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私の作業記録

 2023年に弊社に転職してきました。
 そもそも私は社会貢献の一環として防災を行うことをどうすればいいかという観点から、大学で森林保全を勉強し防災コンサルの仕事に就くところから社会人を始めました。
 前職での作業を振り返りつつ、今後自分がどう技術者として学んでいくべきかを考えます。


1.航空測量について

 前職は航空測量の会社にいました。
 「航空測量」といわれてもわかりづらいと思いますので、簡単に説明させていただきます。
 測量とは一般的に人間が現地に赴いて、道路や地形を計測することを指しますが、航空測量は飛行機やヘリコプターを用いて撮影と計測を行うことを言います。
 飛行機(基本的には計測用のセスナ機)を用いる計測は「固定翼」、ヘリコプターを用いる計測は「回転翼」として区別され、「固定翼」は広い範囲の計測に、「回転翼」は狭い範囲や高密度のデータが必要な場合に主に用います。
 対象とするのは主に地形で、レーザーパルスを上空から発射し反射してきたパルスを受信することで、地形の形状を把握します。

 航空測量の利点は以下の通りです。
・航空機を用いるので広い面積を一度に計測ができる
・人が入り込めない場所でも上空から計測することができる
・デジタルデータなので保存・管理・加工(修正など)の作業が比較的容易

 欠点としては以下が挙げられます。
・天候が悪い日(雨天時や曇りの日)は雨や雲のデータも取得してしまうのでデータの精度が下がってしまう
・夏場など常緑樹が育っている環境だと葉に反射してしまい、山間部だと地形がうまく取得できない

 ただ利点に挙げた保存に関しては、前職の終わりのほうでは機材の高性能化・データ密度の増加などを要因でとしてデータ量が増加しすぎていて、報告書まで含めた業務全体のデータを一つのハードディスクに収容するのはほぼほぼ不可能になっていました。
 作業に携わっていたものとしては、今後回転翼での作業のほうが多くなっていく傾向があるように思えたのでデータ量の増加にどのように対処していくかが問題ではないかと思っていました。

2.私の作業

 計測データを編集するオペレーターをやっていました。
 データの処理にはGISソフトを用いていました。GISというはGeographic Information Systemの略号であり、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータを総合的に管理・加工して、視覚的に表現する仕組みであり、GISソフトは仕組みを扱うためのソフトです。
 航空測量で得られた地形データは一座標を持つ膨大な点群データです。前述の欠点でも挙げたようにデータの中には樹木のデータや小さい雲のデータなど不要なデータが大量に含まれます。
 そのような不要点はある程度はフィルターをかける作業をすることで機械的に不要点を排除することができます。ですが、中には機械的に排除できないもの、または機械的にどこまで掛けていいかわからないものも出てきます。
 そこで作業するのがオペレーターです。
 点群データはデータを基として段彩図を作成することができます。段彩図は会社によっていろいろ種類がありますが、作業範囲を細かく区切って詳細な地形図を作ることができます。
 その段彩図上に現れる不要な点をソフトを用いて消していきます。不要な点を削除すると正しい地形データを得ることができます。
 正しい地形データが成果品であり、成果を用いて作られた地形図からハザードマップや地図データを作成することができます。
 以上が前職でやっていたことになります。
 近年降雨による自然災害の頻度が全国的に上昇しています。ニュース等で被害の映像を見ることも増えました。その中で自分が作った図面から少しでも被害が減って得いればよいと思います。

3.これから

 10年ほど航空測量に携わる仕事をしていましたが、航空測量で得られる成果物はソフト面を支えるものであり、具体的に自分がどの程度社会貢献できているかを見ることができませんでした。
 丸重屋に転職してきたのは、業務の中でも点検業務というハードを対象とした項目でした。
 近年橋梁や道路といったインフラ施設は経年により老朽化が進んでおり、国交省管轄の河川等では長寿命化により、施設の延命を図る業務も増加しています。
 また施設点検は直接ハード対策を行うことであり、自分の目で社会貢献が行えるということが肝要になります。
 前職から畑がだいぶ変わりましたので、現在は多くのことを勉強させていただいております。今後は目視、ドローンなど様々な手段でインフラ整備を支えられるようになり、一技術者として社会に貢献できるようになっていきたいと考えています。

以上、ありがとうございました。



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