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【ライオネルカップND1760,1736】青単ジャバジャック



要旨

青単ジャバジャックはリキッドピープルの種族デッキであり、高い性能を持つ進化クリーチャーを活かして戦うビートダウンデッキである。ジャバジャックの無敵効果を利用し、ジャバジャック3体による完全無敵な盤面を作ってシールドトリガーをケアするのが理想だが、現実的には中盤でシールドを数枚削ってから無敵のジャバジャック1-2体を押し付けることが多い。強さの中心になっているのは手札を交換しながら増やせるジャバジャックと、進化クリーチャーのデメリットを帳消しにしてしまうアクアエリートである。本記事におけるデッキリストは、一般には4枚採用されるトリガー枠を減らしている。これはジャバジャックの手札交換性能を重視し、手札から使いたいカードをより多くプレイするためである。


1.はじめに

本noteは進化リキッドピープルを軸にした、いわゆる青単ジャバジャックの解説記事です。
ほとんどテンプレのリストと変わりませんが採用したカードとその枚数に明確な理由があり、それを解説する次第です。

https://twitter.com/pottar14/status/1647233219459452928?s=20

2.青単ジャバジャック概説

まずリストを提示する。


MRCに偽装するのを優先

小型リキッドピープルを並べて進化させ、それらでビートダウンするのを基本としたデッキとなる。このデッキで軸になるのはデッキ名にもあるジャバジャックで、このカードがドローとフィニッシャーを兼ねている。
手札が増えるのは2枚だが単なる2ドローではなく4枚引いて手札交換するので、次のターンに必要なカードを揃えやすい。この手札交換がジャバジャックをプレイした以降の動きを強くする。それだけでなく、ジャバジャックはリキッドピープルが並んでいると選ばれなくなる。選ばれなくなるのはスパークのような全体タップ以外のシールドトリガーが無効になることであり、ジャバジャックは中継から詰めまでを担っている。

ジャバジャックの無敵効果を最大限に活かすためには以下のように1打点+ジャバジャック3体を並べたい。これを理想の盤面として、これを実現できるように立ち回りたい。ただ、この理想の詰め方を実現しにくい現実がある。

1つは中盤の除去。ジャバジャックは進化クリーチャーなので、リュウセイホールなどで盤面を取られると進化元を除去されてしまい、中々ジャバジャックを揃えづらい。…➀
あるいはブロッカー。ジャバジャックを複数並べるだけではブロッカーに止められてしまう。ゆえに除去トリガーを無効化したとしてもヘブンズゲートに屈するハメになる。…➁
また、フェアリー・ライフなどで先にマナを伸ばされ、永遠リュウや鬼丸覇、刃鬼など勝負を決めるフィニッシャーを先に使われたら当然負ける…➂

➀〜➂の事由で理想盤面から勝つのは現実的に難しい。したがって、採用カードやプレイングでこれらの問題を解決する必要がある。

➀進化元の除去に対してはアクアエリートによって解決できる。アクアエリートは進化クリーチャーの進化元を場に出す必要のなくなるカードで、いくら進化元を消されてもエリート+ジャバジャックからリソースを回復することができる。
➁ブロッカーや盤面のクリーチャーは他の進化クリーチャー(ヴィルヴィスウィード、スーパーパラディン)で対処できる。そもそも進化クリーチャーを軸にしたデッキであること、エリートが優秀なことから進化リキッドピープルは自然に採用し活躍させることができる。
➂相手のフィニッシュに間に合わない問題は、先に殴って速いビートダウンとして戦うことで解決する。

➂のために速く殴ることが多いゆえに本来の理想盤面は「青単ジャバジャックの溜めるプラン」と呼ばれがちだが、デッキの根本とジャバジャックの性質を考えればむしろ、打点を溜めたいデッキが環境に合わせて早めに殴っているという認識になる。

理想的には打点を溜めたいが環境的にそれが間に合っていないので殴る、という理屈なので、1-2枚だけシールドを割っておいて溜めるべき打点を減らす動きが成立する。このとき、青単側の勝利条件は最初の1-2枚でトリガーを踏まなければ勝ち、になる。


以上から、青単ジャバジャックは

理想盤面のために「溜める」
理想盤面までは作れないので1-2点「削る」
それすら間に合わないので「殴り切る」

おおまかにこの3つが基本的な戦い方になる。

青単を使ったことがある人なら共感してもらえると思うがこれらのプランは連続的である。溜めながら削ったり、削る枚数を増やしたり、殴り切る予定でいたが踏みとどまったり。
上記3つはあえて名前をつけただけであり、実際は流動的な戦い方をするデッキである。
進化クリーチャーを押し付けて殴るのを受けきれるデッキは少なく、むしろ殴り切ることの多い本デッキだが、原理的には打点をそろえて殴りたい。

上の戦い方すべてに共通した目標は相手の詰み、正確には必至を作ることである。
理想的にジャバ3体を並べられれば、除去トリガーしか入っていないデッキ相手なら勝ち確定。殴り切る場合もヴィルヴィスのバウンスで相手の盤面を退かしながら盾を全て割り切ってしまえば、盤面のクリーチャー全てを処理しきれなれなければ勝ち。盤面すべてを捌かれてもエリートによる進化即攻撃で勝てる。この進化即攻撃はヴィルヴィスやスーパーパラディンによるバウンスがつきまとうので単なるブロッカーでは防げないことも多い。そんな都合よくエリート+進化持ってないでしょ…と言いたくなるだろうがジャバジャックで大きく手札を交換しているので再現性は高い。
トドメまで行けなくとも、返しのターンによほど強い動きをされるかリーサルに来られるかでないと勝つ、というあたかも必至を仕掛けているような状況を作りやすい。盤面除去や手札リソースによる必至をかけやすいのが青単の大きな強みである。


3.デッキリスト解説

3.1 枠組み

まず、抽象的に枠組みを決める。
進化クリーチャーを軸にし、早めに展開するデッキなので軽いクリーチャーを多く採用したい。また主軸のジャバジャックが4コストなので3コスト以下を多く採用することになるが、進化即攻撃を考えれば1-2コストを優先したい。
また、エリートは4コストであるが進化クリーチャーとの相性が抜群なので最大枚数入れたい。
4マナ時点ではジャバジャックをプレイしたいので、ジャバジャックに関係ない4コストは極力入れたくない。
コストが高いほどカードパワーが上がるのでマナカーブ通りにプレイしたほうが良い。

それらを加味すると、デッキリストは理想的には

1コスト…5-6枚
2コスト…10-12枚 1コスと2コスの合計が15枚(先攻2ターン目までにリキッドピープルをプレイできる確率が95%※を越える枚数)前後
※95%という数字は重要ではなく、1つの目安として正規分布の信頼区間を選んだだけである。正規分布と本件は何も関係ないので本当にただの目安である
3コスト…5-6枚
4コスト…ジャバジャックとエリートの8枚
5コスト以上…進化クリーチャー6枚程度を含む8-10枚程度

のようにしたい。
実際には1コストのカードはアクアガードしかなかったり、3コストにゴーゴンシャックという環境に合っているカードがあったりで枚数比は少し変わり、以下のようになる。

1コスト…4枚
2コスト…11-12枚
3コスト…7-8枚
4コスト…8枚
5コスト以上…7-8枚

デッキリストは以上の枚数に従い、強いカードから順番に採用することになる。


3.2 採用カード解説

コスト順→同コストの優先度順で記述する。

アクア・ガード
1コストのリキッドピープルがこれしかないので最大枚数採用。パワーが高くファンクに邪魔されない進化元であったり、ブロッカーとして速攻やメイ様、ミラーなどで活躍したり、役割が多いカードであり、4枚入れる価値のあるカードである。
5マナでジャバジャックに即進化できるため、後半にも優先してキープするカードである。

アクア・ジャバキッド
(かなり高い確率で)手札を減らさずにプレイできる、2コストの中でも特に優秀なリキッドピープル。マナカーブ通り順番にクリーチャーを並べたい本デッキにおいて手札を減らさずに展開できる2コストは非常に重宝する。また、単純にドロー枚数を増やせるのでジャバジャックを引く確率を上げられるのも優れている。ゴーゴンシャックを拾いにはいけないのは悲しいが、そのデメリットを差し引いて有り余るメリットがあるので4枚。
このデッキが補完枠に至るまでリキッドピープルを優先するのはジャバキッドを強く使うためである。


アクア・エボリューター
5マナでエボリューター+ジャバジャックができる点が進化元として優秀。
1tアクアガード→2tエボ→3tガードにジャバ進化、3点で4キルが出来るがオマケ程度で、現実的な進化元としての優秀さを買って採用している。複数体並べることによる軽減の重複も活躍する場面があるので4枚。
2ターン目にエボリューターをプレイすれば3ターン目にジャバジャックを出せるようになるが、3ターン目にジャバジャックを出すべきかは状況次第。エリートが既に引けているならブラザーズを出して1点行くこともあるし、呪文を初動とする相手にはゴーゴンシャックを優先する場合もある。


アクア・ハンマープライス
パワー2000を評価して採用。ファンクがいても使える進化元であり、ミラーでアクアガードに完全には止められないアタッカーとして用いる。
ドロー効果はあまり期待できないのでほぼ効果なしのいわゆるバニラであり、2コストの枚数稼ぎに採用している。
同じ2コストにはメルゲやカスケードがいるが、それらは調整の中で不採用になった。
詳細は不採用カード解説の項で説明するが、メルゲやカスケードは本デッキに噛み合っておらず、使用感が良くなかった。

ゴーゴンシャック
打点を並べる時間を稼ぐのに最も適したカード。1,2ターン目にリキッドピープル→3でゴーゴンシャック→4ジャバジャックという動きは妨害しながら盤面を強くする良い動きで、これは1-2コスのリキッドピープル多めになっている本デッキとは大きく噛み合っている。
ピクシーライフ、メンデルスゾーンの登場で環境の初動が呪文に寄っていることもあり、特に先攻で恐ろしい強さを発揮する。
ジャバキッドで拾えないため、3ターン目に素引きする確率を上げられるよう最大枚数の採用。可能なら5-6枚入れたい。


アクア・ブラザーズ
場にいるだけで使えるドローソースという点を評価し多めの採用。ブラザーズはミラーにおける重要カードで、その意味でも多く採用しなければならない。
永遠やダイイングメッセージを出された場合でも手札を増やして抗える点、ジャバジャックの無敵効果がケアできないスパークを踏んだときに強烈なアドバンテージを稼げる点がデッキの弱点を上手く補完している。
速攻相手やミラーの後手など先に殴られた場合、手札からリキッドピープルを踏み倒せる。
特にミラーはヴィルヴィスで進化クリーチャーを戻されて盾を詰められると詰みに近くなってしまうが、ブラザーズは相手のそのプランを返すために必須である。
このように、トリガーが薄く先に殴られて詰められた場合のカウンター手段として唯一無二であり、そういった場合に安定してプレイしたいので多めの採用。ただ、場に出ただけでは何もしないのとパワーも低いのとで4枚採用には消極的。

また、ブラザーズはその他の候補よりかは強いから採用されている、という側面もある。確かにブラザーズは優先してプレイしたいカードであることは少ないが、逆にブラザーズを他のカードにしたところでデッキが強くなるわけではない。ハルカスは手札1枚分確実にアドバンテージを稼げるがブラザーズを出して隣が1点いけば同じこと。ソニックウェーブやスーパーエメラルの若干の不都合さ、使いにくさは青単を回した人なら共感してもらえると思う。
この枠を削って2コスを増やすのは選択肢としてあるが、2コスのカードは当然ブラザーズよりやれることが少ない。安定して2コスを2ターン目に出すにしても13枚目以降は殆どその確率を上げない。
逆に、ブラザーズはミラーで大活躍するのは当然として、ブラザーズが除去されなければ多大なドローが見込めたり、対速攻や進化獣のバウンスなど他のカードでは為し得ない動きができ、デッキの可能性・最大値を引き上げてくれる。
ブラザーズがデッキに入っているという価値はその他のカードを入れて動きをすこしばかり安定させることより高い。私はそう考え、リキピのデッキにブラザーズは少なくとも2枚は必要だと考えている。
また、ブラザーズは2体出すとドロー効果が重複し多量ドローを狙える。その意味で多く採用することで価値を発揮しやすいカードと言える。

ジャバジャック
本デッキの軸。交換しながらの手札補充も無敵効果も勝ちに直結する能力であり、4枚必須。
他の進化リキッドピープルが5コストなのもあり競合せず、また4ターン目に手札を補充して5ターン目以降の進化リキッドピープルを押し付けられるのがデッキの動きとして強力。
本デッキを使う上ではジャバジャックを強く使えるプレイングを意識するべきである。例えば3ターン目にエボリューターから進化する場合、次のターンは2コス2体を並べて無敵のジャバジャックを作ったほうが良いこともある。ジャバジャックの手札交換も、次のジャバジャックに繋がるカードを意識して残すべきである。ジャバジャックで次のジャバジャックが引けなかったならジャバキッドを残したり、引けた場合はエリートやエボリューターを優先して残したり…
ジャバジャック2体を並べるのは分かりやすく強い動きであり、まず目指すべき盤面でもある。

アクア・エリート
本デッキをここまでの強さに押し上げた立役者。ここまで強くしてしまった張本人と言うべきかもしれない。
進化クリーチャーはコストに対して強力な性能を持つが、それは進化元が必要だからだ。進化元+進化クリーチャーそのもので手札を2枚消費し、更に場に進化元を出しておくか、進化元と同時にプレイしなくてはならないのでコストが見た目より多くかかる。進化クリーチャーはそれらを差し引いて丁度良い強さになるようデザインされている。
それが、エリートは手札も減らさず進化元も自前で用意してしまう。進化クリーチャーのデメリットを帳消しにし、強い部分だけを活かすカードなのだ。
元来、1打点が2打点に進化しても盤面の打点は1しか増えない。それどころかバウンスなど除去で進化元ごと倒されると進化した分で損することもしばしばだった。それが、エリートは盤面を直に2打点伸ばし、バウンスされても即座に出し直せる。また、エリートを絡めることで実質的なSAとして運用できる。
唯一、進化先が手札に必要という点はエリート本体だけでは解決していないが、ジャバジャックによる手札交換と手札補充はその欠点を完全に補う。すなわち、次のエリート+進化先をセットで用意してしまうのだ。

エリートのカードデザインとジャバジャックの手札交換、この2つの相性が良すぎるからこそ青単ジャバジャックはこの強さのデッキになっている。最大枚数採用以外ありえない。
進化元が勝手に並び、手札が減ることもなく、見た目以上にコストの低い進化クリーチャーとしてグレートメカオーにおけるマザーやマーキュリーがある。ピラミリオン、ガトリンガー、シンパシーは進化クリーチャーの欠点全てを克服した完璧なデザインであった。


ヴィルヴィスウィード
エリート+ヴィルヴィスで盤面を退かしながら殴る、という動きが余りにも強いので4枚採用。制限なしの1体バウンス効果が腐ることはほぼない。
5というコストは踏み倒さなくともエボリューターorガードと組み合わせて6コストで即進化出来るなどエリート無しでも十分な強さを誇る。
必至を掛ける際、かなりの割合でこのカードは絡んでくる。盤面を返してしまえば相手からのリーサルを防げるし、ブロッカーを退かして進化即攻撃でトドメを刺すことも出来る。
減らしている人も見受けられるが、エリートを活かすという観点からも、強い理由のない限り4枚採用すべきカードである。


アクア・スーパーパラディン
現環境に刺さっているカード。シールドさえ割り切ってしまえば盤面のアガサやスターインザラブなどが何体いてもトドメを刺せてしまう。
超次元を返す効果も非常に強くジョンで止まらなくなる他、アガサ天門のシューヴェルト+ブロッカー複数体という盤面をスーパーパラディン1体で吹き飛ばすことができる。
ライオネルカップ時点では採用枚数が少ないカードであったが、環境に刺さりが良いこと、エリートを強く使うために進化クリーチャーを多く採用したいことからサーファーを1枚削って2枚採用している。まどろみに至ってはサーファーを2枚削ってスーパーパラディンを3枚採用している。それだけこのカードの詰め性能は高く、またエリートはデッキそのものをエリートに寄せる価値があるほど強いカードである。


アクア・サーファー
リキッドピープルの受けトリガー…というよりは、手札から出すことを想定して2枚だけ入れている。
速攻やミラーなどでは先に殴られた返しにブラザーズからサーファーを出して相手の打点を減らすし、コントロール相手に6マナ時点で普通にプレイして場のクリーチャーをバウンスするのに使う。1試合に1回使うか使わないか、なので2枚。
本デッキはカウンターデッキではなく、先に勝負をつけるか盤面を取りながら打点を並べるデッキである。そのため、トリガーしたら強いという場面こそあれどトリガーしなければ勝てないという場面は少ない。サーファー1枚程度はケアして殴られるケースは多い。
また、本デッキは序盤の動きさえ安定していればトリガーに頼る必要もない盤面を作りやすいデッキでもある。ミラーの後手などサーファーのトリガーに期待せざるを得ない試合もあるが、山札をジャバジャックで多く掘る都合上、盾に埋まっている(=5枚の中になくてはならない)カードに期待するより、ジャバジャックから使える詰め札を採用したほうが活躍する場面は多い。そう考えればサーファーは4枚確定のカードではないだろう。
もちろんミラーや対ビートダウン、それに必至回避の逆リーサルに対する回答としてアクアサーファーを始めとしたトリガーをしっかり4枚採用するのは1つの戦略である。しかし、必ずしもサーファーを4枚入れなくてはならない訳ではない。


超次元ガロウズホール
永遠を退かして勝利ガイアールからリーサルに行ける、勝利リュウセイで相手の行動を1ターン遅らせるなど、相手から見えない詰め筋として重宝する。従来の青単では捲れない盤面を捲れるのでデッキパワーが大きく上がる。
しかしゴーゴンシャックで重くなってしまう、ジャバキッドで落としてしまうというデメリットを差し引いて採用するべきか、よく考えなければならない。安定を目指す場合、序盤の動きに寄与しないカードの評価は落ちる。
個人的にはデメリットを補って余りあるほど強いと感じており、テンプレになってもおかしくない。

3.3 不採用カード

アクア・メルゲ、アクア・カスケード
それぞれ2コストでハンマープライスと競合するカードだが、以下の理由で優先されないことになった。
まず、メルゲは手札を捨てる効果が墓地を利用できない本デッキと噛み合わない上、捨ててから引く効果を活かしにくいことから不採用。ツヴァイのように必ず引きたいカードがあるわけではないので捨ててまで手札交換したくはないし、ファンクで詰みかねない。ほぼ頭数稼ぎの枠なので、折角ならデッキの弱点を少しでも補完するカードにしたい。
カスケードはミラーなどで重宝するブロッカーであり、実際に強いのだが、ブラザーズとの兼ねあいが悪いこと、ツヴァイと違い盤面で打点を出せないとリーサルを組みにくいことからハンマープライズよりは優先度が下がると結論づけた。
2コスを多く取る構築の11枚目以降はカスケードも一考。


ジャニット
まずリキッドピープルでない時点で評価は大きく下がる。それを差し引いて採用するメリットがあるかを考える。
比較対象は主にソニックウェーブになるが、こちらはメイ様を返せる点とトリガーになる点が差別化として挙げられる。
しかしメイ様にはデッキ単位である程度回答がある(ガード、3tジャバジャック、その他進化によるトンカチなど)。トリガーとしても、主にミラーでしか有効トリガーにしかならない。にも関わらず番の終わりに山の下に帰るのでミラーや速攻相手へのカウンターになるわけでもない。
確かに強いカードではあるがリキッドピープルでないデメリットを考慮すると採用には踏み切れない。


アクア・ソニックウェーブ
一見ミラーに強そうだが、ミラーで最も強い動きの一つであるエリート+ヴィルヴィスの解答にはなっておらず、その点でミラーの解答になりにくい。
おまけにミラー以外ではあまり活躍しない。汎用性の観点から採用を渋るカードである。

アクア・スーパーエメラル
殴れるブロッカーで手札交換が可能という驚異的なスペックのカード。しかし、サーファーをやや減らしている本デッキではトリガーを埋めるという最大の強みを活かせない。
したがって、手札交換ならドローしているハルカスのほうが優秀、ジャバジャックを探しに行くのもより山を見られるアナライザーの方が優秀、ミラーも盤面に直接干渉するソニックウェーブのほうが優秀、と器用貧乏になる。
悪いカードではないがトリガーを埋めない限りアドバンテージを稼ぎにくいので不採用になった。


アクア・ハルカス
元々採用していたカード。
3コストはゴーゴンシャック4、ブラザーズ3は確定したいのだがこの枠は2コス12枚目のほうが良いのか3コスの何かを入れるべきなのか結論が出ず、最終的には抜けた。
3コストの候補のうちではハルカスは最も無難で、盤面を並べるのにこの上ない性能をしている。アナライザーはジャバジャックへアクセスできる確率を高めている。しかし、これらのカードが間接的にでも勝ちに繋がった試合はあまり無かった。
ライオネルカップではポッターはハルカスで、まどろみはアナライザーでそれぞれレート1760,1736を記録した。現在はガロウズホールやサーファー3枚目を採用しているがほぼ自由枠であり、好みの範疇だと思われる。


アクア・アナライザー
山札操作によりジャバジャックやエリートにアクセスできる確率を高められるが不確実で、またアドバンテージを稼がない。わざわざ採用する価値は高くないカードである。

ジェスタールーペ
このデッキは4のエリートとジャバジャックが強いのだ。これらを連鎖させられず、また4でプレイするにも優先度が最も低いので使うタイミングがないジェスタールーペは青単ジャバジャックとの相性が悪い。

バタフライ・ブランデ
採用候補筆頭。めちゃくちゃ強い。
連鎖効果でエリートもジャバジャックも出せるので、ジェスタールーペとは反対に青単ジャバジャックというデッキと強く噛み合っている。また、周りのパワーを上げる効果はミラーで相手クリーチャーを一方的に取れるようになるので強く、またバタフライだけで2面展開するので4tジャバジャック→5tバタフライでジャバジャックに無敵を付与できる。
すべてが噛み合っているので環境が遅いなら1-2枚採用したい。今回はスーパーパラディンを優先したので不採用になったが、サーファーや3コス8枚目の枠をこのカードにするのも一考。


DNA・スパーク
殴り切るプランを主眼に置く場合、エメラルと共に採用される。ミラーでスパークを埋めながら殴ることで高い勝率が見込め、また一発逆転も起こしやすい。
マナにスパークを埋めるだけでも相手にケアをまたは諦めを強要できるので強い。
しかし必至をかけるのを基本とし、そのために軽いリキッドピープルを増やしたり安定を高める構築にしたため、コンセプトそのものが違う。
スパークが弱いから不採用…ではなくそもそも根底から目指す地点が違う。


4.立ち回り(pottar)

以下では具体的な立ち回りを記す。基本的にはpottarが書いているが、一部まどろみによる解説も含まれている。

白緑アガサ 微有利(55~65%)

・なぜこの相性になるのか
この対面の特徴として、青単側がアガサ側に高い要求を押し付けるような試合展開が多いことが挙げられる。この対面のキーカードであるクリスタル・スーパーパラディン(以下パラディン)は基本的に2~3枚の採用にとどまっているが山札を掘る速度が速いために必要な場面では手札に抱えられていることが多いのに対して、アガサ側のこの対面のキーカードであるダイイング・メッセージやミルザムは複数枚手札に抱えたいにも関わらず、ドローソースに乏しいためにアクセスすることも難しく、どんな状況でも必要な場面でプレイできるとは言い難い。ホワイト・グリーンホール(以下ホワグリ)で天門を盾に埋められてもその先に出てくるブロッカー、さらに言えばシュヴァルを立てるためのマザーホールまで抱えておくことはかなり無理があるだろう。アガサ側が強みである展開の速さを押し付けようとしても、青単側はゴーゴンシャックによって遅延しながらゆったりと展開できる。素で埋まっている天門も、1枚ならば展開次第でケアして戦うこともできる。総じて、青単側の要求値の割にアガサ側の要求値が高く、アガサ側の盤面干渉能力の低さも相まって、青単側がある程度有利であると言い切っていいと判断した。
・プレイング考察
基本的に、先に盾を割り切るプランと、ジャスキル打点が組めるまで待って殴り切るプランの二つがある。前者は後攻、後者は先攻でとる場合が多い。ここからは両プランの解説と利点、どのような場面でどちらのプランをとるべきと考えるかの解説を行う。
まずは盾割り切りプランについて解説する。このプランは、アガサ側が最速でアガサの着地を狙っているときに青単側がその狙いを看破できないとき、ゴーゴンが絡まずアクア・ブラザーズ(以下ブラザーズ)が絡むときにとることが多い。手札からの天門をケアできない状態で、先に盾を割っておくことでアガサのバリューを下げようという考え方の上に成り立っている。このプランの最大の特徴は、2ターン目に出した小型リキッドピープルで出した次のターンからすぐにビートを始めることにある。ここの1点のみは天門を踏むことが許容できない場合が多いため、ケアできる盤面が構成されるまで貯めるプランを取ることの方が多い。それを加味しても1点のリスクを背負うリターンがあるとき(ゴーゴンが2体以上絡むとき、進化獣が引けていないとき)に取らざるを得ない選択肢として頭の片隅に入れておくことをお勧めする。
本命は溜めるプランである。アガサというデッキタイプの特徴として、天門をマナ加速によって早期にプレイすることで、これまでの天門とは一線を画す速さで大型を展開できることが挙げられる。しかし裏を返すと、マナ加速を行うために手札を消費しているために必要なパーツを適切にキープしながらプレイすることが難しく、展開後や展開の直前は盾のリソースに頼らざるを得ない場合がある、ということである。アガサ側の有効トリガーが天門のみであることが多いために、早い段階で盾を詰めたくなりそうだが、手札を与えること自体に裏目が発生しうる対面であることも覚えておくべきである。

基本的に溜めるプランは先攻であるときと、ゴーゴンが絡むときにとることが多い。2→3→4(もしくは2+2)と順調に動けていれば、基本的にこのタイミングで盤面に4打点がそろっている。次のターンに進化獣を絡めて2打点を追加すれば、ちょうど6打点組めるという算段である。アガサ側が母なる大地を採用していなければ、この時点で天門を踏まない確率である約57%の勝率が担保され、例え天門があったとしても手札にパラディンをキープしながら詰めている場合や、相手の手札にダイイングやミルザムなど受けに必要なブロッカーを抱えきれていない場合なども考慮すると、攻撃し始めた時点で青単側の勝率は大体65~70%程度に収まっているだろう。溜めた場合この勝率が担保されている以上、相手のビッグアクションが飛んでくる前までは基本的に溜める方が得をすることが多い。

問題は、青単側がこれら2つのプランを、相手の手札枚数や展開をみて断続的に切り替えながら試合を進めていかなければならないことである。相手のメイ様に対してガードを当てられている場合は、相手のマナが伸びないもしくは手札が少ない状況が発生するので溜めるプレイが肯定されるが、相手先行でライフプランまで最速でプレイされているなら、相手の手札が整っている可能性が高く、すなわちゴーゴンを立てたとしても回答を持っている可能性が高いために盾を刻む必要がある。アガサ相手のゲームプランを構築するうえで、2ターンにかけて殴り切るか、1ターンで殴り切るかを決めてから逆算してプレイするカードや殴り方を決めると、大筋として間違ったプレイになることが少なくなる。

ここまでは大きな試合転換の中でのプラン組みに焦点を当てて解説してきたが、ここからは細かなテクニックについて記述する。

その1・・・敢えて最後にパラディンを残せ!
相手の手札にダイイングがないと推測できる、もしくはもう一枚パラディンを手札に抱えられているときにとるプレイである。様々な対面でジャバジャックを最後に残して殴るのが手癖になっていて、アガサ対面でもそうしている人が一定数いるのではないかと筆者は推測している。大地入りのアガサに対してはその限りではないが、相手の手札によっては盾天門をケアできるし、過剰打点を組めていればダイイングに加えてのミルザム要求を押し付けることすらできる。このデッキの殴り順の前後は明確なプレミになり得る。

その2・・・ブラザーズでダイイングケア!
ダイイングケアとは言いつつも、これは間接的な対応策である。すべての試合で天門を完封できるわけではなく、盾から踏んでリーサルが止まってしまったり、手打ちの天門が間に合ってダイイングで面処理されそうになったりする試合はどうしてもある。そんな時に盤面にブラザーズを維持することを意識してプレイすると、継続的なドローが見込め、面処理をされる中でも継続的に盤面を形成することができ、最終的には手札7枚の踏み倒し条件を達成して盤面を返すことができるかもしれない。

最後に。ワンパン天門は諦めなさい。それは上振れです。



ウェディングゲート 微不利~五分(40~50%)

・なぜこの相性になるのか
基本的に盾からゲートを踏んで盤面が壊滅し、ハンデスで後続を潰されると勝てない。門を盾から踏むときつくなるのはアガサ対面とそう変わらないのだが、ストロングガードやエメラルによって盾に能動的にゲートを埋める手段がアガサに比べて豊富にあるうえに、手札に干渉できる点、ゲートを踏んだ時点で盤面が壊滅してしまう点が青単に対して構造上有効であるのが大きい。ドローソースがアガサに比べて豊富であるため、ゲートを踏んでも不発に終わるという事象が起こりにくいことも見逃せない。元々青単に有利をつけるべく開発されているデッキである為、少なくとも青単側が有利であるという結論を出すことはほぼ不可能である。しかし、適切なプレイを行い、ある程度の手札要求値を通すことができれば、盾ゲート要求、すなわち勝率57%の状態で殴り始められる試合展開にもっていくことはできる。また、手札を大量に抱える、盤面のこまめな処理など、意識すべきことを意識し続けることで瞬間的に相性を五分程度までもっていくことは不可能ではないと考える。

・プレイング考察
この対面で意識することは、相手に手札を与えないこと、自分の手札を7枚程度抱えること、相手の盤面にコマンド(主にチャーマジュン)を残さないことの3つである。
まずは相手に手札を与えないことから解説する。これは、ゴーゴンを立ててドローソースをプレイさせないことと、極力盾を殴らないことで達成できる。ゲート側の主なドローソースはコアクアンのおつかいとチャーマジュンだが、ゴーゴンを盤面に立てることで実質的におつかいを封じることができる。となると残ったドローソースはチャーマジュンになるが、殴るデッキである青単に対して盾を一枚焼却しながらの2ドローはリターンの割にリスクが大きすぎるため、実質的に効果を発動できない。つまり、ゴーゴンを立てた時点でゲート側のドローソースは封じられたと言っていいだろう。後は、打点が並ぶまで溜めればよい。ただし、相手が強引にチャーマジュンの効果を使ってきた場合はそもそも手札を増やされているので盾刻みを開始し、オレオレダークネスをケアする方針に切り替えるとよい

また、ゴーゴンに触れている項であるために追記しておくが、相手のストロングガードをケアするためにゴーゴンは2枚立てるのがベストである。余裕があるときは2枚目をキープすることを意識するとよい。

次に自分の手札を7枚以上抱えることについて解説する。これは出来るならした方がいいというレベルの話ではあるが、出来ると相手の盾ゲートを間接的にケアできるようになる。盾ゲートからスターインザラブ+オレオレダークネス、返しのターンにオレオレダークネスで5枚分のハンデスが飛んでくることを想定しても、この時点でまだ手札が2枚残っており、トップドローと合わせて3枚で戦うことができるため、開始のターンに進化速攻で盤面を突破して勝つことができる可能性を残すことが出来る。ジャバジャックなどで手札の質を高めながら、5マナまで到達したら基本的にノーチャージで展開し、枚数を確保しながら殴ればよい。また、盤面にブラザーズを維持しながら小型で刻むことで、盾ゲートや相手に手札を与えるリスクこそあれど、大量の手札を抱えに行くプランも存在する。

最後に盤面の細かな処理について解説する。これは主に相手のチャーマジュンについてだが、チャーマジュンを盤面に残すとオレオレダークネスやスターインザラブの手出しが圏内に入るために実質的な盤面リソースの役割を担うことに繋がってしまう。刻むプランを取らざるを得ない時の殴り返し要因の生き物やチャーマジュンは積極的にヴィルヴィスヴィードを切ってバウンスした方がいい。

本当に最後にだが、この対面、盾ゲートで負ける試合は割り切るべきである。実際には手札キープやゲート側のプレイングで運だけではない試合もかなりあるのだが、それでも心持ちとして相手の上振れとして消化した方が次の試合につながる。多くの試行回数の中で必ずいつかは門をトリガーして負けるのだから、いちいち癇癪を起こしていてはキリがない。


シータ刃鬼・黒刃鬼 微有利(先攻65%、後攻55%)(まどろみ共著)

・なぜこの相性になるのか

 青単ガンメタのカード(声援、モエル鬼スナイパー、ミサイルバーストG,etc...)を採用した構築が主流になりつつあるが、まだまだ青単側は刃鬼に分があると言いたい。刃鬼側のトリガーの半分近くがライフやシャワーなどのブーストトリガーである為に、青単側がため殴りをした際の刃鬼側の有効トリガーはせいぜい6~8枚、多くても10枚程度であり、これは期待値的には1試合に1枚踏む程度の枚数である。刃鬼側にはリュウセイホールや吸い込むで能動的に青単側の盤面に干渉できるカードが存在するものの、青単側の進化獣にアクティブに触れるカードがほとんど存在せず、特にジャバジャックの処理にはかなりの手間を要する。無条件で進化獣を処理できるカードがほとんど採用されない現状を鑑みると、青単側にとって進化獣を多数並べてのため殴りは肯定されるプレイとなる。ため殴りのルートに入る為の最低限の刻みは必要であり、そこでの1.2点のトリガーは有効になることが多いが、逆にそこできっちり刃鬼側がトリガーを踏ませなければ青単側は勝ちルートに入ることが出来る。よって刃鬼側の勝利条件は先1メイ様かつ後手1ガードがない、もしくは最初に1点ないし2点で有効なトリガーを踏ませることであると言えるだろう。これらの要素を総合的に判断した結果この相性関係とした。

・プレイング考察

 先攻の場合は、基本的にマナカーブ通りの動きをしていれば有利になることが多いが、後攻の場合はそうもいかない。しかしプレイ方針が先攻と後攻で大きく変わらないため、試合の分岐点になることの多い部分についてのみ後攻を中心に、先攻の場合を補足しながら解説することとする。

1.       殴る・殴らないの基準
この対面の勝率は、どちらがいつどの程度盾を刻むかによって左右されると言っても過言ではない。特に後手はゴーゴンシャックを出したターンに隣の2コスで殴って除去トリガーを踏むとゴーゴンシャックが抑止力にならない。そこで盾の殴り方に注意を払う必要がある。

大まかにはこちらの手札が良いなら殴らず、悪ければ殴るを基本的な考え方とする。

おおよそのフローチャート

先攻
・ゴーゴンシャックとエリート+ジャバジャックあり…3ターン目は殴らない、4ターン目に1点
・ゴーゴンシャックあり、エリート+進化(ジャバジャックでない)ありorエリートなしジャバジャックあり…3ターン目は殴らず4ターン目に2‐3点
・ゴーゴンシャックあり、4ターン目の進化なし…3ターン目も殴る
・ゴーゴンシャックなし…ひたすら殴る

後攻
相手のブーストがなければ先攻と同じ行動パターン
それ以外は殴れるだけ殴る

最も殴らず済むパターンは先攻で2コス、ゴーゴンシャック、エリート+ジャバジャックまで見えていて、さらにジャバジャックから次の進化即攻撃まで繋がった場合だ。この時は4ターン目に1点だけ殴る。3ターン目に殴らないのはゴーゴンシャックを生かしてリュウセイホールをケアするためで、ここで殴らなかった分の打点を後続の進化獣で補充できているがゆえに極力殴らないプレイが成立する。トリガーを最大限ケアしながら次の進化と合わせてリーサルに行くプレイングだ。本当はジャバジャックを3体並べてから殴りたいが、相手のブースト状況が良ければ永遠や鬼丸が間に合ってしまうので、良い手札でも1点は刻んでおくことを勧める。できれば2点いきたい場面でもあるが、次の進化が約束されているならゴーゴンシャックの生存を優先すべきである。逆に言えばジャバジャックのドローが微妙だったりジャバジャックを引けていない場合は2点殴る。

また、ゴーゴンシャックを引けていない場合や後攻の場合、相手のブーストからの永遠が間に合ったりリュウセイホールによる除去で打点が足りなくなったりするので、トリガーや理想の動きを割り切って全部殴る。

2. 永遠の乗り越え方
青単を使っていて最も苦しめられるのは永遠だろう。ブーストトリガーから早々に着地されて無念のリタイアを強いられた人は多いのではなかろうか。

永遠は確かにきついがいくつか対策がある。

①先に盾を割り切る
永遠は直接盤面を複数取れるわけではないので、永遠を出されても次にリーサルに行ける打点を残せればよい。永遠を出される前のターンはジャバジャックよりヴィルヴィスを優先し、リュウセイホールから出されたクリーチャーを処理しながら盾を詰めて永遠1枚で返せない盤面を作ればよい。

② 永遠をバウンスしながら盾を詰める
前の話にも繋がるが、永遠を出すのに1ターン使わせ、その永遠をヴィルヴィスやサーファーでバウンスして盾を詰めることで①のような状況を作り出せる。これは永遠の前には盾を割り切れない、永遠を出されてトンカチされると次のリーサルが組めない場合に行う。永遠の前のターンに殴らず永遠によるトンカチをけん制し、返しに永遠をバウンスして全部殴る。こうすれば永遠1体では返せない盤面を作ることが出来る。この場合、シータ側はトリガーに祈るしかなくなる。

③超次元呪文、超次元クリーチャーの利用
構築段階でガロウズホールを採用すれば永遠を返してリーサルを組める。また、ミカドホールなどから勝利リュウセイを出して永遠を遅らせたり、ランブルで永遠にトンカチされない打点を作ったり、ガンヴィートでタップされた永遠を除去するなど、相手の想定しない勝ち筋を生むことが出来る。このアイディアをデッキにした構築とその解説noteを参照してほしい。
https://note.com/happy_pansy966/n/nb6cd3c91adfe

③先3ジャバとゴーゴンの優先順位
先3ジャバジャックは強力な動きだが横に打点が並ばない欠点がある。特にシータ対面はゴーゴンシャックが良く刺さるのでなおさら難しい。
まず、3ターン目にジャバジャックを出す場合は一切ためずに殴り切る場合となる。進化獣を押し付けて処理させないようにしながら早々に勝つ。これは、4ターン目にゴーゴンシャックを出しても打点が足りず間に合っていないことと2コス2体展開で貯めてもリュウセイホール2面除去で苦しくなることが理由である。ゴーゴンシャックは2ターン遅延している間に安全に打点を溜めることが目的なのだ。
ゆえに後攻などターンを稼げない場合はなるべく早く打点を揃える必要があり、後攻は3ターン目にゴーゴンシャックを出すよりエボリューター→ジャバジャックして殴った方が良い。

したがって議論すべきは先攻である。一つの基準として、手札にジャバキッドやエリートがあるかどうかが大切になる。シータ相手にジャバキッド→ゴーゴンシャック→ジャバジャックとつなぐのは先攻の少ない手札状況でリソースを維持しながら戦える理想プランで、手札のエボリューターも5ターン目のジャバジャック進化即攻撃に使える。エリートがある場合も、ゴーゴンシャックからエリート進化即攻撃で手札を減らさず打点を増やしながら戦えるので3ゴーゴンからエリート進化すべきである。一方、ジャバジャックをプレイする利点は手札を整えて次の進化や後続を用意できる点である。

よって、先3ジャバジャックすべきなのはジャバキッドやジャバジャックの次の展開が見込めない手札の場合で、それ以外はゴーゴンシャックをプレイするべき、と結論付けられる。もちろん例外も多く感覚的な部分なので一つの指標である。

まとめると、シータ対面は上振れがなければ溜めても殴り切ってもおおよそ勝てるが、ブーストトリガーをたくさん踏んだりメイ様を咎められずリソース差をつけられすぎると苦しくなる。進化獣を軸に戦うので鬼スナイパーや除去トリガーはあまり関係ない。

最後に黒刃鬼、とりわけファンクの対策について話す。ファンクはハンマーやガードなどパワー2000のクリーチャーを大切にするのはもちろん、ヴィルヴィスを抱えておき出てきたらバウンスしながら盾を詰める、永遠と似たような対策を取る。黒刃鬼と判別できたならジャバキッドなどよりハンマーを優先するプレイも重要である。また、黒刃鬼対面でエリートをキープすべきかどうかだが、黒刃鬼側の黒マナの枚数やファンク自体の枚数を考えると最速でファンクを出せることは少ないので、特に後手などはファンクを切ってエリートをプレイしにいくべきである。
最速ファンクとファンク重ね掛けはあまり起きない事象なので諦める。手札によほど2000が来ている場合を除き、ファンクはケアしきれないことも多い。

ミラー 先攻有利

1.後攻を捲るために必要な考え方
ミラーは基本的に先攻が有利である。もちろん後攻側が1点ないし2点でサーファーを踏ませることができれば一気に形勢が優位に傾くので、サーファーが盾に埋まっていると考えてプレイすればよいとして、埋まっていない試合をしょうがないものとして割り切ることも可能ではある。しかし、例え4枚きっちりサーファーを積んでいたとしても埋まっている確率は43%であり、この考え方は勝率をこれ以下に固定するものとなってしまう。ここでは、後攻を取った時の勝率を43%よりもさらに上に引き上げ、50%以上を安定して出すためにどのようなことを意識すればよいか記述するものである。

まず、先攻4ターン目のエリートヴィルヴィスなど、先攻側に最大値を取られることを切ったプレイをどこかでとるべき場合がある。ミラーではいかに盤面を優位に構築しながら盾を刻み、相手に不利なトレードを強要させるかが重要になる。それを踏まえたうえで、盤面をバウンスしながら有利トレードないし盾を詰める、どちらの動きもできるエリートヴィルヴィスはミラーにおいて形勢を最も優位に傾かせるアクションである。ただでさえ盤面形成が1ターン遅れている分、先攻4ターン目のエリートヴィルヴィスは致命的であり、これをされた場合、そこから先でミスなく詰めてくる相手に勝つことはかなり難しくなるだろう。だからこそ、後攻3ターン目のジャバジャック展開や盾を詰める行為がエリートヴィルヴィスをプレイされる可能性を高めたり、飛んできた場合に致命傷になったりするためにあまり強いアクションではないとされがちである。しかし、私はそれをされていたり、それをケアするために自分の最大値ではないプレイをしたりしている時点で結局勝ちにつながっておらず、全体的に見て勝率を下げているのではないかと考える。された時点でほぼ負けるプレイを考慮に入れてプレイしても、負けるものは負けるからである。ならば、先攻の最大値である行動はどこかのタイミングで割り切り、強気に自分が勝ちに行くプレイを取りに行くべきである。

次に、相手の盤面をとるよりも先に、盾を詰めることで生まれる勝ち筋を探す意識を持つことである。後攻を取ると、基本的には先に盾を詰められているのだから、自分にリーサルがかかることを恐れて盤面を取りたくなるのが人間の心情というものだろう。特に進化獣が相手の盤面にいることのプレッシャーは尋常ではなく、自分が先行の時のミラーでは、対面が苦心しながら進化獣を相打ちさせて、何とか盤面を取ろうという意思が垣間見えることも珍しくない。しかし、そのプレイは本当に勝ちにつながっているのだろうか。相手のリソースが細く、盤面を捌ききれるかつその後自分が優位に展開できるリソースを抱えられていて相手に要求を押し付ける側に回れるという場面ならその限りではない。だが、基本的にミラーの進化獣が2打点を通している時点でその進化獣は最低限必要な仕事を果たし終えており価値が低く、逆にこちら側のまだ盾を詰めておらず本来の役割を果たせていない状態の進化獣の価値はかなり高いことを考えると、自ら相打ちをして盤面を取りに行く行為は紛れもなく不利なトレードであり、1ターン使っていることも考えるとむしろ負けに近づくプレイであることも多いのである。皆さんも、苦心して盤面を相打ちしながら取ったはいいものの、返しのターンに冷静に横展開され、結局捌ききれずに負けた経験が一度くらいはあるのではないだろうか。

ここで言いたいのは、後手が受けきって勝つことはほぼ不可能である、ということである。後攻なのだから、相手に要求を押し付けずに勝てるわけがないのである。ということは、盤面を取る以外の選択肢として盾を詰めるプランが最有力候補に挙がってくるだろう。盾を詰められて怖いのは先攻側も同じであるし、進化獣を綺麗に捌き切るのが難しいのも同じである。すなわち、盾を詰めることは自分が盤面の取り合いを放棄する代わりに命をいただくと宣言し、相手が前のターンに自分に突き付けてきた要求をそっくりそのまま相手に返すことと同義なのである。ここで後攻がとったのと同じくある程度の許容を交えながら死刑宣告を突き付けてくる先攻がいるならば、それは相手を褒めて潔く盾のサーファーに懸けるべきであるが、勝手ながら自分はそれができるのは一握りの青単プロだけだと考えているし、少なくとも盾を詰める行為が盤面をとる行為よりも強い動きであることが多いのはここまでの説明で自明である。強気の択を通してこそ、活路は生まれるのである。

最後に、これは前段の話ともつながるが、盾を詰めずに打点を構成しきって勝つという考え方を捨てることである。これも自分がランクマで対面した相手の話だが、後手3ターン目にブラザーズを出しているにも関わらず、2ターン目に出したジャバキッドで盾を詰めずにターンを返してきた。これは次のターンに進化獣に有利トレードされることを恐れ、ブラザーズによる盾殴りのけん制のみを目的としたものと推察できるし、対面しているうえで特段珍しいプレイであるかと言われればそうではなく、むしろよくされるプレイの一つでもある。しかし、過激的かもしれないが、自分はこれを青単というデッキへの理解不足からくる明確なプレイングミスであると考える。これは先攻側にブラザーズがいても同義であるし、ジャバジャックが飛んでくるとわかっている状況でもこの考えはぶれない。後攻が勝負すべき土俵は直接的な盤面ではなく、盾を詰めることによってそれを含めた全体的な盤面の差であり、それを可能にするのは後攻であることを生かした1枚分のリソース差である。そして、このリソース差を最大限還元するためには、ただの打点としての役割だけでなく、自分が先に盾を詰め、盤面を相手の盾を削りリミットを押し付ける要員やブラザーズによるドローソース、実質的なブロッカーとしての役割にいち早く変換することがかなり重要になるのである。
先攻が意識すべき事柄でもあることはここでは触れないが、このことから、後手3ターン目でブラザーズがあるという、盤面のジャバキッドを盤面リソースとしてだけでなく、盾を詰める最低限の役割を果たしたうえでブラザーズのドロー、次のターンの相手の盾殴りのけん制などの果たしてほしい役割を最も引き出せる盤面でそれをしないことが明確なプレイングミスであることは理解してもらえたと思っている。これは2コストのクリーチャーがハンマーでも同じだし、場合によってはエボリューターでも殴った方がいいことすらある。後攻は1枚をいかにして2枚ないし3枚分の役割に変換するかにすべてがかかっている。将棋で言う一歩の重みを重視できることこそが、青単の出力を最大限に引き出し、ひいては後攻を捲ることに繋がるのである。そして、それを実現するためには、いち早く盾を詰めて役割を遂行し、相手に要求を押し付けるしかないのである。

 まとめると、相手の最大値を切りながら、ある程度の強い動きは許容していち早く盾を詰める意識を持つことが青単ミラーで後攻を捲るうえで最も重要であると考える。


2.ブラザーズをケアした方がいい盤面、しない方がいい盤面
前章で盾を詰めることの重要性について口を酸っぱくして述べたが、青単ミラーにおいて盾を詰める明確な裏目として、ブラザーズによる踏み倒しが存在する。最近では青単のプレイの開拓が進み、殴り方を工夫してブラザーズをケアするという考え方が浸透してきており、その効果もあってかケアされるブラザーズを不採用とし、ハルカスのパワーラインと確実なドローを重く見た構築も散見されるようになった。しかし、とはいえブラザーズの強さは健在であり、一回踏み倒し効果が起動すると継続的に効果が発動できる特性から捲り札としても不可能を可能にするカードとしても無視できないものである。本章では、ブラザーズの強みと弱みを考察したうえで、相手のブラザーズをケアした方がいい場面と、ケアせずに盾を詰め切った方がいい場面を考察するものとする。

まずはブラザーズというカードに対しての理解を深めるため、その強みと弱みについて考察する。世間でブラザーズについて意見が交わされるとき、主に着目されるのは手札7枚以上で発動する踏み倒し効果だが、真に強力なのはターン終了時のドロー効果である。このデッキはジャバジャックの効果のイメージが強いために手札が潤沢であると考える人も多いと考えるが、実際のところ4ターン目が来るまでの手札はそこまで余裕があるわけではなく、初手の時点である程度のプランを立て切っていないと回らないことがしばしばあるのが実情である。つまり、突然のハンデスや相手の予想外の動きに脆く、思ったよりも理想的な動きは通らないのである。それを解消するのがブラザーズである。盤面に残る継続的なリソースカードの強さは皆さん怒り心頭しているであろうメイ様が証明しているが、実はブラザーズはその類のカードである。出したターンに1ドロー、次のターンには最低2ドロー、進化獣が絡めば3ドローを見込める。これは3コストで得られるリソース量としては破格であり、自身の踏み倒し効果との噛みあいも抜群である。ジャバジャックが引けていない青単が弱いという人間は、おそらくこのカードのリソースがジャバジャックの代わりになり得るほど凶悪なものであることを理解できていないのではないかと私は推察している。ジャバジャックからブラザーズを引くのであり、ブラザーズからジャバジャックを引くのである。青単というデッキの柔軟性はブラザーズによって成り立っている。

逆に弱みを考えてみよう。一つは巷でも問題視されているパワーラインである。これは明確な弱点になり得、相手のとりあえずファンクを出しておく行動を肯定する一つの要因にもなっている。2000ラインに上から踏まれるかつ盤面に維持したいクリーチャーであるために、ミラーにおいて積極的に打点として運用するのが難しいということもデメリットとして挙げられなくはない。もう一つは踏み倒し効果の条件の厳しさである。手札7枚以上という条件は、いくら一気に手札を抱えに行ける青単といえど達成できる場面が限られており、ことさらミラーにおいてはその効果を警戒し、相手の手札が6枚以下になるようケアしながら殴るプレイが一般的なものとして認知されている。ミラーで踏み倒し効果を使える場面は確かにほとんど訪れないだろう。

これらは一般的に周知された弱点であろうが、ミラーにおいてのみ、ブラザーズというカードにはもう一つの弱点が生まれる。それは、バウンスされた返しのターンにブラザーズを召喚することから展開を始めたとして、それが逆転に直結しない盤面を対面が狙って構築することが可能なことである。要は、ブラザーズの踏み倒し効果を使われたとしても次の自分のターンが返ってきたときに勝ち切れればいいのである。ブラザーズの最大出力は盤面に残ってターンが回ってきたときに進化獣2体展開による一挙4打点の形成である。逆に言えばブラザーズを召喚してから踏み倒し効果を使う場合、このターン既に3マナ払っているため、ミラーにおいてブラザーズを有効に使いたい4・5ターン目には残り1・2マナしか使えないため、ブラザーズを絡めた展開とそうでない展開ではブラザーズを召喚したターンにおいてのみ実質的な盤面干渉能力が変わらないことがあるのである。もちろんその余ったマナでガードをくっつけられたり、殴れるクリーチャーを展開されたりするのは厄介ではあるが、返しのターンに勝てば問題ないのである。

 これらを踏まえると、ブラザーズをケアする基準は、次の相手のターンに自分がリーサルを取られず、その返しのターンに自分が勝てるかどうかであると言えるだろう。ブラザーズの真価は、盤面に残ってターンが帰ってきたときにこそ発揮されるものである。ブラザーズの効果が使われた場合の相手の展開にはどのようなものがあるか、またケアした盤面とケアせずに展開されるが盾を詰めている盤面、どちらの方がより勝ちに近いかを冷静に吟味し、それに応じて素早く展開を読み切るスキルが必要になるのである。

3.全体的なプレイ方針・何をケアするか、何を割り切るか

本項では、これまでの内容も踏まえながら、ミラーの全体的なプレイ方針を考察する。
まずは、最初の1、2点でのトリガーサーファーは切った展開をすることである。青単というデッキはあくまでもビートダウンであり、盾を詰めなければ勝つことはできない。そのうえで、トリガーケアが出来てしまう性質上ミラーでも打点をため切って勝とうとするプレイヤーは少なくないだろう。だが、基本的にはすべてのトリガーをケアできるほど圧倒的な展開になることはほとんどなく、溜めたとしても結局は相手の盾に埋まっていないことを祈りながら殴る展開になることが常である。それならば、勇気を持って序盤に盾を刻み、多少のリソースを与えることと引き換えに後半の確実な勝利を勝ち取りに行く方がより勝利に近いプレイになる。

次に、盤面の取り合いを必要最低限に抑える意識を持つことである。「1.後攻を捲るために必要な考え方」で触れた通り、盤面を綺麗にとり切ることは難しく、リソースを抱えられていれば盤面処理の後に横展開されて苦しくなるパターンは多い。盤面を取り切ることを目的としたプレイは勝ちにつながらない場面の方が多いのである。これは先攻をとった場合でも同じことが言え、後攻側がリスクを負って盾を詰めてきたのに呼応して一旦盤面を捌く方向に回れば、押し付ける権利を相手に渡してしまうことと同義である。後手勝率は50%出せれば上出来だろうが、先攻をとれたのであれば、筆者の理想としては85%くらいの勝率を出したい。それを達成するには、負けないために必要な最低限の盤面処理を行い、勝つために必要な分盾を詰める、ある意味2つの方向性を抱えながら試合を組み立てる必要があるのである。相手から飛んでくる除去と即時打点の枚数をどこまで想定できるかがこのデッキの出力を左右する。

最後に、初手の時点で、山上から引けるカードも考察に加えながら勝ち筋をある程度はっきりさせておくことである。私が青単で勝てる時には、手札のカードだけでなく、これから引けるであろうまだ見ぬパーツを想像し、それに必要ないカードをうまく切りながら戦えていることが多いと感じている。あくまで感覚の話が根拠になっているために信ぴょう性には欠けるかもしれないが、そこは私の実績に免じて勘弁してほしい。青単は見られる山の枚数が多いデッキである関係上、まだ引けていないカードを考慮に入れてプランを組み立てることにいくばくかの正当性があり、やむなくマナに埋めたカードを上から引き直せることも多い。相手の動きだけでなく、自分のデッキとの対話の必要性の占める割合がかなり大きいのもこのデッキの特徴の一つと言えるのではないだろうか。そのうえで、ある程度中盤に差し掛かったタイミングで勝ち筋を探し切り、それに対してジョーカーになり得る相手の動きを、その要求値の高さ順に切り捨てていきながら立ち回っていく。直近の試合で切り捨てた動きを通されて負けたとしても、確率的に分のいい勝負をし続けている限りある程度の勝率は担保され、結果的に高い勝率を出すことに繋がる。ビートデッキの常であるが、青単というデッキはリスクリターンの管理のうまさがそのまま勝敗に直結する。自分の動きの裏目を考えることは当然として、その裏目はどのくらいの頻度で発生するのか、裏目の中でもどれが一番致命的なのか、裏目の行動をとられたとしてそれに対する切り返しはあるのかなどを、自分の思い描いた勝ち筋にあてはめながら、堅実に確率的に正しい選択をとり続けることこそ、青単で勝てるようになる一番の近道である。


MRC対面 呪文型五分〜微有利、クリーチャー型不利〜五分(まどろみ執筆)


リキピ側の立ち回りが真逆になるので2つの型で分けて説明する。

・呪文型
これはゴーゴンシャックを出せればかなり有利になる。なぜなら呪文型はMRCに繋げる動きを呪文に依存しており、最軽量の呪文が3コストのチャージャーなので、後手からでも3ターン目にゴーゴンシャックを出せれば数ターンの猶予を取れる。その猶予を使ってジャバジャックを3体並べると、ブロッカーのいない呪文型で対処できない無敵艦隊を作れるので、シャック+ジャバジャック3体で安全なリーサルを作れてしまう。また、シャックを引けなかった場合もトリガーでスクラッパーを踏まなければリーサルが間に合う。呪文型は3tチャージャー→4t,5tヴォルグ→6tでMRCを着地させるので、5ターンでリーサルまで辿り着けるリキピ側はトリガーでやたら除去されなければ間に合わせられる。よって、そもそもトリガーが薄ければ勝ち、そうでない場合もシャック遅延で拾えると考えると五分〜微有利の相性となる。

一方的な有利にならないのはスクラッパーを4割程度で踏みうること、シャックを引けなければミカドホール+ヴォルグなどでMRCが間に合いうること、シャックもヤミノオーダーで返されうることが要因である。

・クリーチャー型
ターンが経過するほど墓地を肥やせるクリーチャーを場に置きながらこちらの盤面をさばき、こちらの墓地をも増やしてMRCを軽減してくるので、遅延+ジャバジャックによるリーサルが効かない。そもそもその墓地肥やしがブロッカーでもあるのでジャバジャックを並べたところで安全なリーサルにならない。したがってトリガーを踏むことはほとんど許されず、五分以下になる。
リキピ側はパラディンやヴィルヴィスで相手の墓地肥やしクリーチャーを退かしながら盾を詰めてMRC着地前に強引なリーサルを通すしかなく、厳しいトリガー条件になる。それでもスクラッパーさえなければデスゲートは効きにくい(横になっているパラディンは取られない)などの理由があり完全な不利とはならないが、苦しい対面であることに変わりはない。

プレイング方針
・呪文型
先後より手札の状況でプレイが変わる。良い手札なら相手のハンデスやトリガーをケアするように動き、そうでないなら悪さにしたがって徐々にケアする範囲を狭くしていく。
理想的な手札はシャックとエリート+ジャバジャックを抱えている場合だ。この場合、シャック→エリート+ジャバジャック→シャック、エリート+ジャバジャックのように、シャックで呪文を止めながらジャバジャックを3体並べることを目指す(トリガーのケア)。ハンデスでシャックを抜かれたくないのと、エリートが進化元になるのとで2コスのリキピは出さない(ハンデスのケア)。ジャバキッドでシャックを落とすのすらケアする可能性がある。

手札にシャックとジャバジャックはあるがエリートがない場合、2コス以下のリキピを出さなければジャバジャックは出せない。ジャバジャックを出してトリガーをケアするためにハンデスを割り切らなくてはならない。
エリートもジャバジャックもなくシャックのみの場合、ジャバジャックを並べきれない可能性が高いのでトリガーはケアできなくなる。よってハンデスのみをケアし2ターン目のリキピはジャバキッド以外出さず、シャック含む数打点を並べてジャバジャック到着を待たず殴りに行く。これでスクラッパーさえ踏まなければ勝てる。
手札にシャックがない場合、早期に殴り切るしかなくなる。ゆえに2ターン目からリキピを出して殴るしかなく、トリガーもハンデスもケアできない。こうなるとデスゲートもきつい。単純にMRCが間に合うこともありかなり苦しいが、とにかく殴る他ない。

・クリーチャー型
クリーチャーで墓地を肥やしてくるのでシャックによる遅延が効かない。したがって早々に殴り切るしかなく、そのためには2コスのリキピも出さなくてはならないし盾を可能な限り割らなくてはならない。ゆえにハンデスもトリガーもこちらのプレイでケアすることは難しい。まずこれを念頭に置く。
その上でどう相手のMRC着地に間に合わせるか考える。2枚以上のトリガーと相手の上振れを全て割り切る前提で、どうやって盾を詰めリーサルに持ち込むかを考える。
そうすると、パラディンやヴィルヴィスでベリアルワームやホネンビーを退かしながら盾を殴り続けるのが最も有効になる。ベリアルを退かして時間を稼ぎ、エリート即進化で強引なリーサルを作る。その進化即攻撃の手札を蓄えるためにジャバジャックをプレイするし、なんなら3ターン目はシャックではなくブラザーズをプレイする可能性も大いにある。

トリガーもハンデスも諦めて勝ちから逆算した立ち回りを心がける。相手の下振れを拾いに行く立ち回りに近い。

5.最後に
青単はリソース管理やリスクリターンを考えてプレイする、基本の難しさを詰め込んだデッキです。
再現性も高くプレイングで大きく勝率の変わる面白いデッキなので、20弾でも活躍できることを願っています。




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