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夫が倒れてから1年のリフレクション

夫が倒れてから1年経った。
この1年やっぱりとても長かった。
2023年9月に夫がくも膜下出血で倒れ手術、その過程で脳梗塞になり高次脳機能障害の合併症を発症した。
10月に回復期リハビリテーション病院に転院し、4か月の入院を経て1月に退院。
その後、もう一つ見つかった未破裂脳動脈瘤を5月末に手術した。
そして、6月末には夫の母が突然倒れてそのまま急逝した。手術直後で飛行機に乗れなかったため、5時間新幹線に乗って葬式に参加し、ついこの間、四十九日が終わった。
細かいところで言うと、他にもいろいろ病院通い。夫が歯が痛い、というので歯医者さんに行ったら歯槽膿漏が見つかり親知らずの抜歯でこれも通院継続。
あと、肌が弱いので乾燥やらキズやらで皮膚科にも通っている。

夫が倒れた去年の9月、小6の息子は中学受験の真っただ中、夏期講習が終わりまさにこれから本番、という時期だった。ちょうど9月から学校別コースが始まり週5で塾に行く生活が始まっていた。そんな中、修学旅行に行ったり、体育の授業中に骨折したり、模試の前日にクリスマスマーケットに連れて行ってしまったり、なんだかいろいろあったが、直前の猛追で志望校になんとか合格し、低空の成績を維持しつつ、楽しそうに中学生活を送っている。

私はというと、9月はほとんど眠れなくなり、ご飯食べられなくなりながらも、同僚の方々、家族、医療関係の方々の助けを借りながら、とにかく最低限の仕事をし、日々を乗り切った。40代前半の夫が突然倒れ、今後働けなくなるかもしれない、というあまりにも想定外の出来事をどうやって他の人に伝えたらいいか分からなかった。話しても想定外すぎてなかなか共感してもらえない、ということを実感し、隣の芝が本当に真っ青に見えて、どうして私のところだけこんな不幸が、と感じてしまいとても苦しかった。でも、今思うと、分かってもらえないのは当たり前だったと思う。私も友達が同じ体験をしたとき、どんな言葉をかけていいか分からない。たぶん聞くことしかできない。共感を得て安心することも大事だけど、今は、自分の人生だから自分で選んで自分で決めるしかない、と覚悟するかしないかだな、というところにたどり着いた。そう思うことができてとても楽になった気がする。

息子の冬期講習の頃には穏やかに過ごせる日も増え、娘とお正月で空いてる渋谷に行ってみたりした。
1月に夫が退院することが決まって、家に戻ってくるのが怖かった。子ども2人と母の3人の生活はそれなりに落ち着いてきたのに、これに高次脳機能障害の夫の介護が加わる。しかも、中学受験本番の直前に。ここは両親の助けを借りることでなんとか乗り切れた。両親が頭も身体も元気で本当に救われた。本当に感謝しかない。
幸い夫は、身体の障害はほとんどないが、重度の失語症がある。話を聞いて理解することも、話すことも難しい。もちろん読み書きもできない。なので身体の介護は無いが、一人でできないことが多く、いろいろ段取りをしてあげたり、付き添ってサポートする必要がある。そんな忙しい中でも5月の手術前には温泉に小旅行に行ったり、夏には熱海で海とお祭りを楽しむことができた。そして今はちょっとずつ自分の時間が増えてきているのを感じる。

私、この一年ほんと頑張った。家族のみんなも。
なんか生まれ変わったかも。


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