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【NDレート1754-最終2位】モルト王【DMPP-23弾環境】


はじめに

本記事はスペルサイクリカカップで使用したモルト王の解説記事です。
やたら長いので読みたい部分だけ読んでいただければ幸いです。


最終的な構築


最終レート1727、2位


最高レート1754

構築経緯

フィニッシャーをガイムソウ+モルト王の2枚、実質モルト王1枚に圧縮できるモルト王というデッキの強さに着目した。
フィニッシャーの枠が圧縮されていることから初動や受けにデッキの枠を割くことができ、その上で初動は3ターン目までに引けばよいことから、安定したデッキが作れると考えた。


一般的なモルト王のリスト

公式放送より引用
今見ると枚数配分が自分の構築と全く同じ


攻略サイトより引用

モルト王にも色々な種類があるが、ヴィルヘルム型を採用することにした。
ガイムソウでの踏み倒しからマナをためてモルト王の召喚に綺麗に繋がること、モルト王のやや苦手な盤面干渉を行える点を評価。
さて、一般的なモルト王はVANで詰むこと、最速モルト王が止められた後の返しで詰まってしまうことが課題だった。
そこで、吸い込むを入れてVANによる詰み回避を試みた他、エクスによってモルト王の龍解を助ける構築を考えた。


この構築はいくつか致命的な欠点を抱えている。

・色マナが最低限で、安定して動けるとは言い難い。火の子祭を外す確率が無視できないほど高い

・3-5と動く際、爆剣チャージャーを唱えるための単色マナが少ない。赤単色のガイムソウ、モルト王は置きにくい

・モルト王単体で突破できない盤面がかなりある。天門の大量ブロッカー、イージスブースト+ヴィオラの無限ブロック、エメラルーダ+大地による耐久などなど…

・トリガーが高々単体除去なので、赤単や速攻に押し切られてしまう

・エクスを出せる手札の余裕がない

これらの欠点を解決すべく、次のように構築を改善した。

・色マナとして弱い吸い込むを不採用とし、速攻にも強く赤単色の色マナも便利な炎獄スクラッパーを採用した。これによりビートダウンには軒並み有利がつくようになった。
吸い込む不採用に伴い薄くなったVANへの対策はグローバルナビゲーションに担ってもらうことにした。緑マナであり色マナとして腐りにくい。
また、赤マナ30枚採用により火の子祭で外す確率が1割未満になった。(計算過程は別の記事で書きます)

・爆剣チャージャーを1枚ライフプランに変更した。ライフプランは4コストなので多色を埋めながらサーチが行える。

・エクスを不採用とし、かわりにダイハードとガイグレンをフィニッシャーとして採用した。ダイハードはエメラルーダを、ガイグレンはブロッカー軍団に強く出られる。

また、はじめはトリガーがやや少なく初動が多めの構築を試していたが、結局最速モルト王の実現率が上がったとてそれだけではトリガーを踏んでおしまいであり、また初動を増やしたとて火の子祭1枚引ければ関係ない上に事故は少なからず起きることに気がついた。
そうやって試行錯誤していくうちに、「事故やモルト王失敗をトリガーで捲る」という、このデッキの本質的な強さとなる軸が確立され、最終的に以下のリストになった。


初動12、防御トリガー12、赤30緑18
理想的な配分


個別カード解説

フェアリーライフ

4枚

盾から踏ませたいのと、最初に引ければライフ→火の子祭→火の子祭×2と繋がってマナを大きく伸ばせるので4枚採用。
同じブーストトリガーのイージスブーストとは単色である点、上述の最速火の子祭ルートがあるので差別化されている。ライフとイージスブーストを分けて採用することもあり得るが、多色を増やしたくないのとビート対面の後手でライフ手打ちから間に合わせたいことからイージスブーストは不採用。

火の子祭

4枚

このデッキの基盤を支えるカード。
マナ武装という都合上デッキに赤を増やしたいこととマナをためるためにブーストのカードをたくさん採用したいこと、矛盾した2つの要素を完璧に繋いでくれる。
また、選んでマナに赤を置くことができる点もマナ武装と非常に相性が良い。火の子祭がなければモルト王のデッキは成立しない。

火の子祭を唱え続けて山札を一周させ、山にあるカードを確認してトップドローを操作するのはやや難しいが重要なテクニック。最初はこの山札管理が全くできずに困っていた。
火の子祭を唱えた際に下に行くカードを順番にメモしておくと、山札には書いた順にカードが残るという仕組みになっている。

声援

4枚

このデッキの赤緑多色は非常に重要な役割を持つ。赤のマナ武装のためには赤マナを置かなければならないが、ブーストを唱えるためには緑マナを置かなければならない。そこで、赤と緑をいっぺんに置けるカードが有ればマナ武装を達成しながらブーストできるようになるというわけだ。
声援は赤緑の多色でありながらそれ自身がブーストという、デッキの基盤を強く支えるカードである。ブーストトリガーとしても強く、一定数いた青単対面に必須のカードでもあるなど汎用性も非常に高く、4枚採用以外ありえない。
ロードリエスやプロメテウスを倒せることは覚えておくべき。特に相手のプロメテウスは無視してしまいがちだが大地のタネとして優秀なカードなので可能なら処理するべきだ。

ライフプランチャージャー、爆剣チャージャー

各1枚、計2枚

ライフプランと爆剣チャージャーが合わせて2枚しかないのは有り得ないと思うかもしれない。
しかし、ライフプランや爆剣チャージャーを使うタイミングは5→6マナに伸ばすときと手札が枯れてマナが多くある終盤のトップ勝負の時のみであることが殆どで、これらのチャージャーを複数枚抱えていて意味があるのは手札に一切のドラゴンがない場合しかない。
しかもこれらのチャージャーを複数回使っているということは出遅れているということだ。すなわちチャージャーを複数回使っているならば相手に展開を許している劣勢の場面であり、負けている。そんな場面で悠長にチャージャーを打っていてはそもそも勝っていない。
勝ちから逆算すればチャージャー1枚から必要パーツを揃えるか、盾で返せるようにトリガーを厚く積むかしたほうがよい。それに爆剣チャージャーはアンタップインを3ターン連続で埋めなければならないし、ライフプランは赤マナでないことから多数の採用は難しい。
また、チャージャーよりも現物のドラゴン(ガイグレンなど)を引いているほうが直接勝ちにつながりやすいとも考え、フィニッシャーを増やしたことからもチャージャーは減らした。
色マナバランスと役割を考え、チャージャーはライフプラン1と爆剣1に落ち着いた。

当初は4枚ほどチャージャーの枠を使っており、"安定"のためにチャージャーを減らす考えができなかった。そんなときに調整仲間の日食さんにチャージャーを減らすアドバイスをいただき、チャージャーがなくともドラゴン現物を増やせば意外と回ることに気がついた。日食さんありがとうございます。

グローバルナビゲーション

1枚

対VAN最終兵器。マナ回収と盤面干渉が同時に、しかもたった5マナで可能なことがモルト王のVAN対策として非常に噛み合っている。
具体的には15マナでナビ+モルト王が出来るので、VANを退かしながらリーサルに行ける。
なぜか防御トリガーにもなり、緑単色であることから色マナとしても吸い込むより使いやすく、また火の子祭で作為的にマナのカードを調整できることとも相性が良い。火の子祭は例えばモルト王が複数枚見えてしまっている場面でモルト王-ライフと捲れた際など、不本意ながらモルト王をマナに送らざるを得ない場面が多々ある。それら嘆きのモルト王を回収できる点もこのデッキの地味な弱点を補っている。
デッキの弱い部分を埋める見事なカードだった。

フレア

4枚

前提としてモルト王はスパークからのカウンターと相性が良い。モルト王はいかに盤面を並べられて殴られても7マナあってターンさえ返ってくればリーサルに行けるという強みがある。その上、寝かせた盤面を殴ることでトリガーに邪魔されずギガハートを龍解させることができ、ザウルピオ(ジュダイナの裏面)やガイバーンなどでコントロールできるようになる。
また、ブロッカー多面展開はモルト王だけでは返せないが、フレアでこじ開けてリーサルに行くことも出来る。
ターンを返すことは得意な全体タップとターンが返ってきたら勝つモルト王は相性が良い。おまけにフレアは単なるスパークと異なり除去も可能なのでビート対面で序盤にトリガーしてしまっても最低限の仕事ができる。
赤マナであることも相まってモルト王のデッキには必ず4枚入れるべきだ。

炎獄スクラッパー

4枚

ビート対面に盾からも手札からも使うカード。ビート対面はとにかく7マナまで耐えることが肝要で、手打ち6コストで盤面を一掃できるこのカードはビート対面の勝率を大きく上げてくれた。
青単や青白、赤単はリソースを稼ぐ力が高く、普通のデッキでスクラッパーを手打ちしても徒に耐えるだけで勝っていないことも多い。しかし、7マナで即死させるモルト王(と、相手の盤面一斉除去がフィニッシャー到着を大きく早めるMRC)だけは別。手打ちのスクラッパーが勝ちに直結するのだ。
ゆえにモルト王のスクラッパーは構造的にビートダウンを完封するカードとなる。ビートダウン全般に効く汎用性があるので4枚。
NDから構築を一切弄らずADのツヴァイ・黒緑速攻に勝てることからも汎用性の高いカードであることがわかる。
スクラッパー採用も日食さんに教えていただきました。感謝

ガイムソウ

4枚

動きの中心であり、ドラゴンの使い回しが強いので4枚。
ガイムソウは様々な場面で強く、早期踏み倒しに限らない強みがある。例えばヴィルヘルムを繰り返し出すことでマナのキーパーツを消し去る、モルト王で一旦グリージーホーン-ガイアールと着けて盤面を取ってから、手札に返ってきたモルト王に今度こそギガハートを着けて発進させる、グローバルナビゲーションやレイジクリスタルとの併用によるマナの節約など。
単体では活躍しないが役割の多いカードなので4枚が必要十分。後述するがこのカードの5枚目となる鬼修羅は要らない。

レイジクリスタル

3枚

2面取れるのが強い赤マナの汎用トリガーとして採用。4だと多色が増えすぎること、2以下だと手打ちが見込めないことから3枚が必要十分。
8+7でVANを退かしながらガイムソウ着地や、ヴィオラをバウンスしてからイージスブーストを破壊して盾送りを阻止したりと、手打ちする場面は意外とある。
黒単対面の最強トリガー。

バウンス→破壊の順であり、各効果が強制なので戻したくないジャバジャックをバウンスしてしまったり、ガイギンガに触れざるを得なかったりとなんとなく不器用なカード。

ダイハード

1枚

シールド焼却係として採用。トリーヴァや天門、UKなどモルト王だけでは詰めが難しい場面で使いたい。
このデッキは7のガイムソウから投げたモルト王でグリージーホーン+何かを着けて龍解させ、場にドラグハートクリーチャーを残す立ち回りをすることがしばしばある。そのような場面でダイハードはすこぶる活躍する。グリージーホーンのアンタップキルもガイギンガソウルの2回攻撃もダイハードで輝きを増す。
ボルメテウスブラックなど他の焼却カードとの差別化は敗北回避能力。意外とダイハードを的確に退かせるデッキは少なく、また盤面コントロールからダイハード+ザウルピオの盤面を作れればほぼ負けなくなる。
場にドラゴンがいれば出してすぐに盾を焼ける点も高評価。

ガイグレン

1枚

対天門最終兵器。天門はガイグレンさえ着地すれば勝ちor盤面全破壊を強制できる。
単体でリーサルに行けるフィニッシャー、という点がモルト王と同じであり、モルト王のデッキに構造上噛み合っている。
実質的にはモルト王の5枚目である。

ヴィルヘルム

4枚
単体では弱いが素引きしたいがためにガイムソウを4投することを肯定してくれるカード。ガイムソウおよびモルト王とすこぶる噛み合っている。
モルト王は横にドラゴンがいればプロトガイハートを着けてトリガーのケアが出来るようになるため、モルト王着地前にドラゴンを出しておきたい。そこで、場とマナを壊し、ターンを稼ぎながらモルト王に繋げるヴィルヘルムは相方としてふさわしい。
場のクリーチャーを消しながらマナの出し先を墓地に送ることが出来るので、母なる大地を軸としたデッキに強い。
単純にVANや刃鬼を抜いて回収不可能にしてしまうのも強く、カード単体として強い。

モルト王

4枚

単体で完結していることから1枚引いていれば良く、4枚は過剰に見える。しかしフィニッシャーの中で盤面展開&盤面干渉を1枚でここまで行えるカードは存在せず、代用の効かないカードであるため、素引きしたいことも含めて4枚必須。
なんなら5枚入れたい。5枚は入れられないのでかわりにガイグレンを採用した。

ドラグハート装備の組み合わせが非常に大切で、プロトハート+ギガハートの限りではない。
ガイムソウでSAになること、ガイムソウ効果で手札に返る前に龍解の処理が行われることから、場に出したターンに龍解させて場にクリーチャーを残すプレイングが大切。

例えばグリージーホーン+プロトハート。盤面のアンタップ2体を取りながら両方が龍解するので、場のガイムソウと合わせて次のターンにリーサルに行ける。
プロトハート+プロトギガハート。トリガーをケアして盾を割りながら場にガイギンガソウルを残せる。
マグナムやオリオティスがいる場合はプロトギガハート+グリージーホーンorガイアールで二面展開が出来る。

プロトハート+ギガハートで4点突っ込みノートリお祈りにしない工夫を構築・プレイングで施した。

超次元解説


モルト王は同名を付けられないので基本的に全て1枚。
モルト王に着けるカードと、オウギンガ(ガイハートの裏面)から出すカードで分けて解説する。

モルト王に着けるカード

グリージーホーン

個人的にはモルト王で必須のカードだと考えている。本体が簡単に龍解するばかりでなく、アンタップを殴れるようになればその分シールドを割らずに済むのでギガハートを龍解させる条件が一気にゆるくなる。
ガイムソウでSAを付与して2面取ったりもできるなど他のカードとの組み合わせが非常に強い。
グリージーホーンを龍解させておけば、次に投げるモルト王にプロトギガハート+ギガハートを着け、グリージーホーン裏面がアンタップに殴る+モルト王が盾に殴る、でかなり安全な龍解が見込める。

プロトギガハート

除去トリガーのケアとして必要。横にドラゴンがいれば、プロトギガハート+ギガハートでおおよそのトリガーを無視しながら龍解させられるのが強い。
赤単のマグナム、青白・白単のオリオティスなどメタカードへの耐性もつけられる汎用性があり、特別な理由がない限り採用するべきカードだと考えている。

ガイアール

盤面の小型に触れるので白単や小型を並べる対面に非常に強く出られるのが主な採用理由だが、もっと大きな長所がある。龍解が極めて簡単なことだ。
モルト王がガイアール・コマンド・ドラゴンなので、これを装備したモルト王が攻撃するだけで龍解する。ガイムソウから出してガイアールを装備すれば確実に場にクリーチャーを残せるのだ。
これが様々な対面で非常に活躍するので、必ず採用したい。裏面としてオウギンガから射出するのも強い。

プロトハート(1枚目)

プロトハート+ギガハートでモルト王を単体で完結するフィニッシャーにするために必要。0枚採用は本当にありえない。
地味に龍解条件が緩いので積極的に狙っていきたい。

ギガハート

全ての始まり。採用しなければデッキにならない。
ギガハートを着けて殴る場合、破壊耐性を持てるのでスレイヤーや破壊トリガーを完全に無視して攻撃できる。つまり、黒単やMRC(AD)に対してはモルト王が着地した瞬間にオウギンガ龍解が確定する。
この破壊耐性は常に頭に入れておくべきで、パワーが同じクリーチャーをトンカチできるだけでなく、タップされたパワーの高いクリーチャーに2回ぶつかりにいって盾を割らずに龍解を確定させる技術がある。カツキングにこれをやると盾を割られるので注意。(1敗)

裏面を出すカード

パーフェクト/エバーラスト、ガイハート/ガイギンガ(AD)

どちらも単純除去トリガーケアのカード。ケアしたいトリガーに合わせてガイギンガソウルと選択する。
NDでエバーラストを採用しているのは、破壊以外全てに耐性を持つエバーラストでVANをケアしたいのと、NDには破壊トリガーを採用したデッキが少ないことによる。
ADでガイギンガを採用したのは、MRC対面でモルト王→オウギンガ→ガイギンガからリーサルに行けるのが確定することと、NDほどVANが多くないことによる。

エバーラストは地味にスターインザラブの破壊を免れるなどNDでまともに破壊されることは少ない。また、青単対面のようにサーファーとクロックを両方ケアしない場合にも有効。サーファーならリーサルが止まらず、クロックなら場に縦のブロッカーが残ることで返しのリーサルをケアできることがある。

プロトハート/ガイギンガソウル(2枚目)

スパークないしブロッカー1体のケア。オウギンガから出すガイギンガソウルがないとブロッカー1枚でリーサルが止まる悲しいデッキになる。
DNAの採用されている対面では龍解と合わせてガイギンガソウル2体を立てたい。

ジュダイナ/ザウルピオ

除去する手段のないデッキを詰ませたり、そうでなくとも返しのリーサルを防いでくれる。
ザウルピオの注意点としては、なんでもかんでも出しさえすればいいというわけではないということ。ザウルピオを出してノートリならザウルピオの効果に関わらず勝っているし、除去トリガーを踏んでいるのならザウルピオを出した意味がない。
ザウルピオは、寝かせた盤面に突っ込んで面を取りながらコントロールする場合か、クロックのみをケアする場合のおおよそどちらかである。
赤単対面なども面を捌ききれなければザウルピオを出しただけでは勝っていない(グレンモルト→ガイギンガにトンカチされて負ける)ことに注意。


不採用カード


メテオチャージャーなど赤3コストチャージャー
赤マナを安定して埋められる初動枠で、最初は採用していたが、ライフ-声援-火の子祭で初動が事足りるので不採用に。リソースにもならないカードはあまり多く入れられない。
ネクストチャージャーは手札交換する場面が意外と少なかった。交換するのは手札にリソース系カードもドラゴンも全くない場合だが、そんなことはあまりない。ガイムソウとドラゴンが2枚コンボなので片方があればキープする都合上、ネクストチャージャーが有効に使えたことは少なかった。

吸い込む、DNAなど優秀なトリガー
赤でも緑でもないカードはいくら優秀でも採用できなかった。火の子祭を安定して使うためには赤マナを多く確保する必要があり、したがって緑単色も相応に少なくなる。かなりギリギリの色バランスなので、色マナとして寄与しないカードは採用できない。

天守閣
赤、トリガー、サーチというこのデッキのトリガー枠にに求められる全てを持っていそうだが、現実にはマナ武装未達成でトリガーしたりクリーチャーが引っかからず除去に失敗したりと不安定なカードであった。特に前者が致命的で、早めにトリガーしてほしいビート対面で炎獄スクラッパーの下位互換になりがちだった。

イージスブースト
有効トリガーかつブーストトリガーなのでビートに強いトリガー。不採用のおおよその理由はライフの枠に書いたが、赤でない多色があまりに弱い。また、ビートにはそもそも有利寄りなので、濁るリスクを冒すほどのカードではなかった。

ロマネスク
モルト王からすればロマネスクはわりと相性の良いカードだが、ロマネスクからすれば相性が良いのはヴィオラである。マナカーブも3-5-7を基本とするモルト王デッキには噛み合っておらず、同じ枠のヴィルヘルムと比べて非力である。
ロマネスクには後続につなげるという意味でクレッフィに似た要素がある。クレッフィと相性が良いのは積み技があってクレッフィの残した起点を有効に使えるポケモンなのだ。ただ単体の強さで殴るメガメタグロスとは仲良くない。

鬼修羅
単体で完結しているガイムソウであり、ガイムソウから出すのも強そうなカードであるが、いくつかの欠点があり不採用とした。
一つは8マナであること。このデッキは3-5-7というマナカーブに沿って動くので8コストは都合が悪い。
もう一つはジャッジに勝たなければならないこと。ジャッジに勝たなければバニラ同然であり、ガイムソウ5枚目として活躍させられるとは言い難い。
モルト王は低コストカードが4割を占め、高コストカードも多くないのでジャッジが意外と強くない。鬼修羅がそもそも噛み合いの悪いカードであることも相まって信頼できるカードではない。


鬼丸覇
7のガイムソウで踏み倒しても次のターンにリーサルに行けないのが噛み合っていない。フィニッシャーが1枚に収まるゆえに他のカードを初動と受けに回しているモルト王というデッキと、横に1体クリーチャーがいなければ真価を発揮しない鬼丸覇は構造的に噛み合っていない。
トリーヴァに対して強く出られるのは高評価。UK対面はジャッジに勝ちづらいことからあまり活躍しなかった。



基本的な立ち回り

3ターン目、5ターン目にブーストして7マナでガイムソウ着地を目指すのはどの対面でも変わらない。
ガイムソウがない場合は火の子祭などでマナを伸ばすことを優先する。


対面ごとにガイムソウから出すクリーチャーやモルト王に着けるドラグハートを工夫する。詳細は対面解説に回すが、ドラグハートはプロトハート+ギガハートの限りではなく、龍解しやすいドラグハートを着けて龍解させ場にクリーチャーを残す立ち回りをする。

初動がない、または手札の都合が悪い場合はトリガーから捲ることを考える。常にトリガーから逆転のチャンスを作れるデッキなので、こちらが後手で事故っていて相手が先攻からブン回っていても怒らない。諦めなければ勝てるから。

もちろんトリガーがなければ勝てないが、どんなデッキでもトリガーも初動もなく勝てる試合は少ない。
このモルト王は初動を引く確率も、ブースト含む有効なトリガーから逆転できる確率も高い。後手で爆剣チャージャーから入れれば1枚のトリガーで勝てる。十分だ。

対面別解説

ざっくりと相性一覧を書く。

有利〜やや有利
白単
赤単
青単、青白

やや有利
モルト王(ミラー)
青緑

五分
青白天門
トリーヴァ
刃鬼

やや不利
黒単
黒ビッグマナ

不利
リース
UK

有利〜やや有利…白単、赤単、青単、青白リキピ

小型除去で制圧する対面

これらはそもそもモルト王を止める術が少ない上にスクラッパーやガイアール+グリージーホーン面除去が刺さるので、有利に試合を進められる。
基本的には面処理を優先し、最初のモルト王もグリージー+ガイアールで使って良いが、返しにリーサルに来られる確率があるならプロト+ギガで突っ込んでしまって構わない。

特にリキピはクロック+ジャバ+セカンドで有り得ないリーサルを組んでくるので、自分の盾が残っているうちにリーサルに突っ込むのが吉。

やや有利…モルト王、青緑



殴り合う対面

リーサルまでの速度がやや遅く、こちらのトリガーは効くわりに相手からの有効トリガーは少ないことからやや有利がつく。
一般的なモルト王は受け札をフレア、イージス、スクラッパーにしていることが多いので、オウギンガからはガイギンガソウルを出すのがオススメ。
受け札が吸い込む、フレア、レイジクリスタルなどのモルト王は五分〜不利寄り。お祈りゲーミングの中にジュダイナやダイハードによるコントロールの腕が光る。

青緑はさっさとリーサルに行くか、寝ているQEDに突撃してギガハートを龍解させ、ジュダイナを出すのが有効。
即時打点が組みにくいデッキでもあるので声援やグリージーを駆使して場の打点を減らすのも大事。

五分…青白天門、トリーヴァ、刃鬼

ヴィルヘルムを上手く使う対面

モルト王単騎突撃が返されやすい上、返しにこちらのトリガーを無視する術があるデッキとの相手はやや難しい。モルト王の通りが悪い分、鍵になるのはモルト王以外のカードとなる。

天門はガイグレンを駆使する他、ガイアールやヴィルヘルム等によって面を取り続けることを意識する。

トリーヴァはヴィルヘルムでマナを削りながら盾を詰め、クロックを先に踏んでおく。ランデスはクロック>エメラルーダ>VAN>たりなさそうな色マナ の優先度で行う。

刃鬼対面は、スパークが入っていなさそうなら場にドラゴンを並べてプロトギガ+ギガを着けてリーサルにいくのが理想。聖地などがあると間に合わないのでお祈りリーサルもあり。
VAN対策にグローバルナビゲーションは絶対にマナに置かない。グローバルナビゲーションを置くくらいなら初動が遅れたほうがマシ。

やや不利…黒単、黒ビッグマナ

ハンデスが辛い対面

モルト王はガイムソウ+モルト王の2枚コンボなのでハンデスが効きやすい。
どちらもマナを伸ばしてトップからモルト王を叩きつけることで戦う。
火の子祭でマナを伸ばし、チャージャーの受けを作ることが大事。この2つの対面は特に火の子祭で山札に何が戻ったかを数えておくべき。

タイガニトロで残すカードは火の子祭。なければなんでもよい。
とにかくマナを貯める。

不利…UK、リース


展開が早く詰みを作られやすい対面

どちらも不利だと割り切ってトリガー勝負を仕掛けた方が良い。ダイハードは狙って使えるカードではないので、最低限スパークのケアだけして殴る。

UKは声援をロビーに当てる。成功すれば盾が守れるし、失敗したら盾からトリガーを踏ませてはやめにモルト王を出す。
相手が4マナの時点でヴィルヘルムを出すと返しにエメラルーダを出せなくなるので純粋なトリガー勝負に持ち込める。

リースは事故ってもらわないと勝てない。実はガイグレンがリーサルに行きやすい対面であり、ライオネルからの有効トリガーも意外と少ないので諦めないことが大事。
ロマネ+ヴィオラ+ライオネルで詰まないようスパークを抱えることも大切。

終わりに


本格的な1位争いに参加できて楽しかったです。モルト王は自分の追い求めた最強デッキだと信じて調整を続けたので、納得のいく強いデッキに出来て満足しています。
しばらくは私用で潜らないつもりですがレジェプレ2024がアツいのでちょこちょこやり続けてると思います。

調整に付き合っていただいた皆様、ならびに私の所属するチームcrescentのメンバーに感謝しています。ありがとうございました。
具体的なアドバイスを頂いた日食さんと、毎日デュエプレに付き合ってくれたチームメイトのpottar、防人さんには特に感謝しています。本当にお世話になりました。

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