28.学校行事〜運動会〜

 私が学園に来て、一番最初の行事は運動会。
そういえば…
2番目の学校、公立の小学校では運動会まではいなかったので、一番最初の学校の運動会しか知らないが、まぁ全体的にはそんなに変わらない。

運動会に近くなってくると、体育の授業は運動会の練習時間となった。
そして段々と運動会カラーに染まっていく。

かけっこやリレー、フォークダンス、各学年の競技…これが4年生は障害物競走だった。
とにかく運動嫌いな私にはとてもとても苦痛で………
この各学年の競技の内容は、各担任が決めるみたい。
障害物競走のラストは、薄茶色の底のある紙袋に目の部分だけ切り抜いた袋が畳んで置いてある。
自分のレーンに置いてある袋を広げて頭にすっぽり被り、四つん這いでゴールまで行く。
それが本当に嫌だった。
運動会の朝も、それを考えるだけで憂鬱になった。

どうして、みんなのお父さんやお母さん、全校生徒が見ている中で、袋を被って四つん這いにならなければならないのか、訳わかんない!!

と、思っていた。

E先生は、今でもおっしゃっているが
「まさえちゃんとK子ちゃんだけだったなぁ…
運動会がなければいいのにって言った生徒は。」

先生の教師生活の中で、運動会が嫌い!!と言った生徒は2人だけだったと話す。

先生、ごめんなさい。
この学年をもたなかったら、もしかしたら、そんな経験もしなかったかもしれない。
貴重な体験と思ってください。

あ…
だから今でも忘れられないのか^^;

運動会がなくなればいいのに…
と、先生に話した記憶は残っていないけれど、そこまで運動会を嫌っていたとは…
我ながら驚き!

5年生の時は、パン食い競争で、これも本当に嫌だったなぁ…
パンは袋に入ったまま、ぶら下がっている。
背の小さい私には届かない!!
釣竿にぶら下げてくれるので、私だけになると、ちょっと竿の高さを下げてくれる。
どうせなら、同じような背丈の子のグループを作ればいいのに。

ちょっとだけ歯形のついたあんパンを、家に帰ってから食べた。

もう2度とやりたくない
でも、美味しいから今は許す!

6年生の時は、障害物競走の最後、白い粉の中に入った飴を口だけで取る、というもの。
これは、生徒が出したアイデアがヒントになった。
これを決めた時のE先生は、むちゃくちゃドヤ顔だった。
さすがに、これは練習できないので、当日までどうなるかわからない。

どうして先生達は、こんなことを考えるのか…
私には、笑いを取りたいためにやっているとしか思えない…

これは、運動が好きとか嫌いとかの話ではなく、運動会はみんなの前で笑いを取るのは、ちょっと違う。

先生が自分でやったらいいのに…

なんて思っていた。

運動会の〆のフォークダンスは、私が唯一ホッとする時間。

これでやっと運動会が終わる!!

と思うと、学校の先生方には申し訳ないけれど、一番安心できて嬉しい時間であった。

運動会での楽しい思い出は、フォークダンスのホッとした時間のことだけ。
何と捻くれた子どもだったのだろう、私は。

そういえば、元カメラマンだった父が、最も力を入れていたのが運動会。
私のことだけでなく、みんなの写真をたくさん撮ってくれた。
それを現像する父は、楽しそうに見えた。

5年生の最初の頃、転校して行ったYくんが、その年の運動会に遊びに来ていて、父が撮った集合写真の中に、私服を着たYくんが、違和感なく一緒に写っていたのが、ちょっと微笑ましく思えた。

父は、親が出る種目も、必ず参加してくれていた。
私のために、とっても張り切ってくれていたなぁ。

6年生の運動会最後のフォークダンス。

「これで運動会も終わっちゃうね。」
「寂しいね」

練習の時から、女の子達がはなしていた。

いやいやいや…
これで運動会が終わると思うと、ホント…嬉しいよ…

私は心の中で思っていた。

運動が嫌い、人前に出ることが嫌いなだけで、運動会そのものは嫌いなわけではなかったのかもしれない。
何だか私って、めんどくさい子どもだ。

…続く……🥯


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?