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節目となった2021年

全く更新せぬまま、すっかり年の瀬が近づいてまいりました。

端的に言うと、3月に25年以上もの時をともに過ごしてきたアイドルグループから解散を告げられ、「普通を装って生きる」というまったく普通じゃない状態で今まで過ごしてきました。
仕事中に届いたメール、このあと16時から何かの発表があるという内容、そんなの「解散」か「脱退」かの2択しかありません。(「留学」もありましたね。でももう彼らは今更「留学」という段階でもないので…)16時に彼らからのビデオメッセージを見て、やはりそれは「解散」を告げるものであり、泣きながらデスクに戻り、周りの人が思わず目を逸らすほど泣きながら電車に乗ってなんとか家まで帰りました。
3日3晩、泣き喚き、心が沈み切った結果、目に見えて身体を壊しました。本当にそんなところから出血するんだというところから血が吹き出ました。人生で初めての経験に「このままだと死ぬ」と悟ったので、その事実を忘れて生きることにしました。厳密に言うと忘れるなど無理なのですが、頭の隅の隅の隅の方へ押しやり、その事実を考えも見もしないようにしました。逃避です。でも死なないようにするには仕方ないのです。

頭ではわかっているのです。永遠に続けるなんて無理なことも、もう50代に突入したメンバーがいることも、彼らがグループとして十分にやり切ってくれたことも、いつかその日が来ることも。全部「わかって」はいたのです。
できていなかったのは「覚悟」でした。

私にとっての「普通」は「オタクでいること」でした。「普通」であるために、この情勢では考えられないほどに現場を詰め込み、信じられないペースで劇場にいました。穴を埋めようとなんでもかんでも詰め込んでみましたが、結局、他の袋がいっぱいになって処理できずに溢れていくなかで、当の袋は穴が開いたままであることに、半年以上経って現場に行くのに疲れ果ててから、ようやく気がつきました。楽しさは感じられるけど、それは代替ではないんですよね。

無くなってしまうのではなく、宝箱にしまうんだと、あるメンバーが言ってくれました。解散という言葉を使わず、グランドフィナーレを迎えると、ある後輩の方が言ってくれました。こんなに綺麗に終わってくれることも、いろいろ言われてきましたが私たちの目に映る今のメンバーは間違いなく「なかよし」であることも、最後にこんなに供給を与えてくれることも、ファンとして恵まれすぎていることは十分に感じていました。

でも嫌なものは嫌でした。寂しいものは寂しい。そうでしょ?

アラサー、思わず駄々っ子になる。フォントも変えちゃう。

幸運なことに最後のツアーにも当選できました。でも行ったら彼らと共有できる空間がそこで終わってしまうので、行きたくないと一人で自分にごねまくった結果、なんとか自分自身を説き伏せてうちわを作り始めたのが、深夜1時でした。前日です。むしろ当日です。寝ろ。深夜3時頃に作業を終えて、何をしているんだと我に返りました。
学生時代からずっと一緒に参加していた友人とは今回都合が合わず、一人での参加。会場内で流れる今までの楽曲。どの曲を聴いても、その当時の光景が頭を過ぎりました。
小学生のときに買い物をしている母親を待っている間、CDショップの画面で流れているPVを延々と何度も見ていたこと、中学生のとき、ちょうど卒業のタイミングでリリースされた思い出の曲、大学受験のとき、音楽番組で歌い終わると「受験生のみんながんばれー!」と最後に言ってくれたこと、就活で心が折れそうになったときに何度も前を向かせてくれた曲、就職して知らない街で暮らし始めたときに聞いていた切なさを感じる曲。一人で会場に座って聴きながら、ずっと一緒に居てくれたんだなと思い知らされました。26年間、ずっとずっと。立ち止まったときは寄り添ってくれたし、前を向けたときは進む力をくれた。どの曲を聴いても、自分の人生に彼らが居てくれる。正直なところ、自分が彼ら無しでこの先ちゃんと存在していけるのか、不安で仕方ありません。

コンサート中、彼らが「解散」と口にすることはありませんでした。きっと言ったらしんみりしてしまうから。最後までみんなと笑顔でいたいという彼らの気持ちが詰まっていました。
かっこよかった。
「歌って踊る」というアイドルとしての王道をしっかりと守りながら、いつだって最新の音楽や技術を取り入れて立ち止まることなく走り続けてくれた人たち。
なんでこんなにかっこいいパフォーマンスができる人たちが、もう歌って踊らなくなってしまうのか悲しくて寂しくて、思わずまたその場で駄々っ子を発動させそうになったけれど、本当に、ただただ、めちゃくちゃかっこよかった。

コンサート参加後、またもや情緒不安定をぶり返したので、またしばらく忘れて生きていると、気づいたら怒涛の「ラスト」ラッシュに突入していました。出演する音楽番組すべてで、連日のように「ラスト出演!」と謳われます。ラストラストラストラストラストラスト。もういいって。わかったって。言わなくてもわかってるって。半分ぐらい、見れたり、見れなかったりでした。(録画はちゃんとしてます)
Amazon Primeで過去のコンサートが一気に配信されたりもしたので、DVDは持っているけど外でも見れるようになり、仕事のお昼休憩中などに少しずつ見たりしました。配信されているやつは全部現地にも参加したツアーなので懐かしく見ていたのですが、見ながら、ふと、感じたのです。
私たち、もしかしてずっと前からめちゃくちゃ大切にしてもらってきたんじゃない???って。いつも私たちが楽しめるように心を尽くしてくれているし、何度だって感謝も伝えてくれているし、何より私たちに向ける顔がとてもあたたかで優しい。なぁんだ。私たちって、一方通行の愛じゃなくて、ずっと両想いだったんだなぁ。
解散前の怒涛の供給量と絶え間なく更新される情報に解散フィーバー(?)みたいになって息切れしていたけど、私たちはずっとお互いを大切に思って、一緒に歩いてこれたんだなって。
ずっと彼らを見ていたからそれが当たり前だったけれど、いろんな界隈に触れて、いろんな「推し」と「ファン」との在り様を見て、改めて、自分たちが築いてきた関係のあたたかさを感じました。

デビュー26周年の日。
ツアーラストの日。
配信で最後のコンサートを見ました。
まぁ泣いた。めっちゃめちゃのぐっちゃぐちゃに泣いた。
メンバー同士の飲み会の話だけめちゃめちゃに笑った。さすが「天国で揃ったらデビュー曲踊ろうな!」っていう人たち。
この日だけはさすがにそれぞれからの言葉もありました。事務所を出るメンバーでさえ(彼が私の自担なのですが)「これで最後じゃない(また会える)」的なことを言ってくれていました。あまり口数の多くない彼が、このツアーで進んで会話に入って話していた姿も、「笑顔」や「笑う」という歌詞のたびにファンに手を差し伸べてくれた姿も、楽しませようと全力でステージに立ってくれている姿をちゃんと知っています。
「笑っていてね」「でも無理はしないでね」
最後まで、私たちにあたたかく寄り添ってくれた彼らが、私は大好きです。これからも大好き。でも6人の姿がやっぱり一番好きなの。わがままでごめんなさい。

コンサート終演からすぐにファンクラブ会員向けに公開された映像。メッセージ動画じゃなくて、新作の映像作品。
これがまぁ、バチバチにかっこいいコレオついてるし(shojiさんありがとうございます)、さらに新曲まであったんですよ。全然今日解散するグループの映像じゃない。これからまだまだこのパフォーマンス売るよね?????は?????え?????今日で終わりなの?????まじか?????
ほんとは25周年の節目で終わるはずが、ちゃんと会って終われるように1年延長してくれるし、メンバーとファンが集える場所って言ってわざわざアプリで王国まで作ってくれるし、何度も何度も「目を閉じればいるからね」「大丈夫だよ」「君がいてうれしい」「ずっと一緒だよ」って、こんなに丁寧に、慎重に、たくさんの愛で包んでくれる。このお兄ちゃんたち過保護すぎんか?居なくなったらまじで私たち死んじゃうと思ってんの?と、こちらが想定してる以上のケアにおもしろくなってきちゃって。
26年間、ずっと一緒に居られたのが彼らで良かった。彼らが私たちを大切にしてくれたように、私もこれからもずっと、彼らのことを大切に思っていたいです。

ずっとずっと、かっこよくいてくれてありがとう。
ずっとずっと、私たちに寄り添ってくれてありがとう。

何ヶ月もグループ活動が無いなんて当たり前だったから、まだまだ全然実感もないし、何より健康のために普段はできるだけ忘れて生きているから、いつそれが当たり前になるのかわからないけれど。
26年間、ずっとずっと幸せでした。
だからこれからも、どうかずっと幸せでいてね。

私もちゃんと天国でデビュー曲に合いの手を入れられるようにがんばります。

大切な月の、最後の日に。
親愛なるあなたへ。

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