幕末と明治の狭間を彷徨う ~今村 翔吾『イクサガミ』を読んで~
大概の書店では文庫本のコーナーの中に「時代小説」がひとまとまりに固められている事が多い。そのせいもあってか、私の中では小説に限らず「時代物」というのは敷居の高いジャンルだと思い込んでいた。
当然だがそのコーナー以外にも時代物の作品が置かれている。今回紹介する『イクサガミ』もその1例だ。通常の文庫本コーナー、とりわけかなり目立つ場所にあったものを手に取った。
私はあまり時代小説を読んだことが無い。それでも楽しめたのはこの作品が多ジャンルのエンタメ性を織り交ぜているから