pop music [defeated]のセルフライナーめいた文章
せせせです。
「pop music [defeated]」という僕が昔作ったアルバムがSpotifyで解禁されました。
タイトルが一般的でない名前のアルバムになっちゃってますが、pop music [defeated]です。一般名詞がダメらしいのでじゃあ「一般的でない名前のアルバム」で出したれってしたらそうなりました。伏せ字もダメでした。
なんでこれ、[defeated]って付いてるのかというと、当初は10曲くらい入ってる予定だったんですね。でも曲を作ってる途中でアになって敗北したので、「正規のバージョンではない」ということで[defeated]というバージョン名を付記していました。
まさかSpotifyにも敗北するとは、分からんものですね。まあ解禁されたら書きますけど他にもリジェクトされてるものがあるので楽しみにしてください。
ついでに曲について書くか。
1. 振り返る子孫 - descendants strike back
これ個人的にめっちゃめちゃ好きですね。イントロからもうかっこいい。ただ世間的には全ッ然評価されない類の曲だと思うので、別にいいです。
曲としてはゆら帝、特に「できない」みたいな曲が作りたかったので作った曲です。ベースとハンマービートの感じがモロにそうですね。
それに加えて当時The High Llamasの「Track Goes By」という、良い曲なのに歌終わってから10分間同じ2小節を変化なくずーーーっと続けるというイカれた曲をよく聴いていたので、それもやったれと思ってやりました。そんなわけなのでこの曲もアウトロ2分間変化なく同じ展開を延々と繰り返しています。
歌詞はこの頃人間の行く末について考えてたので、そういう内容です。駅の男子トイレに飲みかけのいちごオレが置いてあったのは実話です。
2. chaos disney
これもだいぶ当時聴いてたThe High Llamasに影響を受けている気がしますね。The High Llamasの前身バンドが「Microdisney」という名前なので。特に2:00~から。そっからの展開いいですよね。いいと思う。
この曲は拍子の違う複数の楽器を同時並行させるっていうのをやりたかったのでやった曲ですね。
歌詞は適当に書きました。
3. kiss me on the moon
この曲は七尾旅人の「DAVID BOWIE ON THE MOON」にすさまじく影響を受けていますね。タイトルまんまなので流石に恥ずかしい。それにプラスしてフィッシュマンズって感じだと思います。
ドラムをずらしてるのがいいですね。浮遊感あっていいと思う。4:00~あたりからの展開がドラマチックで好き。あとラストのギター。かっこいい。
歌詞は適当に書きました。
4. 依代になり給へ - all guilt is your guilt
これはなんかサンプルを切り貼りしてアレするっていうのがやりたくて作ったんだと思います。切り貼りしまくってのアウトロがかっこいいですね。
そしてなんか知らんけど歌詞がめっちゃ怒ってますね。心理学で言うところの投影について書いた歌詞ですけど、なんかそういう感じに絡めて怒るようなことがあったんだと思います。怖いですね。
5. ポッキーゲーム [has already begun]
maiden's cafeというアルバムがあるんですけど、そこに入っていた「ポッキーゲーム」って曲をアレンジしたやつです。
この頃はSnail's Houseとか初めてまともに聴いたりして、あーfuture bass作りてえと思って作ったやつですね。結果的にfuture bassっつーかJust the two of us進行使っただけの似非トラップっぽいリズムのチップチューンめいたなにかになっていますが。というかfuture bass作りたいならこんな歌詞を載せるな。
でもまあアレンジするだけあってこの歌詞は好きですね。「勝敗のない殺し合いがしたい 閉じた博愛に要件は無し」「夜は人生をおかしくさせる 我らの背負う袋は重い」とかとか。
6. 斜面の上 - Auf der Piste
この曲は凄まじく好きです。
これには特にモチーフとかありません。強いて言えばマイブラ。
まあ自分で言うのもなんですけど、「ラストアルバムのラストの曲」としてこれ以外には無いですね。happyender girlで今まで言ってきたことを全部ひっくり返すような、そんなこと言ったら身も蓋もなくない?みたいな歌詞です。振り返る子孫とかもそうなんですけど、この頃書いた歌詞は「人類」と「個人」を行き来するスケール感の操作がかなり上手いと思う。
僕以外にここまで僕の曲を分析して褒められる人間は居ないので褒めまくっています。
リリース順はmaiden's cafe→夏のハッピーエンダーガール→pop music [defeated]なんですけど、制作的には夏→メイデン→ポップムジークなので、言っていることとしては全体的にメイデンの地続きだったりします。
そうしてメイデンや、それ以前の「迷走人類逃避論」とかでうだうだ言っていた、happyender girlの全てがここに帰結するというのが非常にエモーショナルですよね。「目を覚まし続けている。千年前と同じように。」とか、「考える遺伝子でしかない、私は、所詮私の子を抱くためにある幸せ。」とかマジで身も蓋もない言葉を並べた末に、「眠りたい 食べたい 繋がりたい」で落とすのが本当に終わってて最悪すぎる。依代もそうですけど曲に人間性の最悪さが滲み出てんだわ。
というわけでhappyender girlはこれで終わっちゃったわけですけど、ex. happyender girlで出した「ex. pop music」ってアルバムでこれのもっと先について書いてるのでよろしくお願いします。(宣伝)
そんな感じのアルバムでした。これ読んで聴こう!ってなる人は多分居ないと思いますが、ならなくても聴いてください。よしなに。