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2022.11.21サビアン蠍座29度の体感

11/21の太陽サビアンシンボル(日の出の瞬間が基準)
蠍座29度「酋長に自分の子どもたちの命ごいをするインディアンの女性」
An Indian squaw pleading to the chief for the lives of her children.
ルディア訳:AN INDIAN WOMAN PLEADING TO THE CHIEF FOR THE LIVES OF HER CHILDREN.
ドデカテモリー:天秤座
対向サビアン:牡牛座29度「テーブルの前の2人の靴職人」

サビはんカードは吉田結妃さんの作品です。

私が感じるイメージ
※あくまでも私がこのサビアンシンボルから感じるイメージです。解釈については参考図書に挙げた本やサイトをご覧下さい。

28度で突破を図ろうと、勇気を出して自立する方へ舵を切り
29度では、本当につらいお試しが来る。
この蠍座29度は、12サインのサビアン29度の中でも
一番、苦しくてつらい移行を感じる。

部族から抜けて外の世界へ行く、と決めた蠍座は
長や部族の人々から責められる。
「なぜ出ていくのか?」と。
その象徴として、禁を犯した若者は罰せられる。
この部族に生まれ、受け継いでいくものがある以上
個人のわがままで、抜けて外の世界に行くことなど
許されないのだ。

だが、ここで若者の母親は
規則をわかっていても、若者の命老いをする。
この部族で生きていく以上、不文律としてあるのが
部族の決まり。
もう新しいところへ行く必要がある
そのために手放すことを見つめる。
決して簡単にできることではない。
深く関わったからこそ、得られた満足と
情に引きずられてしまうから
離れがたいと思ってしまう。

ジョーンズは
精神と物質の間の魂の仲介
と記述しており
魂が母親
つかまってしまった息子が精神
部族の酋長が物質
と捉えることもできる。
蠍座の集団の中につかまってしまっていては
魂の求める自由は得られない。
しかし簡単には断ち切れない。
この部族にも、とても思い入れがあるからだ。

ルディアはユング心理学にも造詣が深いこともあってか
このように語っている。
「ここでは、魂は息子(つまり、彼女のアクティブな)の母親として
提示されます。
息子は、集合生活において破壊的な力となっています。
彼女は部族の悪いカルマを消そうとしています。
彼女の愛と懇願を通して。」
蠍座が求めた集団の一体感
タブーも含めて共有し、深く関わったこの組織は
決していいことばかり起きたのではなかった。
そのカルマを断ち切るために
母親は身を挺して懇願するのだ。
ここでも、今までの自分の消滅を賭けた
蠍座の変容が、もう一度起きる。
なぜなら、水の情を全部断ち切らない限り
射手座の「まだ見ぬ世界へひとり羽ばたく」ことが
できないからだ。
火の力をもっと強めなくてはならない。

ルディアはmediatrixという言葉も使っている。
これは仲介者マリアという意味だそうだ。
上に書いた、命乞いの母親の姿である。

28度で自分ひとりで精神的に満たされる
独自の境地が生まれたにもかかわらず
やはり、29度ではどうしても、情に引きずられそうになる。
それだけ、蠍座の情は深いのだろう。

愛蔵版サビアン占星術に
「この度数の段階では多くの場合、ほとんど身動きが取れず、
葛藤の中に留まることが多いです」
と書かれている。
揺れ動く想いと、何とか仲介したい気持ち。
しかし、毅然と自分の決めた道に従って
苦渋の決断を下す必要があるのだ。
簡単には決断できないからこその
この29度、涙の度数。
縁を切る、別れを告げる、
古くなったものを捨てるタイミング。
 
ドデカテモリーは天秤座。
仲介者マリアは、天秤座とピッタリ重なる。
しかしここで、蠍座が勇気を振り絞って
自分の内の炎を燃やし
情を断ち切っていこうとする。
天秤座の対向には牡羊座がいる。
バランスを取る、調和を目指す天秤座は
優柔不断さもあるが
いざという時には、勇気の炎で苦難を乗り越える。

対向サビアンはテーブルの前の2人の靴職人
わかりやすく、牡牛座と双子座だ。
靴職人は、牡牛座の伝統の作り方、
良い材料を使って物の良い靴を作りたい一方で
新しいデザイン、素材などを試してみたい。
その間で葛藤する。

蠍座29度は、苦渋の決断をして
既に終わっているのに、情に流されて続けていることを
断ち切る努力をする。
しかし、今までのしがらみや情が
ツタのように絡みついて、なかなか自由に動けない。


参考図書(敬称略)
Marc Edmund Jones「The Sabian Symbols in Astrology」
Dane Rudhyar「Astrological Mandala」
松村潔「愛蔵版 サビアンシンボル」
松村潔「ディグリー占星術」
松村潔「未来事典」
石塚隆一「心理占星術のためのサビアンシンボル」
すたくろ「サビアンダイアリー」
その他、サビアンシンボルを掲載しているホームページ・ブログなど

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