国鉄型185系で行く谷川岳絶景の旅
2023/7/8、国鉄型特急185系を使用した「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」が運行されました。上り便の「谷川岳ループ」に乗車しましたので、その様子を乗車記としてお伝えします。
僕の最寄駅で、スペーシアXの広告がありました。この日時点であと1週間でデビューというところだったので、東武線沿線は大いに盛り上がっていました。
そんな新型車両とは裏腹に、僕は今から40年以上鉄路を駆け抜け続ける国鉄の名車に乗るべく、上越国境の手前•谷川岳へ向かいます。
浦和に到着。高崎線に乗ります。グリーン車にしようかな…(当時はまだどこまで乗っても800円でした)。
高崎線の始発に乗車。約2時間の仮眠。
ここら辺はいつも通ってますし、景色も単調なので割愛。
高崎は、4方向に分かれる交通の要衝です。
ここから上越線に乗り換え。
普通列車系の車両では一番好みの車です。
1つ物申すとすれば、全てがロングシート。
211系の走る路線の永遠の課題です。
これに乗って接続駅の水上へ。
始発できたもんなので、折角景色のいい上越線を殆ど寝てしまいました。211系は比較的古い車両で、その特有の揺れが逆に睡魔を呼び寄せる気がします。
ここからは本数が激減する山貫き区間の列車に乗り換えます。
この前の年に18きっぷで土合駅を訪れた時の旅行記にいろいろここら辺の注意点が書いてあるので、詳しくはそちらをご覧ください。
水上からはボックスシートがありますが、水上を出た途端トンネル。土合駅まで地上の光を見ることはありません。
出発から約3時間、一先ずの目標・土合に到着です。車内を出た途端、普段とは違う特別な寒さに身を包まれるのが、土合駅最初の楽しみであり、魅力の一つです。
1年振りに見ましたが、奥底の世界に吸い込まれそうなアングルの迫力が凄いです。
流石は世界一の死者数を誇る谷川岳。階段を登って駅舎に入ると、それ相応のメッセージが20年以上前から遺されています。現在は「みなかみ町」ですが、看板には合併前の「水上町」とあるので、昔からの看板だということがわかります。
土合駅の駅舎を出て、道路の向かい側にバス停があります。このバスで谷川岳ロープウェイの乗り場まで行け、今回は時間もちょうどでした。
ロープウェイ乗り場には、谷川岳ベースプラザという名前がついています。ここから少し山を登って、日本有数の絶景・一ノ倉沢へ向かう電気バスに乗ることができます。
この先、車両の通行止め区間があり、通常のバスは運行できないのですが、この電気バスだけは通行が許可されています。料金は1人500円。ですが、これは運賃としてのお金ではなく、車内で案内してくださる方へのガイド料金ということになっています。
バスやタクシーなどは車ナンバーが緑色で「運賃や報酬を受け取り、人やものを運ぶ車両および事業者」という意味がありますが、あくまで対人料金なので、白ナンバーでも大丈夫という仕組みだと思います。
先程も少し触れましたが、殆どの場合はガイドがつき、沿線の地形だとか花だとかを案内してくださります。
生憎乗車中は撮影できませんでした。
20分程で一ノ倉沢に到着。写真では伝わらない大迫力で、久々に景色単体で感動しました。僕の好きな日本の景色の内の一つに入ります。
一生に一度は見ておきたい景色だと思いますので、是非行ってみてはいかがでしょうか。
気温もとても低く、7月なのにまだ雪の塊が生存していました。触りに行くと、簡単には崩れず、頑固に固まっています。
それ故に雪解け水が混ざっているせいか、流れている水がとても冷たかったです。5度もなかったかもしれません。
首都圏の駅の自販機によく売っていて、何気に超美味い「水ゼリー」ですが、これに使っている水も実は谷川岳の水なのです。正確に言うと、実際にこの場所で採れたわけではなく、上越新幹線の大清水トンネルの工事中に湧き出た水を使用しています。
バスの時間が合わなかったので、帰りは歩くことにしました。ロープウェイ乗り場まで50分くらいはかかりますが、常に絶景の中なので、そこまで苦ではありません。
このあとロープウェイにも乗る予定なのですが、ベースプラザを通り越して一度土合駅に戻ってきました。それは、下り特急『谷川岳もぐら』を撮影するためです。
この列車では、まだ土合駅は途中駅に過ぎず、最終的には越後湯沢まで走ります。しかし、観光誘致のためにここで30分間停車します。
30分もあれば下りホームから駅舎まで往復できると思います。今年2024年もこの列車は運行されますが、実行する方は乗り遅れには十分注意しましょう。この区間(水上〜湯沢)は大変本数が少ないです。
発車する時間までしばらくあるので、出発シーンを待たずに次の観光をしたいと思います。しかし、あの地獄をもう一度受け止めなければなりません。これも観光の一つだと思いましょう。
この時間はバスもないので、ロープウェイ乗り場まで歩くことになります。これもだいぶキツい坂がずっと続くので、かなり疲れます。
土合橋あたりで、綺麗な滝を見つけました。歩きだったからこその絶景です。
10分坂を登り続け、乗り場に到着しました。
ここから天神平・山頂へ向けて出発します。
ロープウェイは3分間隔、1グループで1両となっています。
ゴンドラの中は結構広く、8人くらいは余裕で乗り込めそうでした。
ロープウェイやケーブルカーなど、登る系の乗り物は、最後尾を見るのが好みです。
ベースプラザがどんどん遠くなります。
ここから先、谷川岳の山頂である「オキの耳」「トマの耳」へ行く登山コースと、リフトに乗り換えていくコースがあります。前者は本格的な登山になり、専用の道具なども必要となります。今回はそんなものは持ってきていないので、リフトでさらに標高の高いところへ行きたいと思います。
乗り物で行ける最高地点まできました。列車の時間までまだあるので、散策をしていきます。
こんな場所に神社があり、さらになぜかシーザーがいるという謎の状況でした。何か意味や歴史があるのかも知れませんが、訪れた時は何もわかりませんでした。
そろそろ下界へ戻ります。それにしても山の上は何にたとうべきか言い表せない絶景です。
帰りはちょうどバスがあったので、これに乗って再び土合駅へ向かいます。
ついに185系が入線しました!
土合駅で20分ほど停車時間があるみたいなので、じっくりと撮影しましょう。
80年台の車両とだけあって、車体には大きく凹んだ痕がありました。寿命を考慮せざるを得ませんが、あと2〜3年は頑張ってほしいところです。
背景の自然な山と国鉄型特急。旅情が溢れ出ています。因みに、幕は全て「臨時特急」でした。
早速乗り込んでいきますが、ここで一つポイント。この車両は、上越国境のあの長いトンネルを越えてきたばかりで、トンネル内と地上の温度差で窓に結露が発生しています。これも上越線お決まりのパターンなのですが、この先の車窓を楽しみたい方は、発車前に外側から窓を拭いておくことをお勧めします。今回僕は進行方向左側だったので、結露を処理することはできませんでした。
国鉄特急に乗るのは何年振りとかなのですが、入った途端に大宮鉄道博物館の匂い(わかる人にはわかる)が全身に渡り、ゾクゾクとした懐かしさを感じます。
運転席のところがガラスだったので、少し覗いてみました。この薄緑の雰囲気も国鉄って感じがします。
185系の座席は、当たり前ですが現在の特急車よりもリクライニングが浅く、足元も暖房器材かなんかで埋まっていて窮屈に感じます。僕が小学校2年生の頃、ムーンライトながらに乗った時は快適に眠れた記憶があるのですが、意外なところで自分の物理的成長を実感しました。
この車両の利点として、窓を開けられるというところがあります。上越線上りは今回の列車名にもなっている"ループ線"が名物で、それを眺めるのには最適な車両です。
車内を歩いていると、懐かしいポスターがいまだに貼ってありました。踊り子時代から掲示されているポスターです。ここまで来ると引退まで取り替える気はないでしょう。
土合まで定期特急は走っていないので今まで気づかなかったのですが、ここら辺までB特急の範囲でした。調べてみると、本来は石打までらしいです。
大宮駅に定刻で着きました。久し振りに乗った国鉄185系を隅から隅まで楽しむことができ、とても光栄です。このあと回送シーンを見送り、今回の旅は終了です。
先日5/17(金)にJRより2024年夏の臨時列車が発表されました。詳細を確認したところ、185系での運用は今回紹介したのと同じ「谷川岳もぐら・ループ」で、運転日は7/20.21。ここ一年はもっと185系の運用があったのですが、今回はこれだけ。本当の終わりが近づいているのでしょうか。
なので、185系に少しでも興味のある方や、思い入れのある方など、これが最後のチャンスかもしれません!この記事で僕が紹介した旅行ルートは参考程度に、素晴らしい旅の思い出を作り上げてください!
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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