、少年時代の楽しい思い出につながる友情の確認をすること。
3 「私」と再会できた喜びと、昔のように親しくできないという寂しさ。
4 ルントウが「旦那様!・・・。」という言葉遣いをした理由は、子供の頃とは違い、身分の差をわきまえなければいけないから。
5 悲しむべき厚い壁←身分の違い
6 ルントウは、全てあきらめて感情を殺し、無気力である様子を表している。
7 ルントウを「でくのぼうみたいな人間」にしたのは、子だく~、地主

F 船内での「私」の心情を捉え、「希望」の内容を読み取る
1 シュイシュンとルントウの関係 昔の自分とルントウのように、心が通い合っている関係。
2 ルントウが灰の中に碗や皿を隠していたらしいことを聞き、「私」は幻滅の思いを強めた。
3 「古い家は・・・故郷の山や水もますます遠くなる。」時の私の心情「家や人々との別れに心残りはないが、美しい故郷を象徴していたルントウとの思い出が色褪せたことに、孤独感と悲しみを感じている。
4 ⑴「彼らは新しい生活をもたなくてはならない。」を否定する生活の例
①むだの積み重ねで魂をすり減らす生活
②打ちひしがれて心が麻痺する生活
③やけを起こして野対図に走る生活。
⑵新しい生活とは、身分や境遇の違いを超えて、心が通い合うような生活。
5 ⑴「手製の偶像」とは、自分だけが価値を感じ、望みを託してすがっているもの。
⑵「私」がこのように考えた理由は、実体のないものに価値を感じ望みを託しているから。
6「私」の望む世の中とは、若い人たちが新しい生活をもてる世の中。
7 まどろみかけた私の目に浮かんできた画面・・・若い世代が新しい生活を送ることで生まれる、理想の故郷
8 「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」とは、同じ希望をもつ人が増えれば、おのずと希望は実現するものだということ。

まとめ
昔(回想)の様子
【「私」の覚えている故郷】
・美しい故郷
・こんなふう(わびしく、活気のない村々)ではなかった
【ヤンおばさん】
・「豆腐屋小町」とよばれていた
・おしろいを塗り、一日中座っていた
【思い出の中のルントウ】
・艶のいい丸顔の少年
・人見知りだが、「私」とはよく口をきいた
・「私」をシュンちゃんとよんでいた
【三十年前の「私」とルントウ】
・半日もせずに仲良くなった
・ルントウも「私」も、別れに際して泣いた。
現在の様子
【二十年ぶりの故郷】
わびしく、活気のない村々
【ヤンおばさん】
・コンパスそっくり
・悪口を言い、物を持ち去る
【再会したルントウ】
・顔は黄ばんだ色に変わり、深いしわが畳まれている。
・太い、節くれだった、ひび割れた、松の幹のような手
・うやうやしい態度
・「旦那様!・・・。」
【現在の「私」とルントウ】
・距離は全く遠くなった。
・若い世代は心が通い合っている。

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