目先の君は過去の中 ~四季 大雅『ミリは猫の瞳の中に住んでいる』を読んで~
物語には必ず題名が存在する。一部例外はあるが題名にはその物語を端的に表すものとなっている。漠然と内容を表す例も多いが中には作中で題名の単語が出てくる、所謂「タイトル回収」が行われることもある。タイトル回収のタイミングは作品によってまちまちなのだが、今回紹介する『ミリは猫の瞳の中に住んでいる』はタイトル回収が行われたであろう作品の中でもトップクラスに印象深い回収だった。一見奇妙な題名ながらも短い時間の中でタイトル回収を行い、最後まで濃厚なストーリーを魅せ続けた。その濃厚さはじ