ステートメント(第二回目のバーチャルライブを開催するにあたって)

第二回目のバーチャルライブを開催するにあたっての声明です。


自分が曲作る上で影響を受けたアーティストは誰ですか、と問われますと一番にNUMBER GIRLが挙がるくらいには典型的な古き良き日本式のギターロックが好きで、他にもPeople In The BoxとかくるりとかGRAPEVINEとか、いわゆる邦楽ロックを非常に好んで聴いています。

別にギターロックだけに影響を受けてるわけでもなし、PIZZICATO FIVEやCymbalsやcapsule(旧表記)のような渋谷系~ポスト渋谷系も軸の一つだし、そもそもこのバーチャルライブはP-MODELのやっていたVIRTUAL LIVEシリーズの模倣だったりします。

ですが、それらも含めて自分のよく聴く音楽はだいたい邦楽ロックの周辺として聴いている感じも否めないので、引っくるめて概ね「日本のロックバンドを好んで聴いている」と言っていいと思います。

僕が好きなバンドのそれら全てに共通しているのは、曲が素晴らしくて歌詞が素晴らしくて、エモーショナルであるというところだと思う。あくまで僕から見た話ですが。

僕がエモいだと思うオルタナロックバンドとか、インディーロックバンドとか、シティポップとか、ソフトロックとか、ヒップホップとか、ジャンル名のわからない電子音楽とか、(ジャンルとしての)ボカロとか東方アレンジとか、そういうものを日々聴いて暮らしています。

そういった音楽のいいとこどりをすることで、まあまあ自分にとってかっこいいと思える曲が作れている気がしていて、だから自分の曲はけっこう好きです。ストレートに良い曲だなーと思う曲も、変な曲だなーと思う曲もどれも良い曲ばっかりだし、なかなか面白いことをしているという自負がある。あくまで僕から見た話ですが。だからSpotifyで聴いてる曲で一番上に上がってくるのが自分の曲だったりする。

それはある意味で純粋に創作が出来ているという証左なのかもしれない。商業的な要請もなく、責任もなく、ただ放埒に活動をしている。それは良いように捉えられるかもしれませんが、責任が付きまとう諸活動に関わることを放棄しているということでもある。

だからやっぱり僕がやっていることはエンターテイメント的ではないと思うんですね。エンターテイメントの主体は自己ではなく受け手にあるので。


だからライブをやりましょう、というのも自己満足でしかない。そもそもこれは生演奏ではないので、だから実はライブでもなんでもない。

別にほんとのライブですよ〜って雰囲気を作り上げてそういう気にさせるつもりもなくて、むしろ一から百までただの虚構でしかない、ということを言いたい。

僕はロックバンドが好きで、ライブ見るのもカラオケ行くのもめっちゃ好きですけど、一回たりともバンドというものを組んだことが無いですし、今後も恐らく無かろうと思う。そして別にそれほど組みたいとも思ってない。だからバンドというものがどういうものなのか、どうやって生まれて、どうやってライブをして音源作って、どういう風に考えて活動をしていくかなんて全く知らないんですね。

ただ、いわゆるロックバンド的なありかた、佇まい、存在というものが本当に好きで、だからこれは再三言っていますが、僕の活動原理は突き詰めていくと、自分の考えた最高のアーティストのバイオグラフィとディスコグラフィを埋めていく、それでしかないような気がしている。そのためには曲を作るのだって手段でしかない。だから動機が不純で、全てハリボテであるという自覚というか、居心地の悪さみたいなものをずっと感じている。

でもそういった申し訳無さがあると同時に、それって面白いことだとも思ってるんですよね。ロックっぽい曲を作っていながら中身は生音なんて一切入っていないし歌も合成音声で、形式としてのロックには一切則ってないわけです。ロックバンドのセオリーを全く踏襲していないロックという立ち位置はとてもアウトサイダー的でメタ的だと思っていますし、そういった在り方をむしろ重要視しています。


好きな音楽のいいとこどりをしていると書きましたが、その全てが全部何かからの剽窃だけで出来上がっているのかというとそうでもなくて、もちろん僕が今まで聴いてきた音楽が自分のフィルターを通すことで自分にしか作れない音楽になっていると思っていますし、歌詞には僕のその時々の思想や思考、好きなことや嫌いなことといったものが現れています。

そんな音楽と詞を、大好きなロックバンドのフォーマットを模倣しつつ、大好きな初音ミクというバーチャルシンガーに歌ってもらっている、そんな大いなる自己満足がhappyender girlそしてex. happyender girlというものの本質であり、それは僕にしか生み出せないものだと思います。


何が言いたいのかというと、我々は大変メタ的でインターネット的な存在であり、もし今までの文章のどこかでもあなたに刺さったのであれば、我々がここに居るうちに耳を貸すべきということです。

楽器も出来ない、人脈も無いのにバンド的な音楽を作ることができ、そしてそれをライブで演奏し、皆さんはそれを観ることが出来る。良い時代に生まれたものですね。

次のライブでは我々がいかなる存在で、いかなる音楽を作り、いかようにこの世界に向けて叩きつけているのかをお見せすることが出来るのではないかと思っております。

我々を見つけてくださりありがとうございます。

我々はex. happyender girlです。エモーショナルでユースフルな歌を歌います。

やっていきましょう。

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