人生の扉 2
先週末、夫の叔母から電話が久しぶりに入った。
それは、訃報だった。
彼のいとこの奥さんが44歳で、亡くなったのだ。
先月彼女がガンで長女の卒業式には間に合わないだろう、と言われているというニュースが入ったのだ。
そしてこのカップルが離婚していたという話も。
彼女はアルコール中毒の問題を抱えていたというのだ。
それが原因で肝臓がんを患ったらしい。
かれこれ最後に彼女と娘ちゃんたちと会ったのはもう10年前ほど。
上のお姉ちゃんは小学生くらいだったと思う。
あの子が今年高校を卒業するという。
プロムのドレス見せたかっただろうな・・・。
ガウンを着た彼女の姿見たかっただろうな・・・。
そんな言葉が巡り巡ってきたけれど、亡くなった人の気持ちはその人にしかわからない。
友達でも、何でもない。親しくもなかった彼女。
皆口をそろえて言うのだ。
「専業主婦で、旦那が十分に稼いできて、可愛い女の子二人のママで、立派な家に住んで、大きなトラックと、大きな車、これ以上の幸せはないはずなのに、なんでアルコール中毒!!??なんで離婚!!???」
確かに遊びに行ったとき、丁度テレビが壊れてしまい、彼女は携帯で「あ、私。今テレビ壊れちゃった、買ってきてくれる???」とご主人に連絡をしてその20分後に彼はトラックの荷台にどでかいテレビの箱を積んで帰ってきた。
ちょっとまって、「あ、お味噌切れてるから買ってきて」のノリで、そんなどでかいテレビ買えちゃう???
目をまん丸くしている私に、彼女は、「子供がいるとテレビは必須なのよ」と笑った。そう、そのくらい彼らの経済力というのは親戚中でも有名ではあったけど、このくらいなのだ。
でも。彼女は何か違ったんだろうな。自分の夢見た将来と、現実。
以前にも書いたかもしれない。ある日、竹内まりやの「人生の扉」という曲に出会った。本当にごく最近だ。
とても心にしみ込んだ。
50歳を過ぎたからか。社会の見方が、人生の見方が少し角度が変わってきたからか。自分でもわからない。
でも、この歌の意味がうんうん、とうなずけ、そしてこれから過ごす50代、これから迎える60,70代。
あ、80は生きる自信がないので・・・・。笑
生きていくのが楽しみと思える歌なのだ。
丁度この歌を思い出していた時、訃報が届いた。
気分が良い50代、彼女は経験する前に、この世を去ってしまった。
この曲を聴くたびに思う。
自分は人生を終える前に桜は見ることができるのだろうか。
今年も桜のシーズンを逃してしまった。
子供が学校を卒業してから、とは思うけれど。
あと数年待てないなあ、と思う自分がいる。
4月は学校関係や習い事関係がかなり忙しくなる時期なのだ。
そう、あと何回見れるだろう。
いや、見ること自体出来るだろうか。
社会が、世界が、なんか混とんとした日々が続いている。
自分が過ごした20代、30代は沢山大変なこともあったけれど、夢を見ることができた。もちろん仕事の不安はあったけれど、今の20代、30代の人から比べると、申し訳ないほど、私は恵まれていた方だと、思う。
若い世代の人たちが、夢や目標を持てるような、世の中になってほしい、と私は思う。
そして誰しもが、「自分が」幸せと思える、人生をこの歌のように、過ごして欲しいと思う。
もちろん、自分もこれからの残りの人生、好きに生きていきたい。
誰が何と言おうと、自分の選んだ幸せな人生を。
大丈夫な60代
まあまあな70代、笑って元気に過ごしたい。大好きな人と、大事な人たちと、かかわって、笑って泣いて、支えあって生きていたい。
そんな夢を見ながら、この曲を時々聞いている50代の私。
50代を見ることのできなかった、シェリーが天国で50代を迎えられることを祈りながら、今日はこの曲を改めて聞いてみようと思う。
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