【CYNHN】4人体制最後のワンマンライブ『Blue Cresc.-ν-』at Zepp DiverCity 感想②

CYNHN(スウィーニー)のこのライブの良かったところや感動したところはたくさんありますが、セットリストが神がかっていたのは言うまでもありません。

当日のセットリスト

2022.05.01 (Sun) 
CYNHN ONE MAN LIVE『Blue Cresc.-ν-』
at Zepp DiverCity

〜オープニングSE (2時のパレードアレンジ)
1. はりぼて
2. ごく平凡な青は、
3. くもりぎみ
〜MC〜
4. 氷菓
5. 解けない界面論
6. 夜間飛行
7. インディゴに沈む
(暗転)
8. 水の中の
9. イナフイナス
10. アンサンぶる
11. 水生
12. 2時のパレード

-アンコール-
13. レア
〜MC〜
14. AOAWASE
〜MC、写真撮影〜

-Wアンコール-
15. ラルゴ


アルバム全曲披露

ライブのタイトル通りに、アルバム全曲を披露されています。


2nd『Blue Cresc.』(ブルークレッシェンド)というアルバムは個人的に大傑作だと思っていて、何度も何度も繰り返し聴いています。
このアルバムがあったからCYNHNの他の曲やメンバーのことを知り、今回のライブに参加したいと思いました。

アルバムの曲順では全体を通して聞くと、クールな曲〜しっとり歌い上げる曲〜エモーショナルな曲〜荒々しく勢いがある曲と、音的にも歌詞的にも徐々に外に広がるように展開する感じがあります。アルバム名が"クレッシェンド"なのも関係あるのでしょうか。

そのアルバムも今回のセトリの順番で曲を聞くと、それぞれの曲や全体の印象までも変わって新鮮に聞こえるものでした。

アルバムの曲順を逆にしたようにも思いますが、比べてみると2曲目「ごく平凡な青は、」と3曲目「くもりぎみ」、アンコールの「レア」と「AOAWASE」ではアルバムと逆の曲順になっていて、5曲目の「解けない界面論」と6曲目の「夜間飛行」はアルバム通りの曲順となっている以外は、前後の曲の繋がりも全く違っていました。

でも前半エモーショナルで、中盤にしっとり歌を聞かせて、後半盛り上がるという全体の構成は、アルバムを踏襲しています。
この要素が組み合わさって、ライブの流れや盛り上がりどころを意識しつつ、シャッフルで聞くような新鮮さがあったように思います。


アルバム曲縛りのライブになることは想像できましたが、このアルバム1つで緩急も感動もあるライブとして成立するのが素晴らしくて驚きましたし、改めて良い曲が詰まったアルバムであることに気付かされました。

このセトリが出来上がるまで、新鮮さを出すために耳馴染みのあるアルバム曲順通りにならない+盛り上がりどころのバランスをかなり試行錯誤されたのかなと想像します。

アンコールからダブルアンコールはこのライブのハイライトなのは間違いないと思います。
しかしそれはライブ本編で今のCYNHNの凄さや良さを体験したからこその盛り上がりだと思います。


この本編では、やはりCYNHNの真骨頂は歌だなと随所に感じるところがあり、またライブだから感じた驚きもありました。
本編で好きだったところは、長くなってまとまりがなくなってしまったので、この次で別途書いてます。



CYNHNの物語と「ラルゴ」での大団円感

そしてもう一つ重要な点。
4人体制のCYNHNとしては最後のライブで、このZeppワンマンを最後に新メンバーが追加される予定です。
CYNHN結成当初の6人体制から4人体制の現在まで続く物語は、もしかしたらここで一区切り、とも言えるかもしれません。


結成約5年のCYNHNにはたくさんの歴史がありますが、Zepp DiverCityのステージ上にパラレルワールドから6人体制のCYNHNも連れてきてくれたような錯覚がありました。
このセトリと楽曲の発表時期から、そんな勝手な想像をしてしまいます。

このライブは、基本的にCYNHNの現メンバー4人で再録した2ndアルバム『Blue Cresc.』の曲で構成されています。

"今のCYNHN 4人の集大成をこのZeppで示す"という意気込みに他ならない訳ですが、このアルバム曲たちを挟み込むように、1stアルバム『タブラチュア』からの曲、1曲目の「はりぼて」とダブルアンコールの15曲目の「ラルゴ」でサンドイッチされています。

なお1stアルバムは6人体制として結成された2年後に発売されています。6人体制ほぼ全ての曲を網羅されているので、おおよそ6人体制の活動中に生まれた曲をまとめたものと思います。
このうち、「ラルゴ」はCYNHN 6人の各メンバーメインシングル曲の集大成となる、6人のための曲です。

もしも『Blue Cresc.』の曲だけを披露したとしても良いライブとなるのは間違いないと確信しますが、そこに「はりぼて」と「ラルゴ」が追加されたことだけでも、涙が止まらないような感動的なライブに意図的にできるのも間違いないです。
しかし、このライブにあったのはそれだけじゃなかったんです。



「ラルゴ」は通常各メンバーのソロパートのみで歌われます。
しかしこのライブのダブルアンコールでは、4人で一緒に歌う"ユニゾン"で、物販のライブTシャツを着てリラックスした雰囲気で歌われていました。

この楽しそうに笑顔で歌う4人の姿を見ていると、"6人で結成して4人体制の現在まで続くCYNHNの物語は、ZeppまででCYNHN第一部が大団円"という感じに思えました。

本当はもっとたくさんの区切りがあり現在に至ることと思いますが、なにぶん新規ファンのためご容赦ください。私だってもっと以前から見るべきだったと後悔の念しかないです。


この「ラルゴ」の大団円感は、アニメの最終回のクライマックスやエピローグで流れる、第一期のオープニング主題歌がかかる感じと言えば良いでしょうか。

『グレンラガン』の「空色デイズ」、
『キルラキル』の「シリウス」、
『ハイキュー』の「イマジネーション」、
『まどかマギカ』の「コネクト」がかかる感じです。

なお補足ですが、この「コネクト」とCYNHNの「ラルゴ」の作詞・作曲は、同じ大作曲家が手がけた曲です。
渡辺翔さんは「ラルゴ」をはじめ、CYNHNの曲の8割以上で作詞曲をされる重要人物です。



"大団円"という言葉でエンディングのようだと言うと、凄くあるあるな状況に思われるかもしれないですが、その前にあったエンドクレジットも感動を増幅させた要因です。

4人での過去ライブ映像や配信映像のダイジェスト、このZeppワンマンの準備やリハーサルをする姿を見ていて、じんわりと暖かい感情に満たされてましたが、同時に寂しさも少しありました。4人は変わらずCYNHNのままでいてくれるのに、関係性や雰囲気にファミリー感があるCYNHNも変わっていくのかなと。


そんなセンチメンタルな気分になっている時、突然「ラルゴ」の跳ねるようなピアノのイントロが流れてきて百瀬怜さんの元気な声が聞こえてきた時には、コロナ禍で声を出せないことがもどかしく思いました。

この「ラルゴ」は"ファンを感動させてやろう"、というライブの盛り上がりを1番に意識した感じのものではなさそうで、ただただ当日のライブに来てくれた感謝を伝えようとしてくれたのがまた良かったです。


現場では全く気づかなかったのですが、配信で映っていた好きなシーンがあります。
「ラルゴ」の中盤あたりで、綾瀬志希さんがテンション上がって振り回して放り投げたタオルを、月雲ねるさんが拾って畳んでそっと脇に置くところがチラッと映ってました。2人のキャラクター通りというかイメージ通りというか。普段の練習などではこんな感じなのかなと思わせて、凄く微笑ましいです。ここを当日見たかったものです。


ファンの感情を盛り上げようという意図で、実際に感動的なシーンになったのは、どちらかと言えば14曲目の「AOAWASE」の役割のように思います。

新体制への不安、ファンへの感謝、未来への意気込みなどを、各人それぞれのスタイルと言葉で伝えてくれた4人の感動的なMCのあとに、「AOAWASE」が歌われたからです。

この曲は、CYNHN自身のことを歌っている前向きな曲のようにも、私に歌いかけてくれて寄り添ってくれる優しい曲のようにも聞こえます。
あのときに聞いた「AOAWASE」は、新体制へのみなぎるケツイと、"これからも一緒に、新しい景色を見ようね"というMCの内容も改めて伝えてくれているようで、まさに美しくて力強い4人のための曲でした。


ダブルアンコールの話には、裏話でも重要なポイントがあります。

綾瀬さんがライブ2日後のTwitterスペース配信でお話しされていたのは、
"「ラルゴ」はファンみんな好きって言ってるし、聞きたいだろうから"
というファンサービスで、メンバーとMegpis先生(メグ先生)の5人で相談して、セトリに追加したとのことです。メグ先生は多くの曲の振付をされていて、今回のZeppワンマンではステージ演出も担当されている方です。


だからこそ、あの幸せに包まれた空気が生まれたんだと思います。
4人が笑顔で楽しそうにおどけながら、メンバー6人のデビューからの歴史とグループとしての結束を感じる「ラルゴ」を歌っている姿は光り輝いて見えました。アンコールで明るい照明だったという舞台のせいもありますが、普段青色系統でクールな印象なのに、この瞬間はオレンジ色や黄色の温かい感じの印象に見えた気がします。私はとにかく幸せな気持ちで、感情に任せるままに泣きながらそれを見ていました。


1週間後にあったメンバーによるライブ振り返りLINELIVE配信では、「ラルゴ」だけじゃなく「はりぼて」もないセトリ案もあったというお話でした。

最終的にこの素晴らしいセトリとステージを作っていただいて、良いものを見せていただいてありがとうございます、と深々頭を下げることしかできません。



セトリの個人的解釈

Twitterでライブの感想を見ていると様々な解釈がありますが、私は先程書いたことも含めてグループの歴史を詰め込んだ上で、現在のCYNHNを見せるセトリだと解釈しています。


このライブのオープニングSEは「2時のパレード」アウトロ部分のギター・ベース・ドラム演奏を強調して抜き出したようなアレンジでした。そして本編最後のは6人体制最後のシングル曲である15曲目の「2時のパレード」。
「2時のパレード」でライブ本編の最初と最後がサンドイッチされています。

そのライブ本編は「2時のパレード」以降の5人体制で出された11曲目の「水生」からミニアルバム『#0F4C81』(クラシックブルー)の4つの曲も含めて、4人で再録したアルバム『Blue Cresc.』の曲です。


ライブのアンコールはそのアルバムの中でも制作された時期が新しく、"現メンバー4人のため"に作られた曲である、13曲目の「レア」と14曲目の「AOAWASE」です。

この「レア」は「2時のパレード」のパラレルワールドという世界観があります。

そして、この4人体制のアルバム全曲は、前述のように6人体制での代表曲2曲である、1曲目の「はりぼて」とダブルアンコールの15曲目の「ラルゴ」でサンドイッチされています。


またこのセトリの歌詞からでも、曲とリンクさせてしまったり、深読みしてしまう内容が多々あります。
アンコールMCでメンバーから語られた不安、感謝と未来への力強い言葉は、その後に歌われた「AOAWASE」と「ラルゴ」の歌詞ともつながるようにしか感じられません。


セトリにはもっと深い意図があるのかもしれませんし、ただ深読みし過ぎているだけかもしれません。それでも、当日流れで聞いて感動し、後日セトリを振り返って、もしかしたらと思わせるものがあります。
メンバー間でどんな議論があってこのセトリになったのか、セトリ会議の様子や経過が興味深いものです。

ライブの余韻

このように感情を激しく揺さぶられるライブでしたので、思い返すと今でも余韻で胸が熱くなります。


CYNHNとは歌でもダンスでもグループの歴史でもメンバーのあり方としても感動を与えてくれるグループです。
きっとこの先も新しい曲を聴かせてくれる、新しいステージを見せてくれると感じました。


私はこの感想を書いていて改めて、4人で過ごす貴重で尊い尊い時間をあの場で共有してもらえたことがとても幸せです。
この感動をまだライブを見ていない人にも味わってほしいと思います。早くBlu-rayを見たいものです。

ライブ感想の続き

感想③ ライブ前後で思ったこと、ライブ感想


メンバーによるライブ振り返り配信(LINELIVE)

ライブから1週間後の5月8日にLINELIVEでメンバー4人によるライブ振り返り配信があり、その中で当日のストリーミング配信映像を何曲か見ながら振り返りトークをされていました。

いち観客としても、このライブで印象的だったと思うところがピックアップされています。

期間と予算が限られる中で、最大規模のZepp公演。
メンバー皆さんの、"どういうステージを見せたらファンに喜んで貰えるのか?"という試行錯誤が、あのライブに繋がっているのが良くわかります。



CYNHNワンマン振り返りトーク配信(LINELIVE)
https://linliv.ee/rInZARH/tw/tl/sb

ライブのTwitterハッシュタグはこちらで、皆さんのライブ感想を見ることができます。
#cynhn0501zepp

メンバーブログ



テイチクオンライン(Blu-rayはここ限定)




6人組の”青い未完のヴォーカルユニット”CYNHNが、 6月26日(水)に発売する待望のファーストアルバム「タブラチュア」より、 収録曲「ラルゴ」のMusic Videoと、 新ビジュアルを所属レーベルの「I BLUE」公式YouTubeチャンネルにて公開された。 この度公開されたMVは、 メンバーのデビュー時からのアー写をバックに歌っている。CYNHNにとっての第一章の締めくくりを思わせるような内容で、これまでに制作されたMVがメンバ−6人ぞれぞれのストーリーに焦点をあてたものに対し、今回はユニットとしての強い結びつきや、 想いを前面に出した作品に仕上がっている。
exciteニュース記事(2019年5月20日)

#CYNHN   #cynhn0501zepp 

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