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笑顔

私が今住んでいる場所の日本語で言う、「県」は「今の流行っている病気の」詳細を数値化して公表している。
隠してはいない。
いや、でも大っぴらに出しているわけでもない。
きちんと検索すれば出てくる。検索をすれば、だ。
以前は毎日出していた。
今は週単位で入院者数、死亡者数、「この病気と確定された人の数」を出している
ちなみに、8月22日出された数(一週間の総数)
新規入院者数 34名
死亡者数    8名
この病気と確定された人数  1360名

23日現在の総入院患者数  50名
うちICU入院患者数      8名
平均年齢          79歳

入院患者の予防接種状況
未接種   22%
1回     0%
2回    22%
3回    41%
4回    16%(ちなみに3回以上の接種率は全体の52.6%)

死亡者数は「オミクロン」のみの数
2021年12月8日からの合計
死亡者数   380名
平均年齢    83歳

死亡者数の予防接種状況
未接種もしくは1回   19%
2回          31%
3回          49%
(あれ??1%足りない!?・・・苦笑)

私も4月にかかった。
この病気を必要以上に恐れて、消毒液を頭からかぶっているんじゃないか、というくらい塗ったくり、顔も殆ど見えないような生活をしていたわが子が持ってきたのだ。爆笑。
父親は「免疫を上げろ」と言い続け、いろんな緩和が始まってからは、通常のような状況だった。学校もしかりだけれど、県外からくる人たちと接触が多い仕事の関係で、もし一番最初にかかるなら彼だろう、と自信があった。
しかし、実際持ってきたのは、友達からも「大げさ」と言われたわが子だった。

しかし若さは凄いもので、回復も、早く。しかし喘息持ちということもあって、看病は怠らなかった。いわゆる、念のため。そしてその後、寝不足がたたり、自分もかかってしまった。

確かに「普通の風邪」とは違う。
前にも書いたけれど、10階建てのビルから突き落とされたような、体の痛みが一番きつかった。熱も確か2,3日。
実際はどういうシステムなのか、わからないけど、ここは友達を見ても子供の友達をみても、「自力で治す」だ。
だから、PCR検査も多分受けている人は数からすると、どのくらいなのか、わからないし、自分は自宅キットで判断。
もちろん「大丈夫ですよ~」のクリアなラインが消えてからGoということは守った。

そのかかる前に、子供の大会があった。
200人近くの選手。そしてその家族がホテルの大宴会場のようなところに、ひしめき合い。三分の一の人の顔は見えなかった。
私たちは顔を出していた。
しかし「フォビア」なわが子は顔を隠し続けていた。

そしてこの7月上旬、あちらこちらで「病気になった」という人が出てきた。子供のレッスンも何回かキャンセルになり。
今までかからなかった人もかかったようで。

そんなこんなで8月上旬。子供の習い事のスクール主催の大会があった。今回は300人近い選手が出場し、その応援に家族。それが2日間。
多分少なく見積もったとしても400人はざらにいたであろう。
4月の大会とは違い、98%の笑顔が見れた。
お互いを認識できるからこそ、「久しぶりね」との会話も弾む。
結果が出る場所ではもう「密」もいいところだ。
毎日ヤフーニュースを見ていた私は「うわああ。これは密だし、みんな大声でしゃべっているし・・・・」
体はOKでもマインドが心配性モードになった。
他県から来た人も、大会であって話をするようになり、顔見知りになる。
以前は顔が見えない分、認識できずにいた。
でも今回は違った。
「久しぶり」と子供たちの嬉しい笑顔、悔しくて怒った顔、おじいちゃんおばあちゃんの嬉しそうな顔。
ただ、ただそれが嬉しかった。
いわゆる大成功を収めて、大会は幕を閉じた。

そして先週末。私は化石が大好きで、化石好きにはたまらないイベントがあったので、直行。
2019年ぶりの開催で大盛況。
私のような化石好きにはたまらない空間で、大興奮。
プロ級のプロのマニアの話は、ずっと聞いていられるほど、興味深い。
そしてプロ級のマニアは90近いお爺ちゃんが多い。笑
彼の笑顔が見れた。子供たちも発掘の仕方を一生懸命聞いていた。
子供たちの笑顔は本当にお金に代えがたいくらいのものだ。
5時間近く、時間を忘れて、入りびたり、満足げに帰宅した。
あれから一週間。

私は、元気です。
そして大会に出場した選手も家族もみんなフェイスブックを見る限り、元気で、キャンプに行ったり、バイトに励んでいたり、と大忙し。
病気しました、という言葉が聞こえてこない。
みんな私と同じように元気、です。

そう、この間、私の友人が「病気にかかった」
彼女は2回目。多分、2回目。
1回目はトロピカルな海外でバケーション中。
(そこでは検査をするという概念がないらしい)
そして今回の2回目。
のどのイガイガと、高熱が1日半。
後から出てくる倦怠感もないまま。昨日遊びに行ったら、すでに通常営業。
彼女は健康上の理由で予防接種を受けていない。
顔を隠すことに不満を持ち続けていた人の一人だ。

私は「外国はー---」とか「日本はー---」というのが好きではない。
外国に行った人が良く、学校のシステムだとか、女性や子供に優しいと数年住んだレベルで、意見を言っているけれど、私は首をかしげる。

ただ、自然の災害や病気は同じような気がするのだ。
もちろん、気候や土地柄の違いもあるし、人間の体のシステムも微妙に違ったりするだろう。熱い国、寒い国など。
でも、基本的には同じだと思うのだ。

今回のことを考えて個人的に思うのは、何か物事に対峙した時に、「誰かのいうこと」に従うか、「権威のある人のいうことをうのみにするか」はたまた、「みんながやっているから」に従うだろうか。
こういう時に、私は思い出すのだ。
震災の時に、職場に残れと上層部の指示を、自分の直感に従いクビ覚悟で帰宅した兄のことを。
彼は子供も失うことも、家族を失うこともしなかった。
すぐにみんなの安全を確認し、津波の被害にあうことはなかった。
それが正しいとはいわない。
もちろん、場所によっては「とどまること」で助かった命もあるはず。
でも、「即逃げること」で助けられた命も沢山あったことも事実。

これと同じなのだ。
何かに対峙した時に、自分で考え、答えを出す。
でも、それをするには、いろんな情報を仕入れ、いろんな人の経験談を聞き、そして自分の中でかみしめ、答えを出す。そして自分の直感

それが今とても大事なことではないかと思うし、みんなの笑顔が見えるというのは、何とも元気がでるものだ。

私は笑顔の国に住んでいる。
けれど、ここ数年、笑顔を見ることがなかった。
断絶された中に住んでいた。
今も人々の間で分断は存在する。
ウォーキングに行っても仰々しく顔を隠していおでこが真っ赤になっているおばさんを見かける。火事場から抜け出してきたように前のめりでパワーウォークをしているのだ。
私は彼女のために、歩道から外れ、車道に出る。
そして「おはよう」と言って笑顔で通り過ぎる。
もちろんソーシャルディスタンス以上の距離で。
もちろん、そんなのはお構いなしで、死ぬ直前のような姿勢でふらふらし続ける。

でも、そんな人以上に、今日もここは「おはよう」の笑顔が町であふれている。
これをどのくらいの人が読むかわからない。
速攻で批判したくなる人もいるだろう。
どんな思いがあるからだろうか。
ただ、テレビで「〇〇医師が言っていたから」というのはあまりにも無知すぎる。
しかしそれなりの理論で教えてくれるなら大歓迎だ。

私はただ、日本が大好きで。自分の国が大好きなだけな、ただのおばさんだ。
ひとりでも多くの人が元気に笑顔で日々を送ってほしい。
笑顔の国ではないけど、少なくとも私は、故郷に笑顔で待ってくれている家族や友達がいる。
彼らの笑顔を私は、ただただ、見たいだけなのだ。それだけ、なのだ。

私は同じ地球に住んでいる。
多分。そうだ。ロケットに乗って日本に帰らず、飛行機に乗る。
同じ地球上で、こういう生活を私は送っています。

そして日本という国は健康で豊かな国と言われている。
けれど、今の状況はどう考えてもかなりかけ離れている。
お日様にあたって、緑の多いところでおいしい空気を吸って、新鮮な野菜を食べて、人々と笑顔を交わして、みんなに元気になってほしい。
ただただ、本当にただただ、それを強く願うのだ。




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