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2ndフルアルバム「happyender girl」リリースのお知らせ / ex. happyender gir

ex. happyender girl
2nd album
"happyender girl"
2023.01.28 20:00 (JST)

01. 長い廊下 [further away]
02. リマインドミー! [forget me]
03. ニノコルモノ [playback]
04. 残存の夜
05. 白日の下
06. おもいでづくり
07. ストラトキャスト [2022.08.14 "still dreaming (hour) vol.1"]
08. ghost 2 [u]
09. その後の少女たち [afterwords]

蝉暮せせせ / cicada_sss (produce)
初音ミク / Hatsune Miku (perform)

概要

  1. 来たる2023年1月28日(土曜日)に、我々ex. happyender girlは2枚目(happyender girl時代を含めれば7枚目)のフルアルバムをBandcamp上にてリリース致します。

  2. 曲目は上記をご参照下さい。

  3. 曲目には下記のEP/コンピレーション・アルバム/ライブにて既に発表済の楽曲が含まれます。
    ----
    コンピレーション・アルバム「No Federation」より
    Tr.9 その後の少女たち
    EP「phase 2」より
    Tr.2 リマインドミー!
    Tr.8 ghost 2
    EP「what we leave e.p.」より
    Tr.3 ニノコルモノ
    バーチャルライブ「still dreaming (hour) vol.1」より
    Tr.1 長い廊下
    Tr.7 ストラトキャスト
    ----
    「ストラトキャスト」を除き、全て別バージョンでの収録となります。

  4. 2023年1月28日夜20時より、YouTube上でアルバムのフルバージョンをプレミア公開致します。URLは後ほど告知します

  5. Bandcamp上でのリリースはYouTubeでの公開後となります。

  6. 期待していてください。

新アルバムのここがスゴい!

頑張ってつくった

まずは延べ約2年半の制作期間を掛け、断続的なリリースを経ながら遂に完成まで漕ぎつけられたことをここにご報告するとともに、この短くない間も我々の音楽を聴き続けてくださった方々に感謝いたします。

久々にちゃんとしたフルアルバム

前作「ex. pop music」はなんだかよくわからない何か、前々作「pop music [defeated]」は制作を中断して未完成のまま公開したアルバムですので、いわゆるソング・オリエンテッドの姿勢で作ったアルバムとしては前々々作「夏のハッピーエンダーガール」以来であり実質的に4年半ぶりとなります。

音楽性的にはだいたいシューゲ

今までも「花運び」「Apple pie」「リトルガールイズデッド」等の楽曲でたまにシューゲイザー的な作風を持ち出していましたが、今作は特にその色が強いです。
全体の作風として今まで通り90年代~00年代ギターロックがありつつ、シューゲイザーやドリームポップ色が今までより強めって感じだと思います。

既発曲が6曲も入ってるのでお得!もうシングルをわざわざ聴かなくてよくなる!

全9曲のうち完全新曲は3曲です。残念でした。
なお「ストラトキャスト」を除き全て既発版と別バージョンなので、元バージョンを先に聴いておいた方が楽しめると思います。

毎度おなじみコンセプトアルバム

(ex.) happyender girlのフルアルバムは全てコンセプトアルバムなのですが今作も多分に漏れず、むしろ過去一でコンセプトアルバムです。

今作の歌詞は、2020年に発表した「その後の少女たち」という楽曲の世界観を9曲に拡張したものです。
我々が今まで作った中では最も物語的でありリリカルな作品になったと思うので「その後の少女たち」の歌詞が好きだった方は今作の歌詞も読んでいただけるととても嬉しいです。楽曲のメロディやアレンジも歌詞と相関しているので。
とはいえ別に全編ポエトリーとかではないので歌詞に興味ない方は気にせず普通に聴いてください。

個人的には、いろんな意味でとても寂しい作品になっていると思います。

結局つまりどういうことなのか

我々はex. happyender girlです。そしてhappyender girlというタイトルのフルアルバムを作りました。
我々の音楽を聴いてくださっている方々、制作にあたりお世話になった方々、影響を受けた作品などに多大なる感謝を申し上げます。

期待していてください。



ネタバレ注意

この下からは今作の歌詞が全文公開されています。
読みたい人だけ読んでください。

歌詞

今作の歌詞の全文を先行公開します。

長い廊下 [further away]

 顔を埋めて、いかないで、って言えないまま日々が過ぎ、耳鳴りと胎児のように蹲って届かなさを思う。届くことなんて永劫にないし、それはとても尊いことだとも。
 違う世界のいきもの。例えるならば二次元と三次元、此岸と彼岸、とにかく違う。異なるロジックで作られた、二人が同じ空間にあるなんて可笑しいなって思う。
 だけど、街を見下ろせる展望台に立ち、闇に滲む月と街明かりを即席で写し撮ったこと、や真夜中の強い風、君の紅い瞳、交わした言葉、笑える話、全部思い出すのは幻想?
 顔を埋めて、いかないで、って言えないまま日が遠く、埋まらないままで腐ってゆくばかり。落とした約束とそれからのことを数えている。忘れても忘れられなくなるように。
 違う色の瞳を覗き、消えたらどうなるのかって訊いたら多分答えてくれた。歪なロジックで作られた、二人が同じ空間にあったなんて。
 街を見下ろせる展望台に立つ。雑居ビル、冬、地下、いろんな場所。思い出すのは、そんなとこ。朝焼けと去りゆく、残像に振り返り、君はいない。いつかいない。全部思い出すのは幻想か?
 今もまだ君はそこで制服のまま待っていて、息を切らせて会いに行けば何かが変わるのか?
 部屋のドアから伸びる長い廊下は。
 二次元と三次元、此岸と彼岸。
 今、もはや廊下はひどく長い。

リマインドミー! [forget me]

「四番線に電車が来るんだ。向かいのホームできみは笑ってた。制服を着崩して笑ってた。それは何かの象徴だった、と、今となっては思う。ドラマチックなことなんて何もない、美しいことなんて何もない、ただ誰かがいなくて、夏が終わった。この、いない、っていうのは、どう取ってもらっても構わないけど誰かが消えて、夏が終わった。それだけの話さ。四番線に電車が来るんだ。向かいのホームには誰もいない。制服を着崩して笑ってない。それは何かの象徴だった、なら、いいなと。ドラマチックなことなんて何もない、美しいことなんて何もない。だからどうしてそんな顔するんだ? そのただ圧倒的偉大な真理の前、呆然と見送るってことはあまねく人類が経験してきたことさ。だからフォゲットミー! 何度も何度もプレイバックして擦り切れたフィルムの中でわたしたちがバカな話をして、またあしたね、そこでテープは終わった。それはドラマチックかもね? 美しい思い出かも。けど、拘泥すんなよ。きみはテレビの前でいつまでも泣きじゃくってるんだ『思い出させて、忘れさせないで』って」

ニノコルモノ [playback]

 みずいろの線を虚空に引く。いつからか憧れも褪せて、白がかった靄の中で傘を手に、空いてる方の手を振った。
 君ははにかんで「待った?」と言った。尊い息を白く濁らせてた。さよならなんて要らないと思った。ここにある。前と次の間で。
 手をつないで。その細い手。しゃがみこんだら、立てる? 絵になった。靄は更に立ち込めた。きれいさ。その、綺麗さ。
 空は群青を侍らせてた。はじめて絵を描いた日の気持ちを思い出せたような感じがした。ほんとは、そんなのもうどこにもない。
 手をつないで。透けそうな手。私と君の、存在を隔つもの。触れ合った気にでもなった?瞬間は、虚空に消える。
 見たもの。聴き取ったもの。消えるもの。に願いを込めるなんて不条理な、出鱈目な、虚しい二人の吐く息はどこにも残らない。残らない。残らない。形骸になった記憶で、朧げな亡霊のように、甘やかに私を抱く。
 手をつないで。柔らかい手。私と君の、記憶に残るもの。後を引く、名残を惜しそうに目を伏せても、虚空に消える。
 見たこと。聴き取ったこと。消えたこと。すべては夢のよう。一秒前を、後にしたものが、本当にあったなんて信じられる?
 ここにある、ここにしかない。私にも、君にも、過去も未来もない。うつくしさ。
 見たもの。聴き取ったもの。消えるもの。に願いを込める。なんて不条理な、出鱈目な、虚しさ。意味なんかない、けどどこにも残らない。残せない。残せない……。だから形骸になった記憶で、朧げな亡霊のように、甘やかに私を抱く。
 今この瞬間が、二人見たあの瞬間が、幻想じゃないなんて、君に言える?
 今この瞬間が、二人見たあの瞬間が、現実じゃないなんて、君に分かる?
 ここで見る。ここで聴く。ここに消える。ここで見る。ここで聴く。ここに消える……。ここで触れる。
 それでも、一秒前はもうどこにもない。
 朧げな亡霊が、甘やかに私を抱く。

残存の夜

 ここからは誰の領域? 風の強い初夏の宵闇に訊くは。
 君は愉快そうにいつも笑ってた。来ない夜明けがあることも知ってた。
 重なり合う瞬間、触れそうな手は透けあい、残像は揺れ、そこには何もなかったと知る。緑色の光に照らされ、影だけが残る。半透明と踊る君は何よりも誰よりも綺麗だった。
 フェードアウトする。
 写し撮るのは難しい、うつろうつろう夜の先に聴くは。
 君は眠たそうにいつも微笑む。来ない夜明けがあることを知ってた。
 重なり合う瞬間、触れそうな手は透けあい、残像は揺れ、そこには何もなかったと知る。緑色の光に照らされ、影だけが残る。半透明と踊る君は何よりも誰よりも綺麗だった。
 フェードアウトする。
 大きな道路、車もない、突っ切って渡る。
 オレンジと緑、たかる夜光蟲、手を繋ごうとしたのに、触れようと伸ばしたはずの手は空を切り、君の身体はたちまち消え失せてしまう、そんな気がして、
 君は振り向いて笑う。
 強い風が吹く

白日の下

「時々すごく寂しそうな顔をするよね」
 そう言われたのは、帰り道の途中だったか。私は不意をつかれて片耳イヤフォンを外した。その時何を見ていたのかは、覚えていない。
 そんなつもり全然なかった。ただ自然と伏せてゆく睫毛。そんなこと思ったことない、ただ不意に痺れる指先。愛しい日が遠ざかる日を感じているのか、意識の外で?
 白い日に照らされて少し笑った。君にそれがどう見えていたのか、わかりゃしない。
 沈む陽を高台に座り込んで見てた。君の横顔はあまりにも心細そうに映っていた。よるべない日に私は奇妙に腑に落ちた。まばたきひとつすら切ないさ。
 そんなつもり全然なかった、そんなこと思ったことなくて、こんな気持ち解ったことない。一体私は何を思っていたのか、意識の底で
 白い日に照らされて君が笑った。私にそれがどう見えていたのか、もうわかりゃしない

おもいでづくり

 私の歌はただのおもいでづくりに過ぎない。
 歌うたって一瞬の思いを何処かに響かせて、それでも消えていくの? 消えていくから、
 誰かを笑顔にさせて、傷つけて、人生で最も尊い時間と感情をそこに遺しても、忘れたくない消えてゆかないでどうかって縋っても、何も残らないよ。君に届いてくれないよ。
 おもいでづくり、ただのおもいでづくり、
 私の歌はただのおもいでづくりに過ぎない。

ストラトキャスト [2022.08.15 "still dreaming (hour) vol.1"]

水に落ちる陽に希う
きみの望む永遠はわたしの手を容易く離れてった
わたしの思うことなんてきみにしたらちっぽけだ
だからひどく怯えるんだ

そしてこころが静かに離れていくなんて信じたくないよ
離れがたくある、ここに
二つの浮かぶ空が

遠い空で手をつないだらあらゆる思いは光の尾になって
きみの見るものはすべて美しいさ
涙になるまでは焼き付けていたいな

青く霞む日に希う
瞳に水を湛えてはぼやけた笑みを浮かべてた
わたしの存在なんてきみにしたらちっぽけだ
だからひどく怯えるんだ

きみの世界がわたしの夜にほどけていく
わすれたくないって手を伸ばすけど
わたしの記憶がきみの空に溶けていく
わすれないで、どうか

そしてこころが静かに離れていくなんて信じない
離れがたくある、いま、ここに
二人の笑う空が

遠い空で手をつないだら焼き切れる夜に声はかすれて
きみの見るものはすべて愛しいさ
涙になるまでは焼き付けていたいな

遠い空で手をつないだらあらゆる思いは光の渦になり
きみの見るものはすべて美しいさ
燃え尽きるまでは覚えていたいよ

ghost 2 [u]

「2人分の影が落ちているのは妄想か。あの本、教えてくれたのはきみだったよね。わたし、どうしてまだこうして話したり歌ったりできるのかな、きみの記憶のなかで。本当はわたしはもうどこにもいなくて私の空を漂っている、残像の夜に。けどきみの声は褪せないフィルムだよ。わたしはいつでもそれを知っていたよ。
 ねえ、どうか最後にもうひとつだけ歌を歌って。
 長い廊下を抜けて、会いに来てくれる夢。
 それでやり残したさよならをしよう。
 もうこれ以上は巻き戻せないよ。
 きみは亡霊たちを後にして、前に進まなきゃいけないんだ。

その後の少女たち [afterwords]

 制服を脱ぎ捨て、公園へ駆ける。あの娘が待ってるんだ。もう遊んだ記憶も遠い、ブランコの上、君は腰掛けてた。
「                」
 幼い記憶、とどめたい姿……。
 そう話す君の横で、あの日から過ぎたことを数えてた。
 制服を脱ぎ捨て、公園へ駆ける。あの娘が待ってるんだ。その時計はいつも五時で、人影はない。夏の匂いがした。
「                」
 二人の記憶、秘密の姿……。
 あの日から変わったこと、変わらないことを数えてた。
「                」
 別れた二人がまた出会ったこと?
 泣きそうな笑顔が照らされていた。
(そんな顔しないでよ)
 手を繋いで、頬を寄せて、そこから先は教わってない、はずだから。
 ブランコの上、空を見上げ、ないはずの体温があるように。
 制服を脱ぎ捨て、公園へ駆ける。あの娘が待ってるんだ。いつかの記憶を手繰り着いたさいはてに二人腰掛けてた。
「         」
 変わったこと、変わらないことを数えてた。
「           」
 私は諦めて、悲しそうに
 手を繋いで、頬を寄せて、そこから先は教わってない、はずだけど。
 ブランコの上、君を見つめ、ないはずの体温が上がってく。
 何を溢した?
 何を忘れた?
 君は
「     」
 って言った。
 触れているのに、そこにいるのに、どこにもいなかった。
「ずっと忘れないよ」
 消えていくの?
 その痕だけを押し付けて?

 制服を仕舞って、公園へ歩く。あの娘が待ってたんだ。
 ここでずっと。

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