福山哲郎議員質疑よしなし

福山議員の擁護ツイートとかを見ていて、逆に「なぜ福山議員はあのような物言いをしたのか」を考えたのだけど、『安倍内閣の判断は妥当性がない」という話に持っていきたくて、最初の「10倍」の言質をめぐっての攻防から推測するに、「発表されている以上の感染者がいることをある程度具体的に把握していた」と持って行きたかったのではないかと思われる。
しかし尾身先生は、表に現れている以上の感染者がいることは肯定したものの、具体的な数値については断定的な発言を避けた。これは科学的態度としては当然の話で、西浦教授の推定値についても、教授の専門分野に敬意を払いつつ、専門分野外への軽々しい言及を避けた。これも学術的な誠実さである。
ここで福山議員は予定していた展開ができなくなったと思われ(おそらく専門家の言及を盾に具体的感染者実数がある程度把握できてたとして対応を責める展開に持っていきたかったが、発表数より実数は多いが把握はできないという諸外国と同じ状況でしかなかった)、結局フリップも期待していた答弁を引き出せなかったことで、想定していた威力を発揮できず、その後の態度は福山議員にとっては蛇足にすぎなくなったのだろう。その後の尾身先生の説明には投げやり的態度である。
立憲民主党については、前身である民主党が病床数削減などを含めた医療費削減に反対する目標は掲げたものの、実際の推移を見ると政権時代含めて目標は達成されていない。そのこともあり、今回の件の前段階としての医療体制の削減については声を挙げづらく、「適切な対応を取らなかった」ということで政権を攻撃する論調を取ろうとしたのだと推測する。
実際政府対応に不備があればそれを追求するのは野党の役目であり、その事自体は重要なのだが、思い込みの前提で準備していた内容通りの言質が得られず、グダグダになった挙げ句に説明者である尾身先生にあの態度を取るのは、国民の代表としては情けないと言わざるを得ない。(確かに勝手に想定していた言質が得られなかったという意味では「答えになってない」のだろうが、学術的には不誠実極まりない)

以上、議員の発言について、その意図をよしなしごと的に考えてみました。

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