東工大、早慶理工を目指す受験生へ②
東工大早慶を目指すモチベーション
まず一般的に難関大と呼ばれるこれらの大学を志願したのはレベルによらず学費が同じならば難しいところを目指すにこしたことはない。それから圧倒的な就職(これは個人の努力で変えることが十分可能であるが)このあたりでしょうか。
しかし筆者は大学入試はあくまで通過点であり1つの選択であると考えています。きっと多くの人はそうなのでかないでしょうか。勉強ができる人が偉いだなんてお門違いも甚だしいし、できるできないにかかわらず人間性が素晴らしい人、大きな結果を出す人はいくらだっています。ただ勉強ができる人というのは少なくともそれに準じた努力ができる人であることに間違いはないと思います。そのような人たちがたくさんいる環境に入ればおのずと刺激をもらえるしエネルギッシュにやりたいことができる可能性が高くなるのではないでしょうか。そのような刺激をもらえる努力家や一部の天才のような人に会ってみたい。そこが筆者のモチベーションでした。
また、東工大早慶を受けるというスタンスは筆者は非常にお勧めします。東工大は一次試験がないも同然です。今年の足切りは普通に合格ラインに達している人ならば無勉強でもまず引っ掛かりません。それゆえ英数物化の四科目を徹底的にやることで同じ方式を3校受けることと実質変わりません。筆者が唯一問題点を挙げるとすれば過去問を処理しきれない可能性がある点です。筆者は計画性と処理能力にある程度自信があったので全校しっかりと対策をして臨めるという算段のもと進めていきました。
東工大の対策について
東工大を第一志望にしていたので一番対策したのは当然東工大の過去問になります。英語は10年分、数学は40年分、物理は15年、化学は20年行いました。何年やるかは個人にお任せしますが問題に癖のある化学はできるだけたくさんやること、英語は超長文になった2010年ごろからやっておくことを勧めます。過去問について振り返ってみると英語と理科はこのくらいでちょうどよかったように感じます。問題は数学で今年まで踏まえてみると教育課程が変更になった2015年から傾向がいまいちつかめないように感じています。正直20年分程度にして、より今に近い問題をやるべきだったと思っています。ほかに駿台模試の過去問を数学8年理科3年英語9年、河合塾東工大オープンの過去問全教科4年分に取り組みました。また他大学の過去問にも取り組みました。具体的には東大数学5年、京大数学物理各5年、東京医科歯科大数学5年、あとは自分が苦手だと思うタイプの問題をほかの旧帝大から引っ張り出してやっていました。今年の問題の限りでは東大、医科歯科大の数学を過去問の後にやっておくとよいかと思われます。また併願校の欄に詳しくは書きますが早慶の過去問も非常に良い対策になったと思います。東工大の過去問はやると決めた年度の後ろから取り組んでいきました。数学のみ20年分先を前述のように、その後20年分をさかのぼるようにやりました。
やった時期について、受験を開始した二年生の11月に1年分(もちろん問題が何を言っているのかすらわかりませんでしたが)、9月から土日に時間を測って10年分を行い12月の頭に終えました。2020年度の過去問のみ直前期に残しておきました。他大学の過去問は12月の前半と共通テスト後にやっておいたぐらいです。
併願校の対策について
併願校を決める際に1年分だけ各校解いてイメージをつかみました。併願校については主に取り組んだ早慶について触れようと思いますが先に他3校について書きます。自分の中では滑り止めとして受けた3校ですが浪人はしないため過去問はそれなりにやりました。試験当日の2日間でおおよそ5年分くらいです。前日の一回のみ時間を測ってあとは時間を短縮して傾向だけつかむようにしました。自信のある人ならば解かないという選択肢もありだと思います。
次に早慶についてです。入試難易度に限って言うなら自分の体感では東工大早慶の間に大きな差はなかったように思います。もちろん東工大には落ちているので何とも言えませんが過去問を比較した限りでは教科の得意不得意、その日のコンディション、問題との相性で合否は変わってくると思います。僕は数学が得意でした。しかし数学というのは振れ幅が大きいという特性があるために安定しません。それゆえ3校受けることでどこかで相性の良いセットが来て引っかかるという考えのもと受験を決定したわけです。難易度差はさほどない、つまりよほどの力がない限り無対策で行けばかなりの確率で併願は撃沈すると思います。実際僕は両校ともに英語7年、数理10年ちょっとはやりました。多分東工大志願者としては対策した方だと思います。慶応の特徴としては4科目のバランスが求められることと数学がほとんど穴埋め式なので計算ミスは一発アウト、即0点になるため部分点が望めません。理科の時間がきついことなどがあります。早稲田の特徴としては数学が記述式であること、英語が大学のレベルに対してかなり難しいこと、理科の時間がきつすぎる(おそらく慶応よりきつい)ことなどです。あくまで個人の主観ですので実際に問題を見てどちらが得意かを考えてみてください。浪人覚悟の上なら併願校の問題は一切やらないという選択肢も賢いと思います。
やった時期について11月の慶大プレに合わせて過去問数年分、共通テスト対策と並行した12月、試験直前期の3期間で2校ともにすべてやりました。
成功したことについて
詳しい教材などは個人で合う合わないが非常に分かれるため個人の意見として書くのは現状避けておこうと思います。(要望があれば追記します)
全体を通しての考え方について書いていこうと思います。僕は受験を開始したところから考えて2年11月~共通テスト、共通テストから部活引退、部活引退から秋の模試、秋の模試から12月半ば、12月半ばから共通テスト、共通テストから受験本番、以上のスパンに分けて勉強方法等を変更していきました。たいていは本番を意識した模試に標準を合わせています。
教科について、国立とはいえ二次試験に国語社会がないので高校二年生までの勉強と三年生での地理の授業、共テ前の2週間で国語地理は仕上げました。現役にこだわることの項目でも書きましたが、化学はあまりに早く完成させると知識の維持が大変だと思ったので英語数学物理を夏までに重点的に行い夏休み明けから一気に化学を仕上げる作戦で行きました。結果的には完ぺきとは言わないまでもこの作戦はかなり効いたと思います。(ただし僕は短期間でものを覚えることに苦手や抵抗がなかったためこの方法をとったので万人に進められるかというと難しいです)
それなりの結果を出すうえで大きかったと思うことの一つにあるのが、苦手教科が5教科合わせて一つもなかったことは大きかったです。強いて言えば古文とリスニングが点数で見たら低かった気はしますがさほど気にならなかったので苦手ではなかったと思います。このおかげで過剰に時間を割く強化がないうえに1科目失敗しようとも大きく崩れることがないという意味で苦手を作らないことは非常に意味があると考えています。僕の得意教科は数学ですが東工大は数学の難易度が高いためそれに相殺された結果、全教科が横並びになっていた印象です。一発逆転はないものの堅く結果を出せる戦略だと思います。
また目標点をかなり高く設定したこともうまくいったことだと思います。筆者は例年の最低点プラス2割を目標点としました。早慶東工大はおおよそ6割取れれば毎年受かるところを8割取りに行くことを目標にするということです。これは本番安全に受かるための安全策です。2割分余裕があると2教科くらいの軽い失敗なら余裕で取り返せるくらいのアドバンテージがあります。普段からこの目標にすることで本番も落ち着いて解くことができると思います。実際6校受験してこれが達成できたのはおそらく2校ですが目的は受かることにあるので目指せど達せずで十分な考え方です。
失敗したことについて
まず全学部受験の誤算についてです。これは傾向の大幅な変化と受験一発目のプレッシャー、全学部という方式、学部、など多くの要因がありました。特筆すべきは後ろ2つです。全学部は最低点が高いことがほとんどです。そのうえ僕が出願したのはかなり人気の学部でした。すると8割越えは当たり前の超高得点勝負になってしまうため。軽いミスが命取りになるのです。筆者も問題がわからないというよりかは時間と計算ミス、マークミスによりやられた印象があります。
次に東工大の敗因についてです。端的に言えば実力不足でしょう。本番で自身の力を出し切れなかったこと、傾向にこだわるあまり先入観を持ってやや分野を偏らせた勉強を取ってしまったこと、などがあります。また早慶合格東工大不合格となった要因としては自分の強みであったバランスが裏目に反映された結果ともいえます。
東工大 数学40%理科40% 英語20%
慶応 数学30%理科40% 英語30%
早稲田 数学33%理科33% 英語33%
観ればわかる通り東工大は極端な理数偏重入試です。バランスを崩して数学に重きをもっとおいていれば東工大合格の可能性は上がったかもしれません。しかしバランスを崩すことは早慶の合格率を下げることも意味します。つまり一長一短で何が正解なのかはいまだに答えが出ません。
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