悪徳マルチに挑んだ親子の話⑦
焦る気持ち、はやる気持ちをなだめながら。
と、言ったものの。
焦るんでしょうね。一気に畳みかけたくなる。
洗濯モノが山になってるのでそれを畳めよ。
まずそっちをなんとかしろ。と自分に言ってやります。はい。
あれから、どんよりした娘の顔が気になり
声をかけても、あー。へー。まー。そんな返答しか返って来なくなりました。
どんな返事?
やっと収まりかけた、江頭2:50がまた現れ出します。
まぁ。ちょっとトーンは違うけど、
一言物申したいけど,いいかな?見たいな。
なんだそれ。
ママはさー。今まで何回転職して来たの?
おっと、いきなりだな。
えー。高校卒業してから入社した会社には結婚して、貴女を生むまで勤めてたよ。
へー。辞めようとは思わなかったの。
詳しく言うと、正社員で入社、ばぁばの介護で
パートに変更して勤めてだんだけどさ。
ママが20歳の頃って、介護は家族がするもの。な感じがまだ強かったから仕事と両立させるにはパートになる事が一番やりやすかったのと、また一から仕事覚えて。とかの手間を考えるとめんどくさかったし、職場は楽しかったから辞めずに来たかもね。
って、おーーーーーーーい!辞めたいの?
(本業の方ね。マルチは副業。)
えっ?
うーーーーん。なんとも歯切れが悪い。
ちょっと良い?
仕事を辞める辞めない。は貴女が決めたら良い事。なんだが
ア○ムとレ○クは待ってくれない。
借金の返済はどーするんだい?
で、少しは利益あったの?
あのマルチ?
ぜんぜん。
えっ?全くないの? あらま。
ここで、言いたくなる。
ほらね?
やっぱりね。そもそもさー。と口から出そうになる。
ぐっと飲み込み。今晩の夕飯何食べたい?って
まだ朝ご飯もこれからだ。の娘に問いかける。
それから数日後
あのさー。
(最近娘に話しかけられると心拍数が上がる現象に見舞われるようになった)
なんだ?仕事辞めたいの?
うん。なんか初めの契約した時となんか違うんだよね。仕事が次から次へと増えてきて
やらなきゃならない事が沢山あって追いつかないんだよね。
おーーーーーーーーいっ。
あのマルチビジネスに不審に思わなかった事が謎なんだけどよー。と心の中で江頭2:50があのポーズで物申している。
ね?あなた,もう既に、怪しいと言うか
違和感を感じてるよね?
黙る。娘
あのマルチビジネスになんの疑いもなく、儲けられると信じていたならば
辞める事を迷ったりしないで、さっさと
マルチ一本でいくのでは?と思ったのだ。
先日、家に来て説明してくれたけど、さっぱり理解できなかったよね。
高額な、利権を売りつけて、人を勧誘して儲ける。って話なら、まぁーそーね。と思うけど
訪問販売で特定取引とかなんかうまくすり抜けて複雑になって思考止まったわよ。
FXに興味あるなら、今やYouTubeでも学べるんじゃ?
で、提案です。
まずは貴女の視野を広げる為に反対側の話を聞いてみるのはどー?
このマルチの一体何が問題なのか?
裁判沙汰になってる事も含めて。
それを聞いた上で、自分がどーしたいか?
決めても良いと思うのよね。
あっちもこっちも考えるのは気持ち的にも辛いと思うから。
わかった。考えてみる。と言って仕事に向かった娘。
口は出さずに、目は離さない。と思っていたけど
目も離さないとな。やっぱり目に入れば
監視してしまうんだ。見張ってしまう。
いよいよ,目も離す時なのかもと思った。
成人した子供に対してどこまで親が関わっていったら良いものなのか?問われている気がしてならない。
むむむむむ。
続く
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