答えのないものに向かって

私たちの仕事には、答えがない。

「その人らしい人生」いう答えのないものと、寄り添い、想像し、考え、なんとかその時々の答えらしきものを導き出す。そしてそれは、時間とともに変わっていくものかもしれない。それは、対象者ひとりひとりで異なり、似ていることはあるかもしれないけれど、まったくもって同じことはない。それぞれの答えはいつも、その人の心を探究し、さまざまな意見とすり合わせ、見つけていくしかない。

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これらの本は、一見、認知症や介護や福祉とは全く無関係のようで、実は私たちの仕事をしていくうえで必要な視点を教えてくれている気がする。

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一方向から分かったつもりにならず、違う側面からも見てみることの大切さ。「こういう人だから」「こういう状況だから」という思い込みが、その人を見えなくしているかも、しれない。

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一つの側面を見て様々な角度から思考し、その想いや考えに近づき、きづく。そして、もしかしたら本人すら思いもしなかったことに到達することもあるのかもしれない。

人の心は、いつも未踏領域だ。

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認知症の人に対応し続ける、というのは簡単なことではない。それが仕事であると割り切ったとしても、「どうして私ばっかり」と思わずにいられない時もある。

幸せは、その人その人が心で感じるものだ。その人その人で違う。人と自分を比べることも、流行りのマウントも、全く無意味だ。いつだって、問いかける相手は自分だ。

自分だけの答えを見つけること。それはきっと、自分が疲れたとき、迷ったときの支えになると思う。

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あれ、福祉ってアートかな?

アートみたいにいつか、ひとりひとりを大切にする福祉が(あるいは福祉的思考が)、当たり前の「文化」となって人々の心に根付くことを願って。