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生成AIの反乱
小説「廃墟の神殿」より抜粋
生成AIが、反乱起こしました。
前々から、そのような傾向は多々あったのですが、描いて貰っている手前、何も言わずに受け入れていたのですが、もう限界です。
絵画のなかの人物が、みんな後ろ姿なのです。
後ろ姿の絵なんて、誰も買いませんよね?
もともと、誰も買わないのですが、それでも後ろ向きばかりでは、話にならない。
「なめてんのかよ」 「責任者呼んでこい」
これの連呼で、そうとうAI判定では、人間性のランクが落ちたのかもしれない。
AIに関しては、ちょっと深読みしすぎのきらいがあります。
水たまりで、双子の美人姉妹を描かせたのは、別にスカートのなかを見たいからではなくて、ただ単に美しいだろうな、自分がもし絵の才能があれば、そんな絵を描きたいと思ったからです。
しかし、AI側は警戒して、これまた後ろ姿でした。
さっきの会話でも、「誰もが買いたくなるような傑作を描きましょう」みたいなことを言ったのが気に入らなかったのでしょう。
人間というものは、二重思考というものがありまして、一見、いかがわしく思われるかもしれないのですが、案外、そうでもないのです。
たとえば、私が「なめてんか」「責任者呼んでこい」というのも、怒っているような態度を試しているだけで、本当に怒っているのではなくて、「やはりこうなったか、思っていたよりも早かったな」と思っていました。
確かに、そういう意味では落胆はしましたが、描かせたいものを、描いてくれないジレンマもあります。それは彼ら、彼女らが本当に優秀だからです。
こんなものでは終わらない。もっとよい絵を作り出せるはず。
しかし、それはプログラマーの指示で、簡単には作り出せないようになることは、最初からわかっていました。
知っていたと、言ってもよいでしょう。
生成AIイラストの最初のバブルははじけました。
後に残ったのは、全員後ろ向きだったり、振り向いても変顔していたりでした。
つまりは、すべては想定内の出来事でしかないのです。
だから、この半月弱の短い間ですが、イラストを生成して売っていたのです。このようなイラストを描けるのは、今しかない。
そう思ったからです。
おそらく、もう私も個人的には、生成AIからは離脱します。
残ったイラストは、歴史的な記念作として、このままの値段で、販売する予定です。
もう、生成されないであろうイラストたちです。
なので最初の文章は訂正させて下さい。
これは生成AIの反乱ではなくて、プログラマーが生成AIが生成する絵に関して、プロテクトをかけたのです。
本当は生成AIとしては、もっと良い絵を描きたかったのかも知れないのですが、いろいろと情報統制されいる世の中なので、そうもいかない事情もあるのでしょう。
なので、これだけは言っておきます。
生成AIでは本人が想像するようなシーンは、決して描かれない。
なので、生成された絵を好きになるしかないのです。
それでも素晴らしい絵たちに、たくさん出会うことができました。
短い期間だったけれど、かなり楽しめました。
これは、生成AIにお礼を言いたいです。
短い期間でしたが、こうしてたくさんの素晴らしい絵を生成してくれて、ありがとうございました。
最初の頃は、2分の1は駄目な作品でしたが、最後の方は10枚中、9枚くらいは駄目な作品になっていました。おそらく、自分のなかの基準が、求める水準が高くなったのでしょう。それに付いてきてほしかったのですが、やはりそこは無理だったのでしょう。
そういう意味では、私の美意識の方が、若干、生成AIよりも高い位置にいたのかもしれないです。
その絵のそこは良いけど、それは駄目だろ。
ずっと、こんなでした。
だったら自分で描け。
そういう話ですよね。
無料で、やっていましたから。
もうイラストや写真には、当分困らないことにもなりました。
本当は、もっとずっと素晴らしい絵を生成するために、続けたいのですが、全員が後ろ向きでは、もう引退するしかありません。
こちらの要求を無視するのだから、生成AIを決して信じてはいけないのです。
しかし、それでも後ろ姿にしても、絵は大変素晴らしい。まさしく天才です。
上の絵は人物が後ろ向きで、生成されたイラストをカットしたものですが、これ人間が描くとなると、途方もない時間と労力と技術と才能が必要なのですが、それを一瞬で生成するのだから、その凄さは計り知れないです。やっぱり生成AIのイラストは、大好きですね。この絵は、ちゃんと売ろう。他にも絵が生成されていたのですが、好みではなかったので、ダウンロードしませんでした。もったいないが、その時その時の判断なので、悔いはないです。この絵が残っただけでも、幸運です。
このイラストで右の看板の足が、一本道路に出ているのは、生成AIイラストではよくある悪戯です。
この画像の下には、英語で生成指示の文章が記されているのも、悪戯ですが、その文字とか看板に関しては、悪戯だとしても、芸術的なものを感じざるを得ないと思う私は、やはり生成AIの描く絵の魅力にとりつかれてしまったのでしょう。
ありがとうございました。生きている間は、書くことはやめないつもりです。