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【NDレート1716-最終5位】シータモルトtスパーク【DMPP-22弾環境】



【はじめに】


本記事は私が前期使っていたデッキの紹介記事です。書き殴りのメモにいくばくか加筆した状態なので読みにくいかと思いますが、自分の使っていたデッキの記録として残したい所存です。



最終的なリスト


レート1716-最終5位

【構築経緯】


構築の始点

ブースト→リュウセイホール→サイクリカで打点を増やしながらリソースを稼ぐ動きには環境に依らない絶対的な強さがあると考え、これを軸にデッキを組むことにした。
ブースト+サイクリカを軸にする場合、ホワグリとスパークの計6-7枚を採用するだけでビートダウン相手に安全な詰めを行える他、多くの対面でスパークからのカウンターも狙うことが出来るようになる。そこで、ブースト+サイクリカの軸にホワグリとスパークを採用した24枚を基盤とし、残りの16枚を試行錯誤することとした。

大地サイクリカの基盤でもある

上の基盤には直接ゲームを決めるカード、いわゆるフィニッシャーが入っていない。また、上の基盤には最低限のカードしか入っていないので、初動や中盤の動きも増やす必要がある。ゆえに残り16枚に初動、中盤、勝つための仕組みをすべて押し込まなければならない。
しかしこの「勝つための仕組み」は意外と枚数を食う。刃鬼であれば刃鬼本体で1-2枚、刃鬼から出すハンター6枚程度で8-9枚を使う。ヴィルヘルム+ゼニスのパッケージ(いわゆる5c大地サイクリカの方向性)を入れればヴィルヘルムのための黒マナも必要になる上にゼニスが色マナとして弱いという矛盾を抱える。
また、ゼニスは単体で完結しているように見えるがゼニスは活躍するための場作りが大切で、1枚で勝てるカードではない。この例としてはウェディングがわかりやすい。ウェディングは他のカードでコントロールした盤面に出さないと逆に殴り切られるかプリンで止められているうちに盤面を返されてしまう。他にも、ローゼスなどはローゼス自身に詰め切る仕組みがないので単体では相手のトリガーをケアしきれない。

したがって、序盤から安定した動きを確保しながら「勝つための仕組み」を組み込むためには、「勝つための仕組み」の枠をなるべく圧縮することが肝要になる。
そこで、リュウセイホール→サイクリカで打点が並ぶことに着目してフィニッシャーを考えた。

大地ナーフ前は鬼丸覇+ナンバーナインを採用し、並んだ打点を利用してリーサルに行けるようにした。リュウセイホールで出した勝利リュウセイやらバゴーンパンツァーやらのクリーチャーで盾を2枚割っておけば鬼丸覇は単体で勝ちにいけるフィニッシャーになり、ナンバーナインはトリガーをケアできるので打点を並べてから押し切る展開を作りやすい。デッキ枠2枚+母なる大地で活用できるフィニッシャーとしてデッキ枠の圧縮に成功した。



大地ナーフ前、序盤だが瞬間4位達成
GILLループがフィニッシャーの圧縮になっている


ADで使用、こちらもやや序盤元気できた
サファイアは強い


しかし、これらのデッキは大地を無限回使える前提で組まれている。大地をサイクリカで使い回せなければフィニッシャーの呼び出しが難しくなり使いづらい。ゆえに大地が有限となったナーフ後に使えるデッキではない。
その流れで考えついたのがグレンモルトだ。場に1打点さえあれば龍解で大型クリーチャーを場に出すことができ、さらに単体でもガイアール装備で除去として活躍できるので腐りにくい。
また、リュウセイホール→サイクリカと順調にいけば勝利リュウセイ、サイクリカ、バゴパンなどで場にWブレイカーが3体並ぶ。ここでグレンモルトを出せれば6打点で、龍解を加味すると非常に厳しいトリガー条件を相手に強いることができる。
つまり、実質的にフィニッシャーをグレンモルト4枚に圧縮できるということだ。このあとデッキとしてはグレンモルトに寄せていくことになるので当初のホワグリを軸とした耐久カウンターデッキとは離れていくことにはなるが、以上が今回のシータモルトtスパークを考察するに至った経緯である。

グレンモルトデッキとしての調整

ここまででデッキの方向性が定まったので残りを調整していく。フィニッシャーはとりあえずグレンモルトとして、そうすると初動枠は青銅の鎧、中盤はホール呪文かプロメテウスが自然に思いつく範疇だろう。このうち、シータモルトというデッキのチャブルばら撒きが対ビッグマナに強く、またサイクリカでの呪文使い回しにも対応しているということでこれを採用。特にサイクリカに繋がりやすいフェアリーホールを採用した。
こうなるとモルトで殴ってスパークで返す動きが一つの強い動きとして確立される。そこで、スパークからのカウンターとして打点をかさ増しできるエクスを採用した。エクスの採用により、最初のモルトが2点でトリガーを踏んでしまって龍解に失敗してもエクス+グレンモルトで盾3枚からリーサルにいけるようになり、グレンモルトデッキとしての強度が上がった。


最速モルトで勝てるように初動多め
カウンターのためにスパークも多め


問題点

このリストではいくつかの問題点があった。
①フェアリーホールが強くない
➁青マナが少ない
③フレア、エクスが濁っている
④ホワグリで受ける展開を作るのが難しい

順に説明する。
①フェアリーホールが強くない
フェアリーホールがやや使いにくく、デッキと噛み合っていなかった。フェアリーホールから出せるクリーチャーが少ないのでサイクリカで使いまわしたときのバリューが低いだけでなく、フェアリーホールを複数枚引いたときに腐ってしまう。

➁青マナが少ない
青が吸い込む4リュウセイホール4サイクリカ3の11枚なのでそもそも4-5ターン目に埋まらないことも多い。そのうえ上の強いカード11枚のうち少なくとも1枚は置かなければならない。強いて言えばサイクリカの3枚目は置けるが、青のカードがそれぞれ替えが効かないのでマナに置きたくない。そもそも赤マナも多くない本デッキでは4ターン目にリュウセイホールを唱えるのがかなり難しい。

③多色が濁りがち
多色濁り問題について、リュウセイホールとホワグリを極力マナに置きたくないがゆえにトップで多色を引いたときに困ってしまう。フレア、エクスはプレイしにくいので特に腐りがちだ。

④ホワグリによる受けは素の受けトリガー12枚程度とシャワーなどリソース管理できるカードが多く入って初めて成立するのだと気付かされた。ホワグリがそもそも引けない上、引けても埋めるべきトリガーがなかったりカウンター手段がなかったりする。

これらに加え➁③複合の課題として、青マナが足りないにも関わらず多色は増やせないという問題がある。それにフェアリーホールが余っているからといって減らせばリュウセイホールを都合よく唱えなければならずデッキの構造上の欠陥となる。

この諸問題を解決すべくデッキを調整した。
まず多めだった緑マナを減らし、青単色マナを採用することにした
緑マナとして、初動とフェアリーホールがどちらも余り気味であったため減らした。フェアリーホールを減らすのは上で述べた弊害があるが、後述のエナジーホール採用で解決を図った。
初動枠は青銅を減らすことにした。序盤で青銅を2枚以上引いても片方は腐りがちだが、ジャスミンは余ったマナで打点としてプレイできるので腐りにくい。盾から踏ませたいフェアリーライフは減らせないので、消去法で青銅を減らした。これにより最速モルトは難しくなったがそもそも最速モルトで雑に勝てる試合も少ないので妥協できた。
次に青で採用できそうなカードを探した。NDの青単色を調べたところ、このデッキに合いそうな候補はエナジーホール、ガロウズホール、アクアサーファーの3枚だった。このうち、フェアリーホールの代替カードとして、チャブルをばらまけてリソース切れも防げるエナジーホールを高く評価し、採用した。当初はエナジーホールを3枚採用したが、刃鬼のダイハードやGイズモ相手など盤面に直接触れるカードが吸い込むしかないせいで苦しい展開になる試合が多かったので、エナジーホールの3枚目はガロウズホールかサーファーにした。ガロウズホールとサーファーはどちらも一長一短だが、シュゲモルトの増加に伴い最終的にはサーファーを採用した。

エナジーホールは今回の次元で出せるクリーチャーが強く、手札でダブっても腐りにくかった。また、エナジーホールで勝利リュウセイ→フェアリーホールでチャブル2枚、やエナジーホールでチャブル2枚→グレンモルト、など他のカードとの噛み合いもよく、エナジーホールの採用でこのデッキは大きく飛躍したと言える。
エナジーホールが強かったことからサイクリカを1枚減らした。エナジーホール→なんらかのホール呪文→グレンモルトという動きが強力であったこと、エナジーホールからサイクリカを繋げるには時間がかかってしまうことなどから、もはやサイクリカは勝ち筋に必須のカードではなくなった。コントロール相手のリソース役、ホール呪文の使い回しによるオレドラゴン完成の補佐など、主に遅い相手や受けの硬いデッキを突破するためのカードとして役割を変えて採用することになった。

エナジーホールの採用はデッキ構造上の問題全てを解決した。フェアリーホールを減らしてもデッキが成り立つ上にフェアリーホールを最後の勝利ガイアールのために温存できるようになった。リュウセイホールとの役割分散ができるので青マナとして両者とも置きやすくなった。エナジーホール一枚から手札を減らさずクリーチャーを並べられるので後半に引いても腐らず、モルトを走らせる準備が一枚で完結する。
また、エナジーホール含むホール呪文8枚体制によりビートデッキの色が濃くなったので、ホワグリを受けに必須のカードとしてではなくこちらよりキルターンの速いビート相手に1ターン稼いでこちらが勝つ算段をつけるための捲り札と認識することにした。
当初は大地サイクリカのフィニッシャーにモルトを採用するような経緯でデッキを組んだので気が付いていなかったが、しばらく使い込んでリストを眺めてシータモルトにスパークをタッチした形になっていることに気が付いた。これによりデッキの認識が変わり、大地サイクリカのような受け→カウンターというデッキとして考えていたのがモルトでまず殴る→止められたらスパークでカウンター、というビートデッキとしての認識に改まり、プレイングが洗練された。
この認知とプレイングの変更により、ビートダウンへの勝率は大きく改善した。特に一般的なシータモルトがやや苦手とする墓地ソース、シュゲモルトに一定の勝率が出せるようになった。

エナジーホールの採用はフレアが濁る問題を解決できなかったのでそこは別途考えた。毎試合必ず使う赤マナを優先することにすると、赤単色マナが必要である。しかしフレアを減らして受けを弱くしては本末転倒なので赤単色の受け札を用意したい。これらの要請からダイハードを1枚採用することにした。ダイハードは1枚で完結する受け札であり、苦手とするシュゲモルトが退かしにくく刺さるカードである。また、ダイハード採用前はエメラルで埋められた祝門やカツドン破でほぼ負けまで追い込まれていたが、ダイハードはその詰みを解消してくれる。
デッキの弱点を補完しながらコンセプトと違わない、優秀なカードとして最後の1ピースになった。

こうしてできたデッキが以下のリストである。


記事冒頭のリスト


勝利リュウセイで雑に2点殴るなど勝ちまでの殴り方のプランニングがやや独特だったり、手札管理がやや難しいデッキではあるが、苦手が少なく事故からも捲りようのある良いデッキが組めたと思う。

元素人格論的解説

以上の考察は元素人格論によって簡潔に説明される。

デッキ構築は序盤を支える適当な元素と人格、中盤にアドバンテージを稼ぐ元素や元素人格、そしてフィニッシャーとなる生命のの3要素で構成される。
ビッグマナは元素的で、フェアリーライフや青銅の鎧(元素)→リュウセイホール、サイクリカ、ヴィルヘルム、ホワグリ(元素人格)→鬼丸覇、ウェディング(生命)という構成である。ハンデスコントロールなどはやや人格的で、ゴーストタッチ、陰謀と計略の手(人格)→コアクマンのおつかい(元素)→Gイズモ(生命)のようになる。
このとき、生命は単体で勝ちにいけるゆえにデッキの枠を取らない。したがってデッキの基盤となる元素人格を定めた後はフィニッシャーとなる生命を選び、そこから逆算して元素や人格を用意してデッキを調整すればよい。
一般にここで選ぶ生命がコントロールのカードであればデッキには元素人格が必要になり、ビートのカードであれば元素が必要になる。
ホワグリ・リュウセイホール・サイクリカを基盤とする場合、生命としてゼニスを採用するならヴィルヘルムなど補佐的な元素人格が必要になり、グレンモルトを採用するならより元素的なホール呪文が必要になる。

今回の白モルトの場合、基盤の元素人格をホワグリ・リュウセイホール・サイクリカとし、フィニッシャーの生命をグレンモルトとした。そして、ビート寄りになるのでデッキ全体を元素寄りに固めるアプローチをして次のリストになった。

これでは人格が足りないので、ドローしながら汎用的な人格カードである勝利リュウセイを呼び出せる元素人格としてのエナジーホールと、バウンスが出来る人格としてガロウズホールおよびアクアサーファーを採用した。
また、フレアが濁るゆえに変えなければならないが、人格であるスパークの枠は人格で置換しなければならないので、赤単色で同じ動きをする人格であるダイハードを採用し構築が完成した。

このように、元素人格論はデッキ構造を俯瞰的に捉え記述することが出来る。これに着目した理論が元素人格的圏論(GJ category theory)で、上のフレア⇆ダイハードの枠を人格として捉える考え方は、個別のカードから元素人格以外の要素を抜き出す(忘れる)ことで同一視する関手(忘却関手)の考えに基づいている。
元素人格的圏論については割愛するが、元素人格論基礎論として最先端の研究であり、今後多くの元素人格論者が参入することが見込まれている。
興味のある方にはベーシック元素人格論(本体3,700円+税)の購入をお勧めする。

【各カード解説】


主に採用枚数とその考察を書いていく。

初動枠-計11枚


フェアリーライフ、ジャスミン各4枚、青銅の鎧3枚
初動枠の選定はモルトデッキにとって非常に重要である。一般には最速モルトの確率を上げるために12枚以上取る。
また内訳としても、2コスブーストを抑えて打点となる青銅の鎧を採用することもある。
今回、2コス8枚青銅3枚という、やや少ない枚数で青銅も少なめにした理由を説明する。

まず、初動多めのメリットとしては、
・最速モルトがしやすい
・初動が引けない事故が減る
・場に打点を並べやすい(青銅を増やす利点)
等が挙げられる。
反対にデメリット としては、
・後半に弱いカードを多くいれることになる
→最速モルトが失敗した/返された場合に立て直しにくい、デッキトップが弱いという事故が起きる
複数枚引くとかさばる(青銅多めのデメリット)
後手ブロンズスタートでは先行勝利リュウセイで苦しくなる
等が挙げられる。

このデッキは初動さえ引ければ勝てるほど強い動きがあるデッキ(例:アガサ天門)ではなく、またブーストを繰り返してマナを大きく伸ばすデッキ(例:シータ刃鬼)でもないので初動を過剰に取る必要はないと判断した。実際、当初は初動12枚で回していたが初動を引けて勝てた試合より後半で腐らせる試合のほうが多かった。
ゆえに初動枚数は最低限にしたいが、逆にモルトは初動を引けなくてもリカバリーの利くデッキ(例:大地サイクリカ)ではない。トリーヴァ基盤の大地サイクリカは初動が引けずともトリガーや後半の強さで捲れるから初動が少なくても成立しているが、相手の準備が終わる前に殴り切ることを目指すモルトではそうもいかない。そこで多すぎず少なすぎない、10-11枚が初動枚数として適切だろうと考えられる。その上で、最速モルトが強いことを加味すれば初動は11枚が必要十分だろう。モルトにしては強気の少なさであるが、初動を引けない分をホワグリと盾スパークで捲れるこのデッキでは11枚が適当な枚数だった。
内訳としては、青銅スタートが(特に後手で)強くなかったので2コスブーストを優先した。余ったマナで打点として立てられるジャスミン、盾から踏ませたいフェアリーライフは4枚ずつ入れ、残りを打点となる青銅とした。
この内訳なら序盤に引きすぎても最速モルトを狙ったりジャスミンを縦置きしたりして腐らせずにプレイできる。

吸い込む-4枚

モルトデッキの吸い込むは4枚必須だと考えている。ブースト→ホール呪文→グレンモルトという動きを円滑に実現するために吸い込むをサーチで使うからだ。サーチで使いたいのでバウンスと青マナとしても使うことを考えると4枚なければ足りないだろう。
また、モルトはパワーの高いブロッカーがいると龍解が難しい、できても勝てないという問題がある。そこで吸い込むを使ってこじ開ける必要がある。そもそも汎用的に強い受けトリガーにもなるカードを減らすのはデッキの強さを損ねているだろう。

元素人格論的に言えば、元素人格である吸い込むはカードパワーが高いので4枚採用したい上、元素部分も人格部分も替えが利かないので減らすべきではない、という説明になる。

ホール呪文-計9枚


エナジーホール2、フェアリーホール2、リュウセイホール4の計8枚+ホワグリ1枚
色マナとして強く、ブースト勝利リュウセイ→サイクリカの動きが出来る汎用最強カードとしてリュウセイホールは4枚。アンタッチャブルばらまきが強く、これができるホール呪文を多く採用したいのでエナジーホールとフェアリーホールを合わせて4枚採用。前述の通りフェアリーホールは出せるクリーチャーの種類が少なく複数枚は使いづらいので2、エナジーホールは3枚でも良いが3枚目を使う機会が少なく、その分バウンスやその他のカードに枠を回したいことが多かったので2枚とした。
モルトはホール呪文を引けないと貧弱な動きになりがちだが、サイクリカで複数回撃てることからあまり多く入れたいカードでもなく、また8枚で極端に足りないと感じることは少なかった。
オレドラゴンでフィニッシュすることも多いのでホール呪文はオレドラゴンにつなげるよう多く採用したいが、サイクリカで使い回せるので上の8枚で事足りた。また同じチャブルばらまきができるカードとしてボルシャックホールがあるが、4,5ターン目にボルシャックホールを撃って強い対面(白単、青単など)が少なかったのでリソースを取れるカードを優先した。
ホワグリは元々デッキコンセプトであったが、ビートダウンに切り替えたので一見必要ないカードでもある。しかし、熟慮の結果、ホワグリはシータモルトのタッチスパークを正当化する繋ぎ目として重要な役割を持つカードとして必須だった。
トリガーを増やせば初動やホール呪文は削らなくてはならず、その分事故が増える。また、そうでなくとも、どんなデッキも必ず初動事故を起こす試合は少なからずある。ホワグリは事故を起こしてもスパーク埋めでターンを稼ぎながらカウンターするためのカード、つまり事故からの捲り札として唯一無二の役割を持っていたので外せなかった。この枠は変えるとしたらスパークの6枚目か初動の12枚目かホール呪文の9枚目なのだが、受けとしても使える・事故の対策になる・アンタッチャブルを一枚出せるので最低限打点を生成するホール呪文として使える、といった具合に高すぎる汎用性があり、変えないほうがデッキとして強くなるので変えなかった。

グレンモルト-4枚

デッキコンセプトなので4枚…と簡単には終わらせず深堀りする。まずグレンモルトはフィニッシャーとして採用しているのでグレンモルトなしで勝てるならグレンモルトは要らない。また、オレドラゴンもチャブルも使いたい関係で次元が圧迫されておりガイハートが1枚しか採用できない(ガイアールは白単対面などで必須なのでガイハート2枚-ガイアール0にはできない)のでグレンモルトを複数枚引いても強くない。
それらの事情を考慮したうえで尚グレンモルトは4枚必要だった。後半のSAになり、ガイアール装備で除去として使えるので手札で腐ることも少なく、なにより攻守の要となるグレンモルトを素で引く確率はなるべく上げたい。色マナとしても使うので4枚採用。
逆にグレンモルト4枚さえあれば打点はリュウセイホールやエクスの工夫次第で足りたのでグレンリベットなど追加の打点は不採用とした。

スパーク系-計5枚


DNA4枚フレア1枚
スパークは、本当は6-7枚入れたいカードである。しかしスパーク6で回すと色マナもしくは多色が必ず問題になるのでしぶしぶ減らした。
DNAスパークは盾が1枚増えるのでカウンターの動きとして強い。濁りを増やしたくないこともありDNAは4枚採用。
しかしスパーク系はもっと枚数が必要となる。スパークは多めに入れないとホワグリで埋められなくなるからだ。ホワグリを唱えるための白マナで1枚、埋めるためのスパーク1枚が最低でも必要てあり、またDNAは吸い込むでサーチしづらいゆえに素引きしていなくてはならない。埋めるためのスパークを手札に抱えるのが意外と大変なので、吸い込むで拾いやすいフレアを1枚増やした。当初は2枚だったが繰り返しているように濁りが大敵なので1枚減らした。
リキピなどスパークからのカウンターが見込まれるビート相手はサイクリカでDNAを使いたわして盾を増やすという戦法がある。グレンモルトは盤面に干渉する力が高く、相手を寝かせてトンカチするような使い方も頻繁に行った。

サイクリカ-2枚


主にリソース勝負を担当する。ビートダウン、特に中速のデッキはハンデスやコントロール相手にいかにリソースを抱えられるかがカギとなり、サイクリカはこれ一枚でそれらを破壊できるほど強力である。
また白単や青白天門などオレドラゴンが強い場面は多々あり、そうなるとホール呪文を繰り返し使えるサイクリカは覚醒リンクに重宝する。
サイクリカには呪文回収の側面があるので、ホワグリやホール呪文の使い回しはもちろんスパークや吸い込むを墓地から回収したいときも使う。
グレンモルトはその手前のカード、すなわち5コストまでのカードの価値が高いので7コストのサイクリカはその3枚以上は入れにくい。しかし祝門対面など必要な試合も多いので1枚では足りず、間の2枚採用とした。無作為にマナに落ちることを考えると3枚欲しかったが他のカードのほうが重要だと感じた。

エクス-3枚


スパークからのカウンターや追加打点として優秀で、横に打点がなければ龍解できないモルトとは特に相性の良いカードである。相性の良さを考えれば4枚必須としてもおかしくないが、多色であり序盤で腐りやすいのを鑑みて3枚が適当だと判断した。
墓地ソースにGTを出された場合など、エクスでしか打開できない場面が頻発するので3枚ではやや足りない気もする。しかしそれ以上に濁りで負ける試合が多く、また1ターンに重複して出すことが少なかったので3枚とした。
エクスを減らし、勝利リュウセイなどでモルト前に盾を殴っておくことで打点不足を解消することにした。

自由枠-2枚


今回はダイハード、サーファー
候補は大地、ガロウズホール、エナジーボール3枚目、初動12枚目など

ここまででデッキとしては完成しているので残り2枚は環境や好みで変わる。自分はデッキの最大値を上げられるように独特の動きができるカードを1-2枚入れるのが強い、すなわち1-2枚を安定に回すよりデッキパワーを上げにいったほうが勝てる試合が多くなると考えている。
したがって今回は受けデッキへのメタとしても機能するダイハードと、バウンスでダイハードやイズモGを退かせるトリガー枠であるサーファーを採用した。シーズン後半にビートデッキが多くなったのでサーファーを採用したが、元々はガロウズホールを採用していた。ガロウズホールの方が永遠やダイハードに強いほかGTを出されても困らなくなる優秀なカードであったが、あまりにビートに負けたので渋々トリガー枠に変更した。

次元枠

ばらまき用のアンタッチャブル2枚、モルトを使う上で最低限となるガイハートとガイアール1枚ずつ、オレドラゴンのための勝利セット、バゴーンパンツァーの8枚。


ガイハート2枚目について


ガイハート2枚目は不必要だと私は考えている。
まず各次元クリーチャーは汎用性が高く強いので、よほどの要請がなければ外したくない。
そこでガイハート2枚目が強い場面を考え、必要かどうかを確かめてみる。ガイハート2枚目を使う場面は、手札にモルトしかないゆえにそれらを両方ガイハート装備で1枚ずつ出して殴る場合か、場にガイギンガはいるもののSAの打点が欲しい時のおおよそ2通りだ。
ホール呪文を多めに取る構築で、グレンリベットなどガイハートを必要とするカードが他に入っていないので、上の2通りは起きにくい。
また、安定のためにホール呪文を増やすならばそれらが重複して手札に来た場合のことも考えるべきで、その意味でもガイハート2枚目より超次元クリーチャーの方が優先度は高くなる。
ガイアールはモルトの単体性能を上げるのに必須で、白単や青単相手のみならずリュウセイホールから出てきたパンツァーを処理するのにも使う汎用性の高いカードであり、ガイハート2枚目より価値が高いと考えている。

以上をまとめると枠がないということだ。他のカードの必要性が高すぎる。

【立ち回り】


一般的なシータモルトと同じく最速モルトで突っ込むか、ホール呪文で場に打点をためてからモルトを投げるか、場にある打点で殴り切るか、の大まかには三択を取る。
ガイゲンスイやシューゲイザーのように打点を増幅させるカードが少ない分、途中で1点2点刻んで擬似的に打点を伸ばすプレイングが重要になる。
特に青銅からホール呪文と繋げたターンに青銅で1点殴るプレイングは重要で、この1点がトリガー条件を大きく狭める。

また、本デッキ特有のプレイングとしてスパーク待ちがある。トリガーでモルトを返されても、相手の盾をゼロにしておいたりすることでスパークから奇跡のような逆転を狙えることが多い。盤面をコントロールされたとき、一見こちら側が大敗しているように見えても、相手がスパークをケアできない場合、意外と追い詰められているのはコントロールした側だったりするのだ。

【対面別相性】


vsビッグマナ-有利


ヴィルヘルムコントロール…有利
刃鬼…やや有利
ビッグマナはアンタッチャブルおよびガイギンガを止める術が殆ど無いので、チャブルばらまき→モルトから龍解すれば概ね勝ちとなる。
ビッグマナ相手は十分マナの貯まる前にこちらが決着をつけやすく、また上の通りトリガーも効きにくいので構造上有利となる。
このデッキは吸い込む4に加え、サーファーまたはガロウズホールを採用できるのでダイハードでも止まりにくく、刃鬼に対しても有利に戦える。しかし、最速ダンシングなどから刃鬼を間に合わせられると負けてしまうのでやや有利程度止まりとなる。

vsモルト-やや有利 


シータモルト…やや有利
ガイゲンスイ…やや有利
シュゲモルト…やや不利

スパークを含めトリガーの枚数が多いこと、ホワグリが使えることから通常の同型よりやや有利に戦える。
シュゲモルトだけは別で、ヨーデル+アヴェマリアを越えられない上に盤面を取られてしまうのでカウンターが効きにくい。スパークの枚数も互角であることから不利な対面と言える。

vsドラゴン…やや有利


勝利リュウセイで蓋をして打点を揃えればほぼリーサルが通るので、準備の早い分こちらが構造的には有利である。しかし先攻最速ロマネスクからヴィオラ→ライオネルを出されたり、エッグやキューブから不可避の死を突きつけられたり、相手のカードパワーの高さに圧倒されることも多い。
そう簡単には勝てない試合も多かったがトータルでは優に勝ち越しているのでやや有利とした。ADライゾウはロマネスクが少ない分余裕を持って戦えた。

vsリキピ…五分


ジャバジャックが出てくるか否かで大きく変わる。
ジャバジャックが早いうちに出てこない場合、こちらがリュウセイホールなどで盤面を取りながら盾を詰められるので有利に戦える。
したがって厳しいのはジャバジャックが出てくる場合なので、こちらを深く考える。
ジャバジャックを絡められた場合、手札が増やされていることもあいまって盤面をコントロールし切るのは不可能に近い。したがって、ジャバジャックを出された場合は盾にトリガーが埋まっていることを前提に盾を詰め切る必要がある。
ジャバジャックが3ターン目に出てきた場合は更に深刻で、ホワグリでスパークを埋められることを前提に考えなくてはならない。

リキピ相手は可能ならサイクリカでホワグリやDNAを使いまわして盤面をコントロールしてから殴りたいが、ジャバ+2ndでリーサルに来られやすいことを考えるとコントロールは危険である。

青白天門…五分


天門を踏んでアルファリオンが着地する前に勝負を決められるかどうかが鍵となる。一般的な青白天門はオレドラゴンへの対処がウルソフィアによるタップのみのため、グレンモルト龍解よりもオレドラゴン完成を目指す。
エメラルで埋められるより先に盾を割り切るか、オレドラゴンを作るかで理論上は有利に戦えると思ったが意外とエメラルや天門、ウルソフィアに苦しめられた。

墓地ソース…不利


キルターンが早い上にホワグリやDNAによるコントロールも効きにくく、さらにGTでモルトを封じられるのでカウンターも難しい。
さらには場の打点をキューブリックで返されるので先にリーサルを決めることすら許されず、構造上は圧倒的に不利。
墓地ソース側がうまくいかないことを祈りながら、
・理想ムーブにはトリガー複数枚前提
・やや事故り気味の場合はスパーク1枚前提
くらいで連続的に自分のトリガー条件を考えながら戦う。基本的にトリガー前提のため、場にはキューブリックでバウンスされないチャブルを出し、カウンターリーサルを狙う。
エクス、サイクリカがGTに対して安定なことを利用し、これらのカードをプレイできるよう努める。

祝門…不利


 こちらの盤面を返す術もスパークをケアする術も持ち合わせているので非常に苦しい。先に盾を割り切ってエメラルをケアしながら祝門がないことを祈るか、盾やトップのスパークなどで解決するのを狙うしかない。
祝門側がスパークの恐怖から逃れるためにアルファリオンを待つプレイングをしてくるのであれば場に打点を並べて手打ちスパークでこじ開けてリーサルを狙う。素直に殴ってきたら盾スパークからカウンターを狙う。
どちらにせよ、ある程度都合よくいった場合を想定し、勝ち筋からの逆算を考えてプレイする。
トップサイクリカ→トップエクス→トップDNA、など都合よく引くことを前提に、なるべく受けが広くなるようプレイする。



【終わりに】


ホワグリ基盤にモルトを入れる発想は大地サイクリカナーフ前に思いついて一度ボツにしていましたが、チームメイトのポッター(@pottar14)に再度提案されたのをきっかけに考察し直しました。結果的に環境に合った良いデッキを作れたので彼には大幅に感謝しています。
この22弾環境はトリガーのスパークをケアできるデッキが少なく、スパークカウンターの強い環境でした。先日のグランドマスター決定戦の決勝最終戦はあまりにドラマティックでしたが、現環境はあの試合に類する逆転劇を起こしやすいです。白の入らないデッキにスパークをタッチで入れた人は、僕がランクマやツイッターなどで確認した上では僕とボルサリーノさんだけでしたが、もっとタッチスパークが流行っても良い環境だったと思います。

23弾環境は自分がこの1年使い続けたリュウセイホールもヨーデルワイスもホワグリも勝利セットすらもない環境になるので、果たしてデュエプレを続けられるのかが心底不安です。チームメイトにも助けてもらいながら頑張りたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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