BGMは“忘れられないの”でお願いします
※病床での個人的な覚書
「あー…これ陽性ですね。残念ながら。」
2022年ももうすぐ終わり。あと2日で仕事納めのところでわたしは新型コロナウイルスに感染した。
焼け付くような喉の痛みが前日から続いた為、出勤前に念のためと病院へ赴いた。
清々しい朝の空気。感染予防のため窓が開け放たれた診察室で医師は、てきぱきと今後の指示を出していく。言われるがまま薬をもらい、出勤せず帰宅。
関係各所へ連絡が終わり、仕事着を着替える。
(やれやれ…)
部屋着になり白湯を飲んでようやく一息つく。
(しかし喉が痛くてろくに飲めやしない)
わたしから感染の連絡を受けた家人も慌てて帰宅し、とにかく必要物資をと買い出しに向かった。
各部屋の出入り口に手指消毒用アルコール、洗面所に拭き取り不要スプレータイプの消毒液、タオルをすべて紙タオル(キッチンペーパーみたいなやつ)に変更。とあれこれ模索しつつ対策を講じた。幸い、共用スペースと別に自室がある為わたしはその一部屋に隔離された。日当たりもよく、本もある。籠もるには最適すぎる部屋である。
この先、わたしの体調が回復するまで、家人とはドアの前まで食事を持ってきてくれる以外では一切顔を合わせなかった。
幸い高熱は出なかったが、37度から38度をいったりきたりしながら、4日が経過した。相変わらず喉の痛みは酷く、喉の粘膜が切れて、血がでるのではないかと気が気でない。
(調子が良いと起きていると熱が上がる。しかし寝るのも喉の痛みで眠れない)
(人と会話がなくなり自分がどんな声だったのか忘れそうだ)
布団の中でごろごろしつつ、不安な気持ちを抱えて気づけば31日。ついに2022年が終わる。家人がもってきてくれるあたたかい食事は本当に助かる。
兎にも角にも軽症のまま、ニューイヤーカウンドダウンをしっかり行い、あちこちにあけおめラインを送り家人に元気だよと窓越しに伝えて新年の夜はふけていく。
健康が何より。しかし今の世の中いつ誰がかかってしまうのかがわからないのも現実。
一緒に過ごす人のありがたみが身に沁みる年越し&年明けになった。